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☆ふくしのおべんきょう☆

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もぐりのソーシャルワーカーですが、こそっと福祉のお勉強をしています。
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2023年6月の記事一覧

20.貧困とヤングケアラー

日本人口の6人に1人が相対的貧困とされている日本の貧困率は、2012年に16.1%、2015年は15.7%、2018年には15.4%と僅かに改善傾向にはあります。 しかし、OECDの2021年の相対的貧困率を見ると、日本は先進国の中でもっとも高く、G7中でもワースト1位になっています。 相対的貧困率の高さは国内における格差の大きさを表します。 相対的貧困とは、その国や社会で多くの人たちが享受できている生活水準に満たない状態になっていることを言います。 2000年代中頃

19.コミュニケーション3

“和を以て、貴しと為す”という言葉があります。 この規範のようなものは、今も日本人の心に植え付けられています。 “和”を大切にしなさい”という意味です。 お互いを尊重し、認め合って、協力することの大切さを説いています。 怒らず、争わず、協力や協調することが尊いことだという意味です。 そして、“話し合いを大切にしなさい”という意味もあります。 争いを避けて“和”を大切にするだけではなく、お互い妥協せずに納得するまで話し合うことの大切さを説いています。

18.続コミュニケーション

コミュニケーション能力が高いと言われる人には共通点があります。 “伝える”だけではなく“伝わる”ことを重視しています。 コミュニケーションには必ず相手がいるので、単に自分の言いたいことを伝えれば良いわけではなく、相手がきちんと理解できるように“伝わる”コミュニケーションをする必要があります。 具体的には、伝えるべきポイントを明確にした上で伝えている、相手に伝わる言葉や話し方を選ぶ、相手の興味を引く話の引き出しをもっているなどの特徴があります。 そして、傾聴のス

17.コミュニケーション

世界が、コミュニケーション不全になっています。 アメリカが中国から来た気球を対話なく撃墜していがみ合ったり、少数民族への迫害や隣国同士で戦争が起きたりと、ミサイル飛ばす前にもう少し話し合いませんか…なんて思います。 子どもの ごっこ遊びと違うのですから…なんて思ってしまいます。 多種多様な人たちが、しっかりコミュニケーションをとれていれば、揉め事も争い事もほとんど無くなるのではないでしょうか。 日本でも、世代間や性別間など…様々なことで分断や排除といった問題が

16.認知症と運転

日本では急速に高齢化が進んでいます。 その結果、必然的に65歳以上の高齢者の中で認知症の人の割合も急増しています。 2012年に約462万人(割合にすると約15%)だったのが、2025年には約700万人(約20%)にまで増加すると推計されています。 その中で、全員が認知症の自覚があるとは限りません。 自動車運転などの事故を起こしてしまい、そこで初めて検査を受けて認知症に気付いたという人たちもたくさんいます。 同居の家族でも認知症に気付けないというケースがたくさんあ

15.若者の苦悩と自殺

日本に住む若者…15~39歳までの人の死因の第1位は“自殺”です。 先進国とされるG7(フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、カナダ、アメリカ、日本)の中でも、若者の死因第1位が“自殺”なのは、日本だけという恥ずべき事態です。 2022年の日本国内の自殺者数は21584人でした。 2021年と比べて577人増え、2年ぶりに増加しました。 新型コロナウイルスの国内流行前は10年連続で減少し、2019年に約2万人になりましたが、コロナ禍で1000人程増えたまま高止まりの

14.共育~この子らを世の光に

北海道石狩市からアメリカに移住した中学生であり、物凄い才能を持ったドラマーのYOYOKAさんをご存知でしょうか。 8歳の時にレッド・ツェッペリンの「Good Times Bad Times」を演奏した動画が世界的に注目されて、名だたる大物ミュージシャン達から評価され、レッド・ツェッペリンのシンガーのロバート・プラントさんまでもがその実力を認めました。 日本を離れる決意をした理由は、ドラマーとして世界で挑戦する為だけではなく、学校生活に馴染めなかったことも一因としてあるよ

