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76.児童虐待

現代の日本は、核家族化や共働き世帯の増加のような家族構成の変化や、少子高齢化に伴う地域の繋がりの希薄化などによって、家庭での子育てが難しくなってきています。

保健・医療や福祉、教育現場などで子育て中の保護者や子ども達本人に接する人達や、NPO、保育などの子育ての支援者の人たち…そして、周囲の家族や地域の人達は、子育て中の保護者が孤立しないようにサポートをする必要があります。

悩みを保護者だけで抱え込まないように支援していくことが求められます。

子育てを頑張ることは、気力、体力を使い、物凄く大変なことと思います。

子育てに悩んだ時は1人で抱え込まないようにしなければいけません。

少しでも困ったことがあれば、市区町村の子育て相談窓口や保健センターに相談すると良いと思います。

そして、社会全体で子どもを守るという国民の意識が求められます。

こども家庭庁は、全国に232か所ある児童相談所が2022年度に対応した虐待相談件数が前年度より1万1510件増えて21万9170件になったと発表しました。

1990年度からずっと増え続けていて、今回も過去最多を更新しています。

虐待相談の内容別件数は、心理的虐待が12万9484件と最も多くて全体の59.1%を占めています。

次に、身体的虐待が5万1679件(23.6%)、ネグレクトが3万5556件(16.2%)、性的虐待が2451件(1.1%)となっています。

心理的虐待の相談対応件数は、前年度より4760件増加しています。

児童相談所に寄せられた虐待相談の経路は、警察等が11万2965件(51.5%)と最多で、近隣の人や知人が2万4174件(11.0%)、家族や親戚が1万8436件(8.4%)、学校が1万4987件(6.8%)と続いています。

そして深刻なことに、2021年4月1日から2022年3月31日までの間に発生した児童虐待による死亡事例(表面化したものだけです)は、前年度より3人少なくはなりましたが、74人になっています。

このうち、心中以外の虐待死は50人で、心中による虐待死(未遂を含む)は24人になっています。

心中以外の虐待で死亡した子どもの年齢は0歳が24人(48.0%)で最も多く、虐待の類型では身体的虐待が21人(42.0%)で、主たる加害者は実母が20人(40.0%)で最多でした。

虐待の種類は、子どもを殴る・蹴るなどの体に暴行を加える身体的虐待、言葉や態度などで子どもの心を傷つける心理的虐待、子どもの保護を怠たることや養育を放棄するなどのネグレクト、性的行為を強要する性的虐待…最近話題になっているジャニーズ事務所の問題もここに当たります…、の4つに分類されます。

複数のタイプの虐待が複合して起こることが多いとも言われています。

こうした虐待は、子どもの体と心を深く傷つけて、体の成長や脳の発達に影響を及ぼしたり、心の傷(トラウマ)が残ることもあります。

特に今1番多い 心理的虐待 は、 “生まれてこなければ良かったのに…”などといった言葉の暴力であったり、 姉妹・兄弟間の差別なども含まれます。

無視することも挙げられます。

そして、今増えているのが、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(面前DV)で、これも心理的虐待に含まれます。

児童虐待のほとんどは、家庭という密室の中で起こっています。

子どもや保護者の様子に何か変だな…と思った場合は、児童相談所虐待対応ダイヤルの189(いちはやく)に電話する必要があります。

子どもを守る為には、周囲の人たちが虐待にいち早く気づけるか…ということも重要になります。

“しつけ”と称して子どもへの体罰が行われることもあります。

“しつけの為には仕方ない”とか、“痛みを持って体感した方が理解する”と考える大人もまだまだ多いと思います。

今も昔も、子どもの人格や才能を伸ばして、社会で自律した生活を送れるようになってもらいたくて、愛情表現の1つになっている場合もあります。

しかし、身体に何らかの苦痛を引き起こしたり、不快感を意図的にもたらしたりする行為(罰)は、どんなに軽いものであっても今では体罰に該当します。

それは子どもの心身の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。

そして、児童虐待の防止等に関する法律などの法でも体罰は禁止されています。

もし、児童虐待かもしれない…と思ったら、児童相談所虐待対応ダイヤルの 189(いちはやく)に電話しましょう。

189(いちはやく)は匿名で電話できます。

電話した人の個人情報や電話の内容に関する秘密は守られます。

虐待の連絡だけではなく、育児の悩みなども相談できます。

一部のIP電話からは繋がらないこともあるようです。

その場合は、住んでいる地域の児童相談所に相談です。

虐待されている確信がなくてもです。

虐待かどうかを判断する必要はありません。

その時間が命取りになるかもしれません。

連絡がなければ、もし実際に虐待があった場合に、子どもはその被害を受け続けます。

早期発見できれば、問題が大きくなる前に解決できます。

児童虐待は社会全体で解決すべき問題です。

社会全体で子どもを守るという国民の意識が求められます。


写真はいつの日か…北海道神宮で撮影したものです。

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