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多様性を体感できるオフィス空間で社員同士がConnectする【ユニリーバ&ヘラルボニー】


ヘラルボニーは「異彩を、放て。」をミッションに、企業様とさまざまなカタチでコラボレーションし、社会課題の解決を目指しています。
今回登場いただくユニリーバ・ジャパン(以下ユニリーバ)さんは、創業60周年を記念して、本社オフィスのリニューアルにヘラルボニーの異彩作家のアートを起用。さらに、多様な人々が集まり、個性やその人らしさを互いにリスペクトし合う社風を表現するオリジナルアート作品を制作させていただきました。
ユニリーバとヘラルボニーのコラボレーションがスタートしたきっかけから取り組み、成果、今後について。ヒューマンリソース人事総務本部長代理・岸本しのぶさん、人事部アシスタント人事マネジャー兼EDIリード小野菜生さんに、お話を伺いました。

今回のコラボレーションで起きたこと

  •  多様性をモチーフにしたアート作品が、社員同士の日常のつながりを大切にしたオフィスコンセプトとシンクロし、多様性を感じながら社員同士がConnectする新しいオフィス空間に

  • オリジナルアートとそのストーリーが、会社パーパスに立ち返らせてくれるシンボルに

  • 社員のエンゲージメントを高め、新しい可能性の広がりを社員が誇りに想うプロジェクトに

物語を乗せてソーシャルインパクトを届けたい

――ヘラルボニーと出会った経緯を教えていただけますか?

小野菜生さん(以下、小野): 昨年プライベートで、ヘラルボニーの展覧会「ART IN YOU アートはあなたの中にある」を訪れました。どの作品もとても素敵で、作品一つひとつに作家さんの多彩なストーリーがあることにとてもワクワクしました。

弊社の製品も、機能性や品質を大切にしながら、同時に、どういう会社になっていきたいかという「パーパス」(目的・存在意義)を乗せて消費者の皆さんに届けることに重きを置いています。ヘラルボニーもアートを通じてストーリー(物語)を伝え、ソーシャルインパクトを起こすことを目指されている企業なので、そこのビジョンが一致しているな、と。まさに稲妻が落ちてきたような衝撃を受けました。

――実は私たちは「アートの会社」と思われていることも多いのですが、ユニリーバさんは当初より、アート作品のみならずヘラルボニーの思想やストーリーにもリスペクトしてくださいました。

岸本しのぶさん(以下岸本):ですね、最初から思想とストーリーありきでした。当時、私は人事と総務の総括を担当していて、ちょうどオフィスのリニューアルプロジェクトが動いていました。新しいオフィス空間は、私たちが大切にしている価値観を体現し、社員のエンゲージメントを高める職場環境にしたいと考えていました。

私たちの会社には、「ユニリーバ・プラウド」という、社員リソースグループ(ERG)があります。「Colourful is Powerful」をテーマに、社員有志が集まり、障害のことを弊社では異なる(Different)能力(Ability)ということでディファビリティ(Diffability)と言うこともあるのですが、ディファビリティのある方を含め全ての人々の持つ多様性が可能性につながることを応援する活動をしています。

この「ユニリーバ・プラウド」の活動とオフィスのリノベーションを融合できないかと小野さんに相談したところ、「ピッタリの企業があります!」とものすごいテンションでヘラルボニーを紹介してくれたというわけです。

――ユニリーバとヘラルボニーが目指すビジョンも、タイミングもピッタリ合ったのですね。その後社内での調整はどのように進められましたか?

小野:初回のミーティングで取締役やオフィスリノベーションに携わるマーケティングダイレクターに、ヘラルボニーのビジネスモデルやストーリーを伝えると、すぐにゴーサインが出ました。

岸本:オフィスを変えるプロジェクトは当初から、「4つのC=Connect(人がつながる)、Create(想像する)、Collaborate(協力する)、Celebrate(一緒に祝う)」で社員をエンゲージすることをコンセプトに据えていました。この「4つのC」を、ヘラルボニーとなら実現できると非常にスムーズに事が進みました。

「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」の原点を見つめる

――その後、オフィスの業務空間に異彩作家のアート作品を取り入れるプロジェクトが進んでいきました。

岸本:オフィスリニューアルでは、先ほど申し上げた「4つのC」の中でもConnect(つながる)を一番大切にしていました。そこでオフィスの中心となる場所に人がConnectする会議スペースを設置し、異彩作家のアートカーテンで囲む設計にしました。

また会議スペースの中には、アートで彩ったキューブを配備。キューブを集めて使っても、別々に使ってもいいですし、それは使う人の用途やインスピレーションに任せています。

――キューブやカーテンにアートを取り入れることで、見るだけでなく、触れたり使ったりすることになりますね。その点については何か狙いがあったのでしょうか?

