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陽だまりの粒 Ⅱ ②

1990年10月27日(土曜日) PM14時

**盛岡南インター出口 **

レディースバント 「スニーカーズ」の

四人と運転手兼引率者の

花畑 百合は、

明日宮古にある高校の学園祭に

ゲスト出演するため

目的地に向かい車を走らせていた。

「ここからが遠いよと、園子さんが言ってた」

運転手の百合が助手席に座っている

妹の咲に話かけた。

「姉ちゃんは結構な方向音痴だから無事に着くとイイなぁ」

妹に毒を吐かれて苦笑いしながら運転している

百合は毒に対して、毒で切り返した。

「咲はホントに性格変わったよねぇ、

ベソベソしてた咲は何処に言ったんだろうね?

それとも何かいい事があったのかな?」

咲はロードマップを見ているフリをして

姉の言葉を聞かないフリをしていたが

ロードマップから顔を上げ

外の風景を眺めた時に違和感を覚えた

「もしかして姉ちゃん逆戻りして走ってない?花巻、北上方向に車が向かっているみたいだけど」

咲の言葉で後部座席に座っていて

眠っていた女子高生三人が

目覚めてそれに気づいた。

「慌てないでUターン出来る所を探そう」

「そこの信号を右」

女子高生にナビをしてもらい

何とか宮古に北上するコースに戻った。

「みんなゴメンね」

百合が後部座席の女子高生三人に謝ると

「全然気にしてないから大丈夫です」

と返事が帰ってきた。


それから車を走らせること40分

区境峠に差し掛かっていた。

「なんだこのジグザグな坂道は?」

初めて走る未知の道路に戸惑いながら

何とか百合は区境のパーキングに辿り着いた。

「ここで待ち合わせするんだけど、何処に車があるのかな?」

百合は駐車場を徐行しながら、

ここで待ち合わせるはずの人を探した。

駐車場を一回りした時に咲が

「車を見つけて呟いた(゜Д゜)アッ!?和君だ!」

「姉ちゃん車を止めて!」

百合が車を駐車スペースに止めると

車から素早く降りて一目散に

待ち合わせていた車に走り出した。

**待ち合わせの車から、雪野 和彦と **

妹の雪野 泉が降りてきて、

百合の車の方向に向かい出した。

「遠い所からご苦労さまです。

これから宮古に向かいますが、

宮古に着いたら家に泊まる、高校生の

人は先に銭湯に行きましょう」

和彦がこれからの予定を話すと

助手席に座っていた咲と泉の車を

交代して車は宮古に向かい始めた。

#小説 #ラノベ #エッセイ #コラム
#青春 #女子高生 #バント






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