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17歳のエンディングノート

17歳のエンディングノート NOW IS GOOD
2013年 イギリス

LASTに向けて、泣きたくないのだが、どうにも涙が溢れて来る作品。
さすがに思春期の子供2人が傍にいて、泣いたらヤバイと思い、トイレにエスケープした作品。

BBCが制作する作品は、基本ハズレがないので、ある程度は期待していたが、期待を遥かに超えた映画であり、チープな恋愛映画を遥かに凌駕する、1人で見たら号泣必死な作品。

死ぬには早く、だが未来がない
白血病により残り人生9ヶ月の余命宣告を告げられてしまった17歳テッサの物語。

まず実写からアニメーションに変化するオープニングが作画も音楽も含めキュートでポップでスタイリッシュでカッコよい。

またこの映画全体を覆う光景美が素晴らしい。

映画の冒頭から、テッサの治療シーンが入り、この少女は、闘病中なんだと改めて認識する。

テーマ的に、僕はこの手の映画は好きじゃないから、決して楽しい映画ではないのは分かっているつもりだが、それでも隣人のアダムとの初デートの前にテッサが大量の鼻血を出して緊急搬送される場面は見ていて辛い。

映画途中での、テッサのやりたい放題の行動には、悲壮感が感じられず、普通の青春映画じゃないかと錯覚したりもするが、映画の時間軸と共に、17歳で一人寂しく死を正面から受け入れて、17歳で一人寂しく死を受け止める心境が見ている此方にも痛いほど伝わって来る。

映画のエンディングに向けてテッサのエネルギーがどんどん落ちていく。

明日がない人生ってなんだろう?
娘の治療法を最後まで探し続けた、父親の葛藤と、娘の病気に無力感を覚えた母親と姉の死を受け入れられない能天気な弟の存在と、テッサがいなくなった後を模索しながら、テッサを懸命に愛するアダムの存在も、全てこの人達を遺して逝くのかと思う、テッサの想いと悲しみを思うと切なくなる。

「苦しみからの解放を」父親の最後の想いであり。

「人生は瞬間の連続」
この映画の想いである。

生きていると感じる瞬間を大切に。

#エッセイ #ポエム #コラム #小説 #映画 #青春 #生きる

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