13.またもや揺り籠から墓場まで

現在の日本人は、0歳児から“健康(医療)保険”に加入し、生涯に渡って保険証を持ちます。 これは、スイッチを押すと電気がついたり、蛇口をひねると水が出る…これらのことと同じように、当たり前のことになっています。 でも、この電気にしても、水にしても、保険にしても…、現在、当たり前になっていることは、生きる上で最も大切なことであり、これがないと生活はかなり不便になります。 本来ならば、心から感謝しなければ、罰が当たるような大きな事です。 国民皆年金、国民皆保険は、19

12.揺り籠から墓場まで

まずは、ウィンストン・チャーチルさんの御言葉から…、 “現在我々は悪い時期を通過している。 事態は良くなるまでに、おそらく現在より悪くなるだろう。 しかし我々が忍耐し、我慢しさえすれば、やがて良くなることを私は全く疑わない。” 社会保障は、国家が国民の生活を保障するものです。 現在、いろいろな国で試行錯誤しながら実践されています。 今、その社会保障が充実しているのは北欧諸国で、その国民の多くはやはり幸福を感じられているようです。 その社会保障の始まりは

11.ICTとAIと地域共生社会

2022年末、厚生労働省は全国の介護施設で発生した事故による死者数や原因などの情報を収集、分析し、結果を公表する方針を固めました。 事故に関する全国的なデータを蓄積する仕組を構築し、介護現場での再発防止策の策定や、利用者の安全向上に役立てる狙いがあるようです。 介護保険法に基づく省令を改正し、2024年度にも運用を始める方向で進んでいます。 事故情報の集計や分析の具体的な方法は、今年度に社会保障審議会の介護給付費分科会で議論されます。 現在の省令では、事故が起きた

10.社会福祉協議会

地域共生社会の実現に向けて、その中核を担うと思われる社会福祉協議会についてお勉強してみます。 社会福祉協議会(Social Welfare Council)は、70年以上の歴史があります。 1951年に社会福祉協議会について規定する社会福祉事業法(現在の社会福祉法)の施行によって始まりました。 1947年に開催された第二次世界大戦後初の全国社会事業大会(現在の全国社会福祉大会)で、1938年に施行された社会事業法の改正が強く求められました。 そして、当時は1946年の

09.少子高齢化と地域共生社会

2023年4月1日時点で、日本の子どもの数は、前年より30万人少ない1435万人でした。 1982年から42年連続で減少して、過去最少を更新しています。 総人口に占める子ども(0~15歳)の比率は前年より0.2ポイント低い11.5%です。 国連のデータによると、人口が4000万人以上の36カ国中、日本の子どもの比率は最低でした。 今後もこの状況が続くと言うよりは、もっと深刻になると考えられており、社会保障制度の支え手が減り、労働力不足もどんどん深刻になります。

08.あいさつ

Wikipediaを観てみると、 “挨拶(あいさつ)とは、出会う際や別れ際など、特定の際に純粋な礼儀やその他の意図をもって行われる形式的な語句や動作のこと。 あるいは、式典などで儀礼的に述べる辞をいうこともある。” …と書かれています。 もっと気楽に考えると、挨拶は、相手に“あなたを見つけましたよ、今日もよろしくお願いします”と知らせる合図です。 自分から率先して気持ち良く挨拶することで、相手の心を開き、より良い人間関係を構築すると考えられています。 現代は、

07.アダムズとリッチモンド

ソーシャルワークの歴史について、少しお勉強です。 アメリカでは、実践者や研究者自らがソーシャルワークを育て、専門職に仕立て上げてきました。 国が中心になって、この専門職を作ったわけではありません。 かつてのようにケースワーク、グループワーク、コミュニティワークの3分類でソーシャルワークを分類することはなくなり、現在は、ミクロ、メゾ、マクロに分けていて、ミクロは個人への働きかけ、メゾは家族や団体といった組織への働きかけ、そして、マクロは地域への働きかけということになって