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HenryのGTM(Go To Market)戦略とカスタマーサクセスのあり方

こんにちは。ヘンリー CEOの逆瀬川です。この記事は、株式会社ヘンリー Advent Calendar 2023、6日目の記事です。2023年も大安日は残すところ2日となりましたね。

ヘンリーのアドベントカレンダー6日目は、HenryのGTM戦略とその肝となるカスタマーサクセスのあり方について、説明します。
私はカスタマーサクセス及びオンボーディングプロセスは、現場で最も価値創造を行う究極の事業開発であると考えています。事業に興味がある方や、カスタマーサクセスでこの先のキャリアを悩んでいる方、将来起業を予定しており個人のスキルをつけたい方は是非、お読みください。
内容が多少長めになりますので、クイックに知りたい方は概要をご覧ください。

概要

  • HenryのGTM(Go To Market)戦略は、カスタマーサクセス(CS)が中核を担っており、オンボーディングを通じて顧客に直接価値を提供、全利用者にサービスを行います。

  • FY2024年のCSは「パートナーグロース(PG)」と名称を変更して活動し、医療機関へのオンボーディング時の価値提供を特に重視。それは、オンボーディング時に病院の全業務プロセスを変革し最適化するためです。

  • Henryの事業成長構造(Flywheel)は3つのwheelで構成され、Main wheelは医療機関への価値提供を主目標としています。このFlywheelは、一度うまく回り続ければ継続して成長するため、一つ一つのIssueに向き合うことは複利での成長につながると考えています。

  • PGはFlywheelの回転速度を加速する上での重要なロールを各Issueで担っており、各Issueを主体的に解決することを期待しています。

  • 幅広い範囲でIssueに取り組むPGですが、上述の通り、初手は導入のオンボーディングにフォーカスしていく予定です。オンボーディングを通じて、幅広い業務に染み出し、自然とFhywheel上で扱うIssueが拡大していくと信じています。

  • パートナーグロースはあなたの好奇心を最大限に満たす仕事です。興味のある方はお話しましょう!

GTM戦略において重要な役割を担うカスタマーサクセス

ヘンリーのGTM戦略を語る上で、カスタマーサクセスの役割は欠かせません。そこでまず、ヘンリーのカスタマーサクセスについて説明します。

カスタマーサクセスは、お客様に直接価値を届けるチームであり、バリューストリームの中で決裁者だけではなく利用者に価値提供していきます。
では、ヘンリーはどのように価値提供をしているかというと、徹底的なハイタッチで行っております。それは、ERPという商材、単価、利用者が病院の全スタッフでありオンボーディングが重いというサービス特性だけが理由ではありません。ただツールを使いこなせるようになることを目的とせず、業務プロセスの最適化にコミットしていることもハイタッチなカスタマーサクセスを行っている理由です。

実際、オンボーディング時に医療機関様における患者さんに関連する全業務を洗い出し、プロセスを大きく変革していきます。
例えば、看護師の業務について説明します。元々紙の病院の看護師の方々は、患者さんにまつわる記録をナースステーションに戻って書くのですが、観察内容を忘れてしまい正しい内容を記録できなかったり、思い出すコストがかかり非効率的でした。Henryを導入することで、カートにノートパソコンを設置し病室でリアルタイムに記録ができるようになりました。結果、情報の質が上がり患者さんへのケアの質が上がりました。この際、Henryを使った業務を設計する時に、実際のカートや導線などを考慮しなくてはいけません。Henryのオンボーディングのしごとは、システムに関する使い方や業務プロセスだけではなく、病院全体の業務プロセス全体を変革して、医療機関様の本質的な価値に向き合うとてもやりがいのある創造的な仕事です。

現在、カスタマーサクセスが提供するオンボーディング時のサービスは、初期費用として医療機関様から費用を頂戴しています。更にFY2024年には、初期費用に加えてプロフェッショナルサービスとしてコンサルティング費用をいただくことも視野に入れており、カスタマーサクセスの提供する価値を拡張していく予定です。