岸本:ヘラルボニーとユニリーバの間には共通して、「アートを日々の暮らしの中に取り入れていきたい」という想いがありました。また、「4つのC」というコンセプトに息吹を与えていくには、どうやったら実現できるかと考えていました。そこで社員一人ひとりが、実際にカーテンを使ったり、キューブを組み合わせたりすることで、自然と日々の中にアートが溶け込み、コンセプトが浸透していくようにしようと考えました。

――また今回は社員の皆さんの顔や製品をモチーフにしたオリジナルアート作品も制作させていただきました。

小野:こちらは、多くの社員が写っている写真5枚と、弊社の製品が写っている写真5枚をヘラルボニー契約アーティストの川邊綋子さんにお送りし、自由に描いてくださいとお願いしました。どういう作品になるのか、非常にワクワクしていたのですが、結果は想像以上。社員の写真と製品の写真を作家さんの頭の中でConnectした作品は本当に素晴らしいものでした。あの写真からインスピレーションを得て、こんな作品を完成させられるなんて!ととても感動しましたね。

――社員の皆さんの反応はいかがでしたか?

小野:ある日、オフィスリノベーションに携わるマーケティングダイレクターがあまり元気がなかったので、ちょうど届いたオリジナルアートのラフを進捗共有も兼ねて見せたところ、「最高!」と、感激してすぐに回復していました(笑)。人を勇気づけたり、元気にしてくれる異彩作家のアートの力は本当にすごいと実感しました。

岸本:今回、オリジナルアートは3点制作していただきましたが、2点は社員みんなが飲むコーヒーマシーンの前に飾りました。コーヒーを飲んでリラックスしながらこの絵を見ると、みんなとつながる(Connect)気がするととても好評です。

また残りの1点は取締役用の会議室に、「何のために自分たちがあるのか」を日々気づかせてくれるシンボルとして飾っています。この作品には「あなたはあなたらしくていい」というメッセージが込められています。絵を見るたびに、「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」という弊社のパーパスに立ち返れたらと思います。

「ここで”できないことはない”」と働くことが誇りに

――今回のコラボレーションの成果について、どのように評価されていますか?

岸本:ユニリーバの東京オフィスには毎日100人ほどが出社しているのですが、私自身カラフルなオフィスを見回すたびに、一人ひとりの充実感につながっていると感じます。リニューアルして3か月がたちますが、ポジティブなコメントがたくさんあがっています。長期的に見て、さらに社員が会社の価値観に誇りを持てるような環境にしていきたいと思います。

小野:今回、いち社員である私が社外でインスピレーションを受け、「ヘラルボニーと協業したいです」と提案した際に、役員たちが「ビジョンに共感できる」「面白そう」「ぜひやろう」と全面的に認めて異例のスピード感で進めることができました。その体験から、ユニリーバには社員一人ひとりの意見が受け入れられる環境があると改めて感じ、社員であることを誇りに思いました。「ここでできないことはない」と。

また昨年12月にプロジェクトの詳細が決まり、改装期間が5カ月しかなく、スケジュールは非常に厳しいものでした。チームのメンバー全員がどうしたらできるかを考え、実現していく姿勢を見て会社への愛が増した気がしました。その間ずっと、ヘラルボニーの皆さんがまるで弊社のメンバーのようにプロジェクトに関わってくださって。この短期間でここまでの世界観を作り上げることは、ヘラルボニーとでなかったら絶対に無理でした。

小野:また描き下ろしていただいた作品に関しても、ビジョンを共有しているからこそ、超えられた部分がありました。実は、弊社には厳しいブランドガイドラインがあります。ですが、今回の取り組みではユニリーバの世界観を守りながら、世界中のどこのユニリーバにもないような、ユニークなオフィスを実現できました。

それは同じビジョンを共有していたからこそです。「大切にする価値観が同じであれば、ここまで進めるのか」と驚きもありましたし、自分の中で勝手に「これはできない」とバリアを持つ必要はないんだ、と気づかされた点も学びの一つでした。

――最後にヘラルボニーとの今後の取り組みについて、構想があれば教えてください。

岸本:つながりたくなるオフィス、その願いを形にするためにヘラルボニーとのコラボレーションができたことはたいへん光栄なことでした。創り上げたい世界は会社という枠を越えて実現できるものだということを組織としても学んだと思います。

小野:私たちとしても、今回生み出したシナジーをもっと大きいものにして、社会に対してインパクトを届けていきたいと思っています。

――ありがとうございます。ビジョンの一致ということでコラボレーションが生まれ、世界中のユニリーバの中で先駆けてヘラルボニーとの新たな挑戦をしてくださって嬉しいです。今後もよいシナジーを生み出していきたいですね!

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