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編集者になるのに必要なことって?

~少女漫画誌の編集長がフォロワーさんの質問に答えていく。④~

半端ない暑さが続いていますが皆さんお元気でしょうか。毎年7月8月はイベントが多くて、油断してるとあっという間に時間が過ぎていってしまうんですよね。。。


というわけで、すみません。ちょっと間が空いてしまいましたが、また質問にお答えしていきたいと思います。 

 今回お答えする質問はこちら。

「編集者になるために必要なことなど教えていただきたいです」
「将来漫画や本の編集の仕事に携わりたくて勉強中なのですが具体的にどういうことができれば夢に近づけますでしょうか」


他にも、編集者になるにはどうすればいいかという質問を沢山いただきました。編集者という職業に興味を持っていただけて嬉しい限りです。ありがとうございます。

「編集者になるのに必要なこと。」


これ、なかなかに難しい質問なんですよね。

う〜〜ん。。。

正直に身も蓋もないことを言うと、「これをやったら編集者になれる」というものを挙げるのはとても難しいです。

他の職業でもそうでしょうけれど、進路や就職は、どちらかと言うと個人の能力とかよりも、運とか縁とか何かのはからいとしか思えないようなことによって決まる率が高いと思っているからです。

それに、今はSNSや、このnoteなどのサービスを使えば、今すぐ誰にでも「編集」をすることが出来てしまうので、皆さんやろうと思えばすぐ「編集」体験を積めるうえに、たくさんの人から感想や反応ももらえるわけですから、それ以上の勉強や経験もなかなかないと思います。


なので、この質問には、僕が編集者になる前に「やっておいた方がよかったな」と思っていることと、「やっておいてよかったな」と思うことをお答えしてみます。


今回は「やっておいた方がよかったな」と思っていること編です。

その①「読んだもの観たものの感想を書いておくこと」


「え、そんなこと?」と思うでしょうか? 

僕は、本や漫画や映画、アニメでもドラマでも芝居でも何かを読んだり観たりした時に、常にその感想を書いて残しておけばよかったなと真剣に思っています。

編集者の重要な仕事として、お客様(=読者)の心を動かさないといけないのはもちろんですが、そのためには漫画家さんの心を動かすことも、仲間の心を動かすことも、すごく大事になります。

そのために、実は「何が自分の心を動かすのか」分かっておくことがとても重要になります。

なぜどのようにして自分の心が揺さぶられたのか。自分はどのようなことに心を動かされやすいのか。心惹かれるのか。どんなものでもいいので、それを把握して説明できるようになっておくことが結構重要です。

「なぜ心を動かされたのか」伝える言葉は、漫画家さんはじめあらゆる人との共通言語になります

人の感情を動かす最強の言葉は「自分の感情も揺さぶられる」言葉だからです。

自分が読んだり観たりして「いいな」と思ったものを、「なぜいいと思ったのか」、誰にでも伝えられるように整理してストックしておくと、すごく力になると思います。

もちろん、読んだり観たりしたものだけではなく、自分が経験したことについても同じようにできるとなおいいと思います。


あと。働き始めると、読んだり観たりは、かなり頑張らないとできなくなるので、それまでに浴びるように読んだり観たりしておくのもいいと思います。

エンタメの世界では、子供の頃から浴びるようにテレビや映画を観て来た人には敵わないなあと、今でも僕はコンプレックスに思ってます。時間があるうちに、たくさん読んだり観たりしておくのは本当にやっておいた方がいいです。


その②「できるだけ遊ぶ」


この場合の遊ぶは、体験を増やしておくという意味です。毎回同じ人と毎回カラオケに行くとかではあまり意味がありません。

できるだけ色々なところに行って、色々な人に会って、色々見たり聞いたり味わったりしておくこと。

そして、いい思い楽な思いだけではなく、面倒な思い、残念なことガッカリなことも含めて、できるだけ色々な思いを味わっておくこと

この仕事には想像力や洞察力が求められることも多いのですが、何もせずに想像力や洞察力を発揮したり高めたりするのはとても難しいです。

色々な思いを味わって感情の引き出しを増やしておくことが、想像力や洞察力のベースアップになると思います。

少女漫画を作ってるから言うわけではないですが、沢山恋をしておくのも、おすすめです。


その③「実際に知ってみる」


編集者になりたいという方は、実際に編集者かその職場を知ってみるのが一番よいと思います。

インターンや編集部でのバイトなどが出来ればそれもいいですし、そういうチャンスがなければ、OB訪問でも会社見学でもいいと思います。

実際に会社や仕事の雰囲気を知るのが一番イメージが掴めます。

自分の中に具体的なイメージが持てると、自然と何を勉強しておくべきかも分かってくると思います。

僕は出版社を受けると決めたのが結構ギリギリだったので、出版社に足を踏み入れたり、出版社の人に会ったりするのは、入社試験になってからでした。

たまたま合格して入れましたが、あとで入社してから面食らうことが多くてだいぶ苦労したので、ぜひ一度は現実の職場や働いてる人を訪ねてみることをおすすめします。

以前、編集者さんの話を聞きたいと大学入学早々に来てくれた子がいましたが、とても嬉しかったです。僕の思い込みかもしれませんけど、ほとんどの編集者は、自分の仕事について聞きに来てもらえるのは嬉しいはずです。

自分の職業に憧れてくれている人と現実に会ったら、とても元気をもらえますから。ぜひ怖がらずに連絡してみてください。


以上、今回は編集者になる前に「やっておいた方がよかったな」ということについてでした。

念のため書いておくと、もちろん、編集者になるならないに関係なく、自分を高められること、たとえば語学やIT関連の勉強はやっておくにこしたことはないと思いますし、ボランティアなどの活動も経験できるものなら経験しておいた方がよいと思います。

次回は僕が「やっててよかった」と思っていることを書いてみます。


※今回から結構答えるのが難しい質問が続きますので、ぜひぜひ感想教えてください。皆様の感想だけが、書いていく時のヒントになります。どうぞよろしくお願いします。(こちらでもツイッターでもどちらでも結構です!)


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