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タイトルが決まらないと何も書けない

2月6日(木)

さて、今日の日記は何を書こうかな。今書いているお話は進まないし、先に日記書いちゃおう。書けることはたくさんある。日記とは別口で書きたかったことも頭では考えていて考察も進んだから、公開日記と言う体で書くのもある。
なのに。
記事のタイトルが決まらない。
イメージ先行で文章を組むので、タイトルが決まらないと何も書けない。逆に言うと、タイトルさえ決まれば八割書き切ったようなもんだ。
事実、ここまでの194文字、194文字しかないのに、我ながら非常に落ち着きなく散らかっている。

これまでに文藝サークル・しゃんぶるぶらんしゅで三冊の本を出し、四作の小説を書いてきたけど、どれもそのタイトルなくして走ることはできなかった。

1.猫の目星雲は二度まばたきをした

記念すべき一冊め、自分の在り方に自信が持てない女子が、本意でないものに二度流されそうになりながらも、自分に還っていくお話。
タイトルで内容のすべての説明がしてある。無駄がない。

2.柘榴レミングス

第二冊め、大学生の女子が、友達の好きな男と深い仲になるお話。
大学生の頃、起承転結の承まで書いて投げ出していた話の続きを書いたもの。その時から柘榴をモチーフにすることは決めていて、この時の本のテーマのひとつを「花」にすると決めたので引っ張り出した。当時は「足元柘榴(仮)」という名前で書いていたが、ちっともしっくり来ていなくて投げていた。
何かの象徴になりがちな「柘榴」というものを踏みにじるような、ひりつくものが書きたかった芯は変わらず。
その上で、自分ではどうしようもない大局と共に進んでいくことをどうしよう、と思っていた時、もともとはスーパーファミコンでリリースされた「レミングス」がスマホゲーに移植されたということで、「これだ!」と飛びついてプレイし、もう一度「これだ!」と思ってタイトルを決めたという経緯がある。

3.L'azur

第三冊め。美容院で「前髪の長さこちらでどうですか~」と聞かれた時に「あと少しだけ切ってください」が言えない女子の話…じゃなくて、美容院で髪を整えることは、単純に見た目を整えることでなく、内面を整理することでもあるというお話。
相方のぐりこが、この三冊目に収録している「絶対泣かない」というタイトルは某作家氏の作品から借用したと言っていたが、思い返せば、私もこれがそうなのだった。
音楽プロダクションELECTROCUTICAがまだElektLyzeと名乗っていて、作曲者のTreow氏がまだ逆衝動(さかしょうどう)Pと呼ばれていた頃の作品。(以下、VOCALOID曲注意)

私はこの曲が大好きで、作詞家のNaturaLeさんの歌詞も好きで、特に後半にかけての空の色が夜から朝に変わるところがたまらなく好きで、小説内の登場人物には全員色の名前を付けた。
主人公には紺野という名字をつけた。この「紺」は、朝の色か夜の色か、読み手によって受け取り方が変わったりしたら面白いのにな、と思っている。

4.曇天に告ぐ

これも第三冊め。営業職についている女子が、男性との差異について、無力感に襲われたり泣いたりまた立ち上がったりするお話。
晴れていたり雨が降っていればわかりやすいけれど、世の中にはそんな風にわかりやすいものはあんまりなくて、曇り空みたいにもやもやするようなことが沢山ある。けど、たまには日よけにさせてもらうし、簡単に負けてはやらないという宣戦布告…に、なったのは結果論。当初はもっと救いがない話だったので、完全にタイトルに引っ張られた印象。
初稿はぐりこを絶句させた問題作だった。

三冊目の本には他にも「PAUL&JOEに愛を込めて」というエッセイを書いたのだけど、この執筆がなかなか進まなかったのは、タイトルがうまくハマらなかったからだと思っている。全力を出してこの結果なので、特に嫌だとか後悔とかはないけど、今でもまだ、他の切り取り方があったんじゃないかな、と思ってしまう。
婚活カレンダーシリーズは大項目としてのタイトルが決まっているし、珍しく中身ありきで書いているので、そういう点では楽。

そう考えると、タイトルがバチバチに決まっているのに今書きかけのお話はなぜちっとも進まないのか。コンセプトが合ってないか、好きな単語を詰め込んだから理想が高くなりすぎたか、何か他に原因があるんだろうなあ。早く書きあがりたい。

▼ 文藝サークルChambreBlancheについて



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