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月が砕け落ちた午後に (第4回)

「こら!!いつまで寝てんだ?もう5時半だぞ夢花起きろ」
弟の大我が姉の夢花を起こしている。
「うるさいな〜お願いだからあと10分寝せてよ」
夕方の情報バラエティ番組が今日の晩ご飯の特集をしている。

「俺はお母さんに頼まれて起こしに来たんだからな!」
大我は、姉の足の裏をくすぐり始めた。
「ぎゃーっ」夢花は寄声を上げて笑い始めた。
「分かったよ!!起きればいいんだろう、それよりもお母さんはどこ?」
「台所に決まってんだろうが、そんな事も知らないのか妖怪ケチケチおババ」
「ホントに可愛くない弟だな!! こうしてやる」
夢花は弟の大我の左右のコメカミをコブシでグリグリし始めた。
「いててた…あぁ〜ぎゃ~ギブアップ!!夢花おババ許して下さい、…ギャーっ」
それを見ていた妹の葵が大声でケタケタ笑った。

✄---------キ リ ト リ ---------✄✄---------キ リ ト リ ---------

「お母さんおはよう!!」
「oh~夢花サマおはよう、今日の晩ご飯は葵が食べやすいように、うどんにした」
夢花はさっき見た夢の話を母親どう説明会しようか、上手く話出せないでいた。
何か迷っている娘の姿を見逃さなかった母親は
「どうした夢花?悩みなら何でも聞いてやるぞ!」と夢花に話しかけた。
「あのさーさっき夢の中でお父さんとお母さんがデートしてたんだ、お父さんが反戦と背中にプリントしてあるTシャツ着てお母さんが愛と平和と書いてあるTシャツを着ていたんだ、何かお母さんの誕生日らしくて二人とも凄くラブラブで羨ましかった」
「あれ?夢花が何でそんなこと知ってるんだ?お母さんそんな話したっけ?」
母親は娘を不思議そうな顔で見た。
「話された事はないけど、夢の中で会って来たんだって!」
夢花は夢の中での出来事を中々信じてくれない母親にちょっと苛ついた。
その姿をチラッと見た母親は、「じゃあねぇ今晩二人で飲んでその事について話してみようか?」
娘と飲むぞと少し気合いを入れた。
「えっ!未成年だけど飲んでいいの?」夢花は少し戸惑った素振りを魅せたため。
「何言ってんの家飲みだし別にいいでしょう!」と気にしない素振りで少し笑って娘に答えた。

#小説 #エッセイ #コラム #青春 #恋愛 #親子

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