FY2024年は、オンボーディングする医療機関様に更に価値を提供するべく、チーム名もパートナーグロース(以下、カスタマーサクセスをパートナーグロースと表記、略称はPG)と変更し、医療機関様に伴走し最終的に患者様の診療・ケア向上を実現するために活動にフォーカスしていく予定です。

詳細を知りたい方は、VP of PGの山本さんが書いた記事がよくまとまっていますのでご一読ください。

Henryを活用した業務フローの最適化を加速するFlywheel

なぜ、GTM戦略において、パートナーグロースが中心なのか、弊社のFlywheelを中心に説明します。
Fhywheelは一度うまく回り続ければ継続して成長する成長構造を示すサイクルのことです。成長の原動力となる各要素(バリュードライバー)とその繋がりを意識して事業をし続けることで、複利での成長が見込めると考えております。

なお、Flywheelの説明はAmazonや10xのyamottyさんの記事がわかりやすいので、詳しく知りたい方はご参照ください。

Amazonの成長の原動力である「Amazonフライホイール効果」とは?
Stailerはどういった機能を備えていくべきか

ヘンリーではGTM戦略について、イシューツリーから問題をツリー構造化し優先順位順に行うトップダウンアプローチではなく、Flywheelをベースとした事業の成長構造の共通言語化と自律的な推進に重きを置いています。
これは、提供価値が不変である限りFlywheelは変わらないため、事業の成長構造を皆が理解し、各チーム・メンバーが自律的に適切なバリュードライバーを推進できるようになると、事業スピードが一気に加速すると考えているためです。
現在ヘンリーでは、ビジネスモデルの検討をしておりますが、医療機関様が患者様の診療・ケア向上を実現(そのための業務改善、収益改善)することをゴールにしている限り、Flywheelは変わりません。

以下、Fhywheelについて詳しく説明していきます。

HenryのFlywheel

Flywheelの構成要素

HenryのFlywheelは3つのWheelがあり、中心となるMain Wheelは①医療機関様への価値向上を実現するwheelです。後述する②も③も実現後は、①のMain Wheelに合流します。
あくまで、各病院様やそこで働く医療従事者皆様が、診療・ケアの質を上げることに貢献し続けるシステムです。愚直に機能 / サービス拡充し続けることで提供できる業務フローが拡充し、医療機関様が、ヘンリーを活用して行う診療・ケアの業務を最適化し続けることができます。

病院は様々な機能(特定の手術や診察などができる)を有しており、一般的な内容に対応しても利用できないため、対応病院を拡大していく必要があります。対応には2段階あり、ガイドライン(法制度や国の公示など)の対応と、部門業務の運用フローの最適化(手術部門や特定の診療科部門への対応)があります。最低限の対応でSAMを拡大するとともに、業務フローに対応することでNRRの向上(ARPU向上、Churn低下)を実現します。

コアとなるMain wheel | 医療機関様への価値向上を実現

対応する医療機関様を拡大するWheel

コア業務以外の付加価値を拡張するWheel

お客様にHenryをオンボーディングし直接接点を持っているパートナーグロースが主体となり解くIssueが多く、解く主体者ではない場合も多くのIssueでパートナーグロースが関わります。

  • パートナーグロースが主体者となり解くべきIssue

    • 診療・ケア業務フローの最適化

    • 導入数拡大

  • パートナーグロースが関わるIssue

    • 契約数拡大

    • 標準機能 / サービスの充実

    • 部門システムの提供

現在地

1月に導入を開始して以来、導入した医療機関様の業務効率にも寄与出来始めております。再現性有るオンボーディングは今年1年を通じてある程度実現できた状況です。

ただ、私たちが目指す理想的な状況であるかというとまだまだGAPがある状況です。オンボーディング時に届ける価値を最大化するべく、医療機関様の本質的な課題に向き合い、オンボーディング時にソリューション提案と業務フローへの適応を行っていきます。
詳細を知りたい方は、VP of PGの山本さんが書いた記事がよくまとまっていますのでご一読ください。(本記事2回目の登場です。)

