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☆ふくしのおべんきょう☆

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もぐりのソーシャルワーカーですが、こそっと福祉のお勉強をしています。
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#地域共生社会

89.地域包括ケアシステムはどうなるの?

2024年度の介護報酬改定が、結構、話題になりました。 特に訪問介護の基本報酬引き下げについてです。 今後はもっと人手不足が深刻化して、家族の介護や看護の為に仕事を辞めざるを得なくなる介護離職やビジネスケアラーが増えるということは目に見えています。 そして、ヤングケアラーの問題も拡大するでしょう。 先陣を切ったような形で、北海道の後志地方にある倶知安町の訪問介護事業所の閉鎖が話題になっています。 昨日、妻がこの話題をニュースで観たと教えてくれて、急遽、お勉強してみま

84.訪問介護の賃下げ’24

今日は久々に4日連続のお勉強なので、手短かにサラッと簡単に…いや、グチか…。 今年になって、介護職の在り方や人手不足、待遇改善などが議論される中で、政府が急転直下の決断をしました。 来年度からの介護報酬の改定の話です。 訪問介護の基本報酬を引き下げられることになりました。 政府は待遇改善の加算措置で、トータルで見ると報酬の減額にはならないと仰ってます。 厚生労働省も、訪問介護については他のサービスよりも利益率が高いと指摘しています。 現場の感じ方と少し遠くに行って

71.ケアマネージャー

2025年、約800万人いる団塊世代が後期高齢者(75歳以上)になります。 国民の5人に1人が後期高齢者になる2025年に向けて介護サービスや医療サービス、その他の生活に必要なサービスと利用者やその御家族の架け橋…つなぎ屋になるケアマネージャーの役割は今後ますます大きくなると考えられています。 しかし、人員はなかなか増えていないのが現状です。 2018年に受験資格が厳格化(保有資格による試験免除科目の廃止、国家資格保有者又は相談援助業務に就いている人で実務経験が5年

70.2025~ reprise

いよいよ、日本社会が突入した2025年問題です。 今後、少子高齢化がもっともっと深刻化していき、2030年、2050年と時が経つにつれて、これから四半世紀のうちに日本は現在のような社会の維持が困難になる可能性があります。 ちなみに、私は2025年には46歳、2030年に51歳、2050年に71歳になっています。 生きていれば、おそらくまだまだ現役でこの不幸な時代に働いていると考えられます。 2025年には総人口の約30%が高齢者に達する見込みで、800万人の団塊世

69.社会と育児 ~ 完全版

少子高齢化と言われますが、日本の高齢化率が高くなり続けている大きな要因は、どちらかと言うと長寿化より少子化にあります。 日本の高齢化率は世界2位に君臨していて、29.1%になっています。 通常は21%を超えると超高齢社会と呼ばれるのでとてつもない数字です。 これはまだまだ途中段階で、2065年には40%近くまで上昇すると予測されています。 総人口に占める子どもの割合は1950年に3人に1人だったのが、現在は8人に1人と低下し続けています。 平均寿命の延びも高

66.役割理論とノーマライゼーション

最近は、インクルージョンという言葉がよく使われます。 ソーシャル・インクルージョンのことで、元々はフランスを中心にEU諸国での社会的経済格差の問題から生まれた言葉です。 1970年代のフランスでは戦後復興と福祉国家の諸制度が整いつつも、その中で排除されている人が大勢いる…という状況になり、それを“社会的排除(ソーシャル・エクスクルージョンsocial exclusion)と呼んだことから始まりました。 その後1980年代に入って、ヨーロッパ全体で若者の失業問題がクロ

65.福祉用具と住宅改修

ノーマライゼーションは“標準化”や“常態化”を意味します。 すべての人が平等に生き生きとした生活を送れる社会を目指すということです。 ノーマライゼーションと同様の障害の有無を問わず同じ日常生活を実現する為の取組は他にもあります。 中でも、よく知られているのが“バリアフリー”と“ユニバーサルデザイン”の2つです。 バリアフリーは障害のある人や高齢の人をはじめとする“社会的弱者”と呼ばれる人にとっての日常生活における障害となっているものをなくして、より暮らしやすい社

