こむ

この世には言葉で解決できることと、どうにもならないことがある。

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最近の記事

なぜ日本ではライブの録画録音をしてはいけないのか、について考える

海外の公演ではみんな撮影してSNSで共有しているのに、日本はなぜダメなの、という疑問は、大好きなアーティストがいる人なら一度は感じたことがあるはず。そして、そのルールを「ここは日本だから」で納得して遵守している人がほとんどだと思う。 ぶっちゃけ、わたしは命に係わること以外、ルールなんてどうでもいいと思ってる人間だし、正義厨でもない。 積極的には探さないけれど、SNSに流れてくるお写真や動画は薄目で楽しんだりもする。けれど、「国内での録音録画、撮影禁止」については自分なりの解

    • ライン~あちら側とこちら側のお話

      毎度おなじみ前提です これはいわゆる先日の「とあるシンガーソングライターが燃えた話」についての某所からの執筆依頼を、依頼元の了承のもと簡易にまとめたものです。こういった話題が苦手な方は、そっとページをお閉じください。 わたしは大昔からそのシンガーソングライターの音楽がとても好きです。お人柄について否定したり、その方の音楽を貶したりする意図はありません。 あくまで私見であり、なるべく客観的な目線で今回の事象を綴ります。 【SIDE A:ARMYとそうでないの人の間にある

      • 少数派に傾いているのは Woo yeah 恥じらいの現れ

        今回はGAGAでいちばん印象的なフレーズがタイトル。 本も音楽もベストセラーには興味がなく、大衆的なものを忌避してきた人生の中で、私が今、この巨大なファンダムにいるのは、自分でもとても不思議なことだ。 自分の価値観が全てであり、美は自分のセンスのみで判断する、という傲慢な思想で生きてきたのに、この一年、与えられた大衆的な愛らしさに溺れて生きてきた。 自分の中に新しいカルチャーを受け入れる力がまだ残っていたことに驚き、Twitterで新しく知り合った魅力的な友人達を愛し、誰

        • 【Interlude】筍を買った話

          …どこから何を書き始めて良いのか。 けれど、今夜書いておかないとまた忘れてしまいそうで。 春が毎年短くなる。 うららかな春の日は本当に数日間だけで、桜が終わると、一足飛びに初夏の気配になってしまう。 今日の午後、今年はまだ春の野原も見ておらなんだ、と気づいたら、なんだかたまらない気持ちになって、15:00過ぎに車に飛び乗って、15キロほど離れた植物園に向かった。 道はさほど混んでおらず、40分ほどで目的地付近までたどり着いたわたしは、エアコンを止めて車の窓を開けた。 16

          ラブ•タイムマシン

          昔々、ある国のお殿様が、お側仕えの小姓の美しい若衆姿を惜しんで、二十歳になるまでその前髪を落とすことまかりならぬ、と命じたそうな。 (武士はたいてい十五歳ぐらいで元服し、大人になった証拠として、衣を改め、前髪を落として、おなじみの月代のあるお侍さんヘアになる) …なんだかそんなお話を思い出してる。 わたしが彼らと、彼らの音楽を愛し始めた時、彼らはもうすでに大人だったので、タイムマシンに乗るようにデヴューまで遡って、その時その時の煌めきを、本当に短時間で味わった。 少年から大

          ラブ•タイムマシン

          【Interlude】タイミング

          ここは、とてもよく知っている人の住む、わたしの全く知らない空間。 こんなに長い間この人を知っているのに、この人が暮らしている場所を訪れるのは、今日が初めてだった。 いつもの店で昼食を摂り、いつもの古本屋か公園に立ち寄って、そのあと他愛ない話をしながら珈琲を一杯。それでさよならするのがいつものコースだったのに。 「ちょっと寄ってかない?」 どうして。どうして今日に限ってそんなことを言うの? 胸の奥がキクンと小さな音を立てたけれども、何でもないといった顔をして「うん。」と答

          【Interlude】タイミング

          【Interlude】口止め料

          人生の中で稀有なことに出逢う確率が高いことを、「引きが強い」と表現することがあるが、そういう意味では、わたしはものすごく引きが強い。 これは、かつてわたしが会社員をしていた時代の出来事である。 個人情報の特定を避けるためにフィクションを部分的に混ぜているが、概ね事実である。 --------------------------------- わたしは光学機器が好きだ。 アナログにもデジタルにも特別の味わいがあって、その構造には何度触れても新鮮な感動をおぼえる。 会社員時代

          【Interlude】口止め料

          Seesaw

          今日は本当に寒かった。 昨日はなんだかあたたかくて、寒波なんて嘘なんじゃないかと思っていたけれど・・・やっぱり来た。 温暖だけが取り柄の里山にも、一日を通して小雪が風に舞い、手袋なしでは指が冷えて切れるかと思うほどの寒さだった。 (このぐらい寒くなると、家の周りに猪がやってくる。今日は4頭もの猪を見た。新記録だ。) 日付が変わってすぐに外に出てみたら、雪はすっかりやんでいた。 しん、と冷えた夜の空気に、グレープフルーツをくし形に切ったような月と、満天の星。 灯りが少ない場所