ヘンリーカスタマーサクセスのFY2023の振り返りとFY2024の展望|Henry

パートナーグロースはどうあるべきなのか

上記の通り、パートナーグロースが解くべきIssueの幅が広く、フォーカスとロールが広がってしまいます。2023年は幅広くチャレンジした1年でしたが、フォーカスするべきだったという反省があります。GTM初期フェーズである現在、FY2024年は導入数の拡大にフォーカスして行きます。

では、オンボーディングにフォーカスした場合他のことができないのかという問いが発生します。答えはNOであり、オンボーディングこそ全てのFhywheelを加速するフォーカスすべきIssueだと考えます。
オンボーディング時にお客さまの価値に本気で向き合うことで、お客さまが本当に解決したいジョブやペインを発見できます。そのジョブに向き合えば向き合うほど、HenryのサービスとのGAPが発見でき、標準機能 / サービスの充実に繋がり、最終的に診療・ケア業務フローの最適化が加速します。
また、提案したソリューションが本当にお客さまの課題解決に繋がっているかの評価を、オンボーディング完了後に行っていくことで営業のソリューションの質があがりますし、導入時の事例とセットになれば営業の説得力が増します。

オンボーディングにフォーカスすることが、Fhywheelの各Issueを解く速度を上げることにつながります。

また、設定や使い方などどの病院でも等しく発生するオンボーディング部分を共通化、機械 / 自動化し、サービス利用に必要なコストをできるだけ下げ、お客様の価値創造に時間を使う時間を増やしていきたいと思っています。
医療機関様は通常業務を止めることができないため、業務時間外や業務の一部を無理やり調整して、Henryの導入を行うことが多いのが事実です。そのため、Henry導入に伴う一時的な負荷向上は短いほうが良く、その観点からもオンボーディングの効率化 / 短縮に愚直に向き合っていきたい限りです。

私はパートナーグロースは、現場で最も価値創造を行う究極の事業開発である考えております。私自身も今年病院様のオンボーディングを1件リードしました。この経験が、サービスアイディアやFhywheelのIssueを解くべき論点の解像度が上がり、戦略へのフィードバックと戦術のブラッシュアップに繋がっています。この活動はとても重要であり、定期的に行いたいと考えています。

パートナーグロースはあなたの好奇心を最大限に満たす仕事です

最後に、弊社のパートナーグロースで楽しめる方の特性を私なりにまとめてみました。パートナーグロースの組織は来年1年間で5倍の組織規模になるため、パートナーグロースの1メンバーとしての素質ともに、チームで医療機関様の成功を実現するために貢献できる方が、楽しめる方だと考えております。

  1. 知的好奇心

    1. 医療機関様のジョブ(困りごとや実現したいこと)に関心を持ち、本質を見極めたいと考えている方

  2. やり抜く力(GRIT)

    1. 医療機関様に対して、価値を出すまでやる続けるコミット力

  3. リーダーシップ

    1. チームで、医療機関様の価値を最大化するための施策の方向性を考えて実行できる方

  4. 育成 / 切磋琢磨

    1. チームの部下だけではなく同僚に対して、相互フィードバックを行いチーム力を高める

  5. 事業開発や事業責任者をしたい方

    1. 事業開発に不可欠な現場への高い解像度が獲得でき、サービス拡大に伴い新規事業の責任者のキャリアパスも想定

ぜひ、この文章を読んで興味を持った方は、私や他のパートナーグロースのメンバーと話しましょう!
12月は残り1回の大安日には、「カスタマーサクセスのキャリアパスとヘンリーの現在地」というテーマで、パートナーグロースのメンバーのキャリアパスにフォーカスを当てた記事を書きたいと思っております。