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今村翔吾『じんかん』

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 Pixivで公開してきた小説以外の文章を、
 noteに移して行きます。

(文字数:約1200文字)


  『じんかん』
   今村翔吾
   講談社 2020年

あらすじ:
  奇しくも織田信長公が語る、
  松永弾正久秀の一代記。

脳内会議:
  (あらすじ、もうこれだけで良いよな?)
  (松永久秀が長く、
   「世紀の大悪人」と言われてきた事は、
   付け加えといた方が良いんじゃない?)
  (「世紀の大悪人」なんて口上は、
   初めっから創作に決まってるだろ?
   ソイツを悪人と言っといた方が、
   都合良い奴が多かっただけだよ)
  (そもそも歴史好きじゃない限りは、
   松永久秀を知らないか、
   聞いた事はあってもピンとこない人の方が、
   多いと思うから。
   なんなら「あの織田信長に、
   一旦従っといて寝返った奴」、
   くらいは一応言ってみといて良いと思う)


うん。感動した。
うん。良い話だ。
うん。胸が熱くなった。
うん。非の打ち所が無い。
そればかりか現代にも通ずる問いを投げ掛け、
読者に考える余地を与えてくれる。

うん。

……こうじゃない話を私は書かなくてはならない!

こうした話はもちろん私以外の先生方が、
はるかに面白く書けるから!!!

ちなみに読み出したら止まらず、
ほぼ徹夜で読了しました。
だって安土城天守閣に坐すお館様が、
ちょうど良き頃合いで空気を変えて下さるんだもの。

速読は心得ていませんので、
休み無く読んでも9時間掛かった。
人によってはとても自由になる時間じゃない、
贅沢な話だが、
暇を持て余してもうやりたい事なんか、
思い浮かばないとお嘆きの方なら、

一時間ずつ9日間、
一章ずつ6日間でどうだ。
(どうだって言ったってな)

(あと私は元から歴史好きだし、
 文章を追う時間も速読ほどではないが早い方だ。
 じっくり情景を思い浮かべながら読む人は、
 一時間ずつでたっぷりと、
 一ヶ月は掛かると思っておいて良い)

うーん。しかしどうしたもんかな。
絶望しそうになるな。
いや絶望ならとっくにしている。
冷静に客観的に見れば見るほど、
現代のエンターテインメント小説界に、
私ごとき要らない。

まだしも可能性があるとすれば、
言葉に宗教がこれまで長きに渡って、
主に男性のものとされてきたところだろうな。
そこを覆すしかないわけだ。

180度覆さんで良いにしても。
90度の半々くらいには。

久通の将軍襲撃はともかくとして、
そこに繋がったかもしれないとされた、
久通の母に対するまとめ方だけは納得できていません。
理論は抜きにして感覚で。

しかしながら松永久秀も、
真逆の見方から納得できなかったでしょうな。
理論は抜きにして感覚で。

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