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ヘンリーカスタマーサクセスのFY2023の振り返りとFY2024の展望

こんにちは。ヘンリーのVP of CSの山本拓也です。弊社は「社会課題を解決し、より良いセカイを創る」というミッションのもと、中小病院向けのクラウド型電子カルテ・レセプトシステム「Henry」を開発・提供しています。
今回は弊社の電子カルテ・レセプトシステムの導入を通じて医療機関様の業務改善に寄与し、最終的に患者様の診療・ケア向上の実現を目指す、カスタマーサクセスチームについて話したいと思います。

ヘンリーのカスタマーサクセスの魅力

SaaSの世界に於いて”ハイタッチ/ロータッチ/テックタッチ”という言葉が有りますが、ヘンリーのカスタマーサクセスは間違いなく徹底的なハイタッチです。
これはまず弊社が提供する電子カルテ・レセプトシステムというプロダクトの性質が起因しています。電子カルテは医療機関にとっての基幹システムそのものであり、院内の全ての医療従事者の方が異なるユースケースで電子カルテを利用する為、夫々への丁寧なオンボーディングや、利用に際するカスタマイズした設定作業が求められます。更に患者様のデータ移行作業や、電子カルテと院内外の医療機器との連携作業や院内ネットワーク構築の調整等の複雑性の高い業務も必要です。
またヘンリーのカスタマーサクセスが単なる電子カルテベンダーではなく、医療機関様の業務プロセスの最適化にもコミットしていることも、もう一つの理由です。職種毎にこれまでの紙カルテの運用実態を把握し、電子カルテ移行後の有るべきプロセスを提案するコンサルティング業務を通じ、サービス利用開始へ伴走していきます。

医療法人正幸会 正幸会病院様への導入時の様子

上記の通り決して容易くはない導入プロセスではありますが、一方でこれだけ医療機関様側に深く入り込み、信頼関係を築いていける様な役割は他に無いと思います。
一例として学会で医療機関様と共著で電子カルテ導入に伴う発表等、Vertical SaaS含めた他の事業体でもあまり考えられない様なお客様との接点を持つことが出来ます。クライアントワークに拘りたい方にとっては最高に活躍頂ける舞台と言えるのではないでしょうか。

医療法人正幸会 正幸会病院 東院長様と第54回日本看護学会学術集会にて
一般財団法人ひふみ会まちだ丘の上病院様ご一同と第31回日本慢性期医療学会にて

FY2023の取り組み

2023年は元旦から正幸会病院様向けに弊社としては初めてとなる病院向けの電子カルテ・レセコンシステムの導入から始まりました。昨年までの開発チーム一同の不断の努力の賜物が遂に無事世にリリースされたわけですが、今年はより多くの医療機関様に完成した製品を届けるべく、この複雑に入り組んだ電子カルテの導入を如何に「再現性」を持って実装出来るかが大きなテーマでした。


まず取り組んだことととして、一連の導入プロセスの工程を詳細に因数分解し、各過程でどれだけの工数が発生しているかを可視化すると共に、プロセス間の因果関係を紐解き、最適化された導入プロセス状態をイメージした上での理想工数を見積もりました。
その上で現状と理想のギャップの大きなところを中心に、開発チームとも連携しながら工数削減の打ち手を進め、実際の導入案件で工数が削減されているかをモニタリングしていきました。
また最適プロセスが属人的な範囲で留まることが無い様に、チーム一丸となってドキュメンテーションの徹底化も行っています。

導入プロセスのドキュメンテーション並びに工数の計測シート

上記の結果として弊社は現状成約後4か月以内のサービス利用開始を実現していますが、1年近く導入プロセスを設計する他社様もいる中で、早期に医療機関様への価値を届けることに繋がっていると思います。

また再現性は決して導入プロセスの効率化ばかりを意味するものではありません。医療機関様の数が増えていく中で、我々としても院内の職種の方が電子カルテをどの様に使いたいか、それに対してどの様な提案をしていくべきか、という知見が徐々に蓄積されていきます。それらを元に、職種ごとの理想の運用ワークフローをチーム全体で整理し、運用フロー提案の礎となるマニュアルやフローチャートの作成を行いました。ヘンリーのチームメンバー全員が業務品質を高めていく為の地道ではありますが重要な取り組みだと考えています。

