48.コンビニエンスストアを見に行くべき
24時間営業廃止ですったもんだしているが、その存在は飲食業に対して圧倒的な脅威である事に変わりはない。あなたは"競合店"という視点でコンビニエンスストアに行っているだろうか?
私が注目しているのは、近年、棚に多種多様な調理済みの真空パックされたおかずが並んでいる事と店内に椅子・テーブルを置いている事、更にレジ横のホットケースの揚げ物の種類が増えている事。これら全てが外食にとって脅威であり、現実的に客足を奪っていると言える。
外食産業は下落傾向の中、中食と呼ばれる調理済商品の売上は伸びており、事実、住宅近くのスーパーでさえも総菜売場が充実している。これは、家で作るのは面倒くさいが外で食べるとお金がかかるという消費者心理が如実に現れ、同時に年齢問わず複数ではなく一人で食べる機会も増えているとも言える。
そこで、近くで利便性の高い場所にあるコンビニエンスストアがその供給者として機能している。時代を反映し、素材産地、こだわりにカロリーやアレルギーなど、過分なまでに情報が記載されており、その上、値段に対する味は驚かざるを得ない。独りなら、おかずと酒を買って店内の椅子に座って飲めばちょっとした一杯飲み屋にでも居る気分。それでいて払う金額は外食の2分の1か3分の1で済む。お腹いっぱいにしようと思えば昼食べた物とは違う商品が並んでいるので迷う位である。コンビニエンスストアは大企業が展開し、激戦を勝ち抜いてきただけあって、今の消費者ニーズを的確に捉え反映している。売れない物は直ぐに棚から外され、売れる物だけが並んでいる。
「たかがコンビニ」と侮るなかれ。行かず、見ず、食べずして語る無かれ。「うちの方がウマい」と言うなかれ。「10.ウマいマズいを言っても意味がない」でお伝えした通り、繰り返しお伝えしている"リーズナブルさ"は極めて高い。生理的欲求の一つである食欲の1日3回しかない機会の1回をも確実に奪われているのだから。さらに、「9.参考店は見に行ったか?探したか?」でお伝えした通り、"否定的"に店を見ずに、お客様の求めているもの、食べているもの、評価しているもの、という視点で捉えて欲しい。
その上で、あなたの店はコンビニエンスストア商品よりも2倍3倍払って食べに行く価値を見い出し、提供出来るのかどうか?を考えて欲しい。前向きに捉えると、競争相手の出方はわかっているので、それと比べて優位性を発揮すればいいと考える。そうすれば、如何に“接客”が重要なカギを握るか言わずとも浮かんでくるはず。
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