63.XYZと学校教育

同じ日本人でも、生まれた時代とその環境…社会の変化による影響から、世代間で異なる特徴が見られ、その世代によって肩書があります。 昭和の勝ち組世代が名付けたかっこいい名称です。 “団塊世代”、“団塊ジュニア世代”、“バブル世代”、“就職氷河期世代”、“ゆとり世代” などです。 そこで“Z世代”…、今これからの社会の中心に立つ世代の特徴を少し見てみたいと思います。 Z世代は既にインターネットが普及していた時代に生まれた、デジタルネイティヴと呼ばれる世代のことです。

62.社会と育児

社会の変化が、子どもの成長に大きな影響を与えていると考えられます。 まずは地域社会の中での子どもが育つ環境の変化を見てみます。 子どもが成長して自立する上で、多様な経験をすることが不可欠です。 実現や成功などのプラス体験だけではなく、葛藤や挫折などのマイナス体験もとても重要な経験です。 しかし、少子化や核家族化が進行して、ここ数年は新型コロナウイルス感染症などの影響もあり、子ども同士が集団で遊びに熱中したり、時には葛藤しながらお互いに影響し合って活動する機会が減少

46.人口問題

今の日本は少子高齢化、人口減少、社会の変容等によって、地域の“繋がり”が希薄化して個人や世帯が抱える課題も多様化し、そして複雑化しています。 また、独居又は高齢者世帯が増加する中で、身近な住民による見守りや気にかけ合う関係性の構築が重要になっていますが、様々な場面で地域の担い手が不足しています。 これからこうした課題がますます深刻化することが懸念されています。 今年に入って総理大臣も“異次元の少子化対策”という…ぶっ飛んだスローガンを掲げて急に発信し始めました。 そ

38.CaRe

日本で一般的に “ケア”といえば、家族や介護職が行うお世話として理解されることが多いと思いますが、治療や看護などの医療的な“ケア”や、国や社会が児童、高齢者、障がい者などに必要なサービスを提供するという場合など…あらゆる場面で使われます。 本来は、自分に対してや人間関係の中での相手への配慮や、思いやり、気遣いまでが含まれる広い概念です。 スポーツ選手が自分の身体をケアする…と使われ方もします。 地域共生社会では“ケア”を求める全ての人の為に、医療や福祉だけにとどまら

33.更 生

最近、金持ちをボコボコにして金を奪うという事件…今から100年ぐらい前の大恐慌の時代に世界中で起きていた強盗事件のようなことが日本で多発しており、指示していたのが就職氷河期世代で実行犯の多くは若者ということで、今後も社会が生きやすくなるまではマイナーチェンジしたような模倣犯が現れそうな気がします。 1967年のアーサー・ペン監督の映画『俺たちに明日はない』でも描かれていますが、結局は不景気によって自分に合った仕事も得られず、その結果、貧困になって生きていく手段として、そうい

31.食料品アクセス問題

買い物難民は様々な理由によって食料や生活に必要な物を買えなくなる人のことをいいます。 物だけではなく郵便局や病院、役所などでの手続きなど……料金を支払って受けられるサービスを受けられなくなることも含まれ、社会問題になっています。 買い物難民は買い物や生活に関するサービスを受けられないことから人の命に関わる問題です。 1人暮らしの高齢者の具合が悪くなったにも関わらず、どこにも行けずに誰にも発見されないまま死亡してしまったという例もあります。 一番近くのお店が自宅から

30.過疎と地域おこし

人は歴史や経済の流れに沿って様々な場所に移り住んできました。 特に、発展している都市部には自然と人が集まり更なる成長を遂げてきました。 しかし、都市部に多くの人が移ることによって課題も発生します。 日本が抱える大きな課題の1つ“過疎化”です。 日本は1950年代以降に高度経済成長期に突入して、これをきっかけに農山漁村を中心とした地方に暮らす人々が続々と都市部へ移住しました。 主に、雇用の機会を求めている若者やその家族が都市部へと流れていきました。 しかし、多く