「あなたは死なの?」マイスター・ホラという存在について/ミヒャエル・エンデ『モモ』【×えるぶの語り場】
シュ:カシオペイアに案内されてたどり着いた「時間の国」は幻想的で美しい場所だよね。
ソ:うん。
シュ:今回は「時間の国」でモモが出会ったマイスター・ホラという老人が誰なのか?ということについて話したいと思う。
ソ:それでいうと、マイスター・ホラという名前を見た時にラテン語の「時間 hora」から取ったと思ったのだけど、
他は特に思い浮かばなかったんだよね。
シュ:だよね。説明が少ない割に急に出てきたので、読者のほとんどは戸惑うと思う。
モモがマイスター・ホラに「あなたは死なの?」と尋ねた場面で、彼は微笑んで黙っていたという肯定とも読み取れることをしていたので、本当に「死」そのものが実体化した存在なのかもしれないよね。
ソ:今「死」の話をしていて思ったのだけど、ハイデッガーとかは関係ないのかな?
ハイデッガーは「死」から人生を規定しようとするじゃないですか。主著『存在と時間』で語られている時間論とかさ。
そういったものが下敷きになっていたりはしないのかな?
シュ:それは考えてたことがなかったな。
でもあり得ない話ではないかもしれないね。
マイスター・ホラから出された謎々を読んで僕は、
現実世界で行動していた3人(モモ・ジジ・ヘッポ)がそれぞれ「過去」「現在」「未来」に相当するのかな?
と思ったりしたんだよね。
ソ:時間がテーマになっている作品なので、老人・青年・子供という3人がそれぞれ何かしらの時間を表しているというのは説得力があるかもしれないな。
シュ:「時間の国」で出てくるホラ・モモ・カシオペイアという3人?を時間に当てはめて考えることでマイスター・ホラの正体がわかると思ったりしたのだけど、少し強引すぎるかな(笑)
ソ:考え方としてはありかもしれないけど、難しそうではあるね。
シュ:ホラについては誰かわからないというオチの記事になってしまうけど、何か思い浮かんだら別途記事を書くことにするね。
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