          リアコさんのための小夜曲(Serenade)

          タイトルから文章を書くことはめったにないけれど、めずらしくタイトルが先に決まった。そして、構成を考えながらインドカレーを食べに行ってしまったので、こんな時間になってしまった。(※1) 今回もちょっぴりセンシティヴな言葉が出てくるので、良い子はここでページをとじることをおすすめします。 【下記をご理解の上お読みいただけたら幸いです】 ・虚構に恋するひと(わたし含め)のことを「リアコさん」と表現していますが、これは便宜上であり、その存在を否定したり馬鹿にしたりするものではありま

          リアコさんのための小夜曲(Serenade)

          生物学と社会学~アイドルの愛し方(その壱)

          今日こそは早く寝る。 なので、今夜はお風呂が沸くまでのほんの少しの間、と決めて書いている。 最初にお断りしておくと、これから書こうとする内容は、何かを悪と定義して糾弾したり、断罪したりしようとするものではない。 そして、部分的にちょっと刺激が強い箇所があるかもしれないので、18歳未満の方は、ここでそっとページを閉じられるか、保護者の方にご相談いただくことをおすすめする。 ------------------------------------------ あー…ダメだった

          生物学と社会学~アイドルの愛し方(その壱)

          愛し合い方は猫が教えてくれる

          は。 今日こそは早寝を、と思っていたのに、You've Got a Friendを熱唱していたらこんな時間に。 我が家には三毛猫が2匹いる。 あずきさんとこむぎさん。 同じ種類の生き物なのに、性格も容姿も全く違う2匹のお嬢さんがた。 ※純血種はある程度統計的な性格がわかっているけれど、ミックスの子は、本当にどんな性格に育つかわからない。 愛情としつけと環境である程度はコントロールできるけど、遺伝的性格は後から顕在化してきたりするので、油断がならない。まさにギャンブルである

          愛し合い方は猫が教えてくれる

          真夜中のスーパーマーケット

          知らない土地のスーパーマーケットが好きだ。 日本はとても小さな国なのに、すこし移動しただけで、食文化や生活習慣が驚くほどちがうことがあって、それを肌で感じられるから。見たことのない食べ物たちが、そこに住む人々の暮らしを想像させてくれる。 ましてや外国のスーパーマーケットはもっと面白い。 国籍や人種が違っても、人類としての共通点を見つけたり、サイズの違いに驚いたり、未知の食べ物にドキドキしたり。 バックパックを背負って南太平洋をアイランドホッピングしていた時は、入手できる

          真夜中のスーパーマーケット

          柿はお好き?

          熟し柿階段で喰ふ音もなく薄墨色に雨の降りつむ 匙の色柿を映して朱ければ人の心も映したむらん 静かさに耳をすませばもそもそと愛し衣ずれ猫の寝返り ーーーーーーーーー 柿。英語ではPersimmon。 蜜柑、枇杷、柿、オレンジ色の果実はたいがい好きなのですが、その中でも柿は特別に好きです。 秋の夕日を写したようなそのオレンジ色は、わたしたちがまだ猿だった頃、果物を狩り集めて食べていた太古の記憶を呼び覚ますような、大脳辺縁系にダイレクトに訴えかけるよろこびの色。 「柿色」と

          柿はお好き?

          珈琲

          「良い珈琲、それは悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い。」ータレーラン 有名なこの一節を思い出しながら、これを書いている。 (いや、こんなことしてる場合じゃない。あと1時間で出かけなくてはならない。※4) 我が家は、小学生のうちは珈琲は飲ませてもらえなかったので、はじめて珈琲を飲んだのは中学生の時。ミルクとお砂糖たっぷりで。 そのあとは、紙コップで提供される、自動販売機の甘いカフェ・オ・レにハマっていた時期もあった。 そして高校生になっ

          才能

          今日も今日とて、猫みたいな愛しいあの人は、アメリカに行ったまま何の音沙汰もなく。どこかでボソボソニャゴニャゴ言いながら、何かしてるに違いないと思いながら待つしかない。 何してても大好きだから、ご飯はちゃんと食べて、よく眠って、靴下はいてね、と願うばかり。 そう。大好き。 彼らをよく知らない人に「グループの中で誰が好きなの」と問われ、彼の名前を告げると、「ああ・・・あの後ろのほうにいる目立たない人ね?」って言われるのだけれども。 わかってないわね、貴女方。 彼の魅力がわから

          ぬくもりの哲学

          その肌は冷たくて。 無骨な後姿は何も語ってくれない。 忌々しいほどのかたくなさで、時にわたしを傷つける。 ぶつかり合っても、いつも負けるのはわたし。 重そうな体をじっとその場にとどめたまま、一言も発せず、その存在感だけが今日もわたしの隣にいる。 ねえ。わたしをあたためて。 底冷えする冬の夜に、そんなお願いをするわたしをちらりとも見ず、反応すらしてくれない。 同じ寝室で夜を共にするようになってから、2回目の冬。 こんな時、焦っても仕方がないことを、わたしは知っている。 だか

          ぬくもりの哲学