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36.各要素の書き方(サービス・オペレーション)

「28.ソフトを考える時に使う道具」で紹介した業態バランスシート(GBS)の9つの要素の一つ一つの書き方・考え方を説明する。

「サービス・オペレーション」は、一見混同しがちなこれらを別々に考える。私の定義は“サービス=接客”、“オペレーション=作業・作業方式”となる。“オペレーション”を大別すると以下の3つになる。

■セルフサービス:お客様がカウンターなどで注文し、商品をお客様が自分で運び、食べ終わったらお客様が下げる。ファストフードと呼ばれる業態、フードコート店舗はこの方式
■セミセルフサービス:セルフサービスと異なる点が、商品をスタッフが後から提供する。カフェ・コーヒーショップ等、飲み物がメインの店であるが料理も提供している業態はこの方式
■フルサービス:席案内から注文、商品提供、食器の下げまで、スタッフが全て行う。客単価の高い低いは関係なく、多くの飲食店がこの方式

いずれにしても一長一短はあるので、一概にこれがいい、とは言えない。人件費の面で言えばセルフサービスが賢明であるが、単価を取ることが容易ではなくなる。逆に単価を取ろうと思うならフルサービスにする必要がある。

“サービス”は、お客様に接する際の精神的(心)な在り方で、“オペレーション”は、お客様が来てから帰るまでの一連の流れの手順の在り方である。よって、「オペレーションマニュアル」は作成できても「サービスマニュアル」を作成するのは容易ではない。何故なら、お客様は千差万別、マニュアルとして一定則で接する事は出来ない。強いてい言うなら、“事例集”として書類化する事は可能となるが、現実はお客様それぞれに応じた臨機応変な対応が求められる。

サービスを良くするには時間と労力がかかる。働くスタッフ一人一人に根気よく、あなたの考えるお客様に接する際の考え方を伝え、日々の営業で起きる事例と合わせて理解してもらう事になる。所謂、「理念教育」であり、店であろうが会社であろうが規模問わず、自分以外の人を使って何かを行うなら必要不可欠な事である。

この終わり無い、時間と労力が掛かることに対して愚直に取り組めるあなたであれば、飲食店として飲食物を提供する以上の“価値”をお客様は感じ、評価し、繁盛や永続する結果をもたらしてくれる。

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