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手の届く範囲から始める風土改革 組織の風通しを良くする「風プロ」

こんにちは。三菱電機変革プロジェクトnote編集部です。
 
三菱電機グループでは、グループ従業員一丸となって職場を、会社を変革する「三菱電機 変革プロジェクト」を推進しています。
 
最初は公募で集まった有志メンバーを中心とした活動でしたが、次第に共感する仲間も増え、今では会社のあちこちで「自分たちで職場を、会社をより良いものにしよう!」と活気あふれる取り組みが展開されています。
 
今回は、鎌倉製作所衛星情報システム部が取り組む「風通しの良い職場づくりプロジェクト(風プロ)」について、その発起人の岡田さんにお話を伺いました。

――風プロについて、例えばどんなことに取り組まれていますか?
 
岡田:2023年度に実施した活動は、主に以下です。
   ・コミュニケーション活性化(パーソナルシート、リフレッシュエリア、1on1など)
   ・情報発信/共有(社内SNS/部内チャットルームなど)
   ・職場レクリエーション(BBQ/ボウリング大会など)
 
――このプロジェクトは岡田さんが発起人とのことですが、どのようなきっかけで提案されましたか?
 
岡田:私は元々この部に在籍していましたが、本社や海外駐在など他部門を経験して帰ってきて見ると、部内にひずみというか、チームとしての一体感に欠けるような感覚を持ちました。これは外の世界を見てきたからということの他に、視座の変化ということも理由にあると思います。
 
以前所属していた時は課長で、自分のチームの範囲でしかマネジメントを考えていませんでした。部長として部を見ると、それぞれが個として動いているように見え、課と課の間の風通しに違和感を持ちました。これを解消してより良いチームを作りたいと思ったのがきっかけになります。
 
――プロジェクトはどのように展開していきましたか?
 
岡田:最初は職場内の情報共有やBBQのような職場レクリエーションなど、個人的にすぐ企画できるようなものを少しずつ始めました。でも、やりたいことを全部やろうとすると段々手が回らなくなってきて・・。課長さんたちも賛同してくれるなど周囲の反応も良かったので、下期(2023年10月)からはチームを集めて本格的にプロジェクト化することにしました。

メンバーは本人の意思も確認しつつ、男女、管理職と担当者、他社経験者など、多様な意見が集まるよう意識して選定しました。

――本来の業務が忙しい中、新しいプロジェクトを始めるとなると反発がありそうですが、周囲の反応はいかがでしたか?
 
岡田:部長として着任して以来、組織のビジョンの明確化やその共有、職場レクリエーションなど含め、いくつか下地になるような活動はしていたので、そう大きな反発はなかったように思います。本当はイヤだったのかな・・?(笑)
 
――プロジェクト内での企画はどのように進めましたか?
 
岡田:最初から丸投げしたらメンバーも困惑してしまうので、発足直後は私自身で企画会議を先導しました。私の課題感を伝えて、リフレッシュエリアや部員全員が参加できるチャットルーム開設などの案を示して・・。するとすぐ「これやっておきます!」と自発的に作業を引き受けてくれて、どんどん自分たちのやりたいことも提案してくれるようになり、とても順調に進むようになりました。