医療機関様に提案する際のBefore/Afterの運用フロー比較表並びに運用フローチャート

足元の導入案件と並行しての上記の取り組みは決して容易なものではなく、一緒に取り組んでいるチームメンバーには本当に感謝です。また綺麗な話ばかりだけではなく、月次の導入件数が増える中でのプロジェクト管理の高度化や新たなメンバーの育成体制などの課題も見えてきました。一方で下例の通り、導入した医療機関様の業務効率にも寄与出来始めており、再現性有る導入は今年1年を通じてある程度実現できたのではないかと考えています。

カスタマーサクセスチームのミッションとFY2024の目標

上述の通り激動の1年でしたが、来年の更なる飛躍に向けて、カスタマーサクセスチームのミッションを明確にするとともに、FY2024年の展望を行いたいと思います。

カスタマーサクセスチームのミッション:

顧客の課題を解決し続け、より良い医療を創る

弊社のミッションは「社会課題を解決し続け、より良いセカイを創る」ですが、カスタマーサクセスは上述した様なお客様との接合面が他の組織に無い何よりの特徴です。
足元に様々な制約があったとしても「顧客思考」を決して忘れない為に、「顧客の課題」に焦点を当て、弊社の現在の顧客が医療機関様であることから、「セカイ」ではなく「医療」に焦点を当てました。
またこのミッションは決して医師やその他医療従事者でもない自分たちが「より良い医療を創る」ことへの挑戦でもあります。顧客の課題を解き続けることで以下の4つの方面から「よりよい医療を創る」ことに寄与していきたいと考えています。

  • 既存機能改善・新機能開発→医療の質を高める機能提供

  • 業務フローの最適化→医療の質の上がる業務プロセス

  • 顧客の経営の改善→顧客による医療の質を高める投資

  • 課題に根差した新規事業発掘→医療の質を高める新たな価値提供

FY2024の目標:

上記のミッションの実現に向けて来年チームとして注力したいのは下記の2点です。

  1. Henryを導入した医療機関様に満足して頂いている状態の達成

  2. 組織として月次の導入件数を最大化し、医療機関様への”Time to value”の早期化

まず1点目ですが、今年から中小病院向け電子カルテ・会計システムの販売を開始したこともあり、プロダクトで足りていない機能を運用側でご提案する場面も有り、医療機関の全ての職種の皆様の業務効率化の達成には道半ばの状態です。
その為、チームの中に「業務コンサルタント」という役割を設けて、医療機関様の職種毎に成し遂げたい事に徹底的に向き合い、業務プロセスの最適化にコミットしていきたいと考えています。その結果として、Henryを導入していることを自慢して頂ける医療機関様が一つでも多くなれば良いなと願っています。

次に2点目ですが、来年は今年の10倍弱の年間導入件数を目標に掲げております。今年同様に導入プロセスの最適化を継続して取り組むと共に、メンバーの採用・育成も一層強化しながら、月次の導入件数が増えていく中でも、確実に期日内に各医療機関様に弊社サービスを利用開始し、早期に価値を実感して頂ける体制作りを行います。
またより多くの医療機関様にHenryを導入頂くことで、医療機関様の課題に向き合う場面が増え、それだけ弊社も自分たちの提示できる解決策に幅と深さが伴ってくるはずです。月次導入件数の最大化が翻って上述のミッションの「より良い医療を創る」ことの早期実現にも寄与すると考えています。

最後になりますが、現在正社員ベースで10名のチーム内のメンバー数ですが、上記のミッション実現とFY2024の目標達成に向けて、来年は40名超の組織規模を想定しており、随時仲間を募集しています。

またチームの名称自体も、組織として運用開始時点での医療機関様への価値の最大化によりコミットしていくべく、カスタマーサクセス(Customer Success)からパートナーグロース(Partner Growth)*へと変更致しました。

*パートナーグロースチーム : 医療機関様の業務フローを変革し、病院全体の業務改善を行い、最終的に患者様の診療・ケア向上を実現するために活動するチーム。業務フローの設計は医療機関様毎に異なるため、ハイタッチなアプローチを行う。

弊社のミッションに共感頂き、医療機関様への課題に徹底的に向き合い、解き続けることが大好きな方、或いはプロジェクトマネジメントや組織拡大フェーズに於けるチームマネジメントのスキルを伸ばしたい方など、ご興味がある方はぜひお気軽にお話ししましょう!
以上、VP of CS改め、VP of PGの山本が記載致しました。最後まで読んで頂き、誠に有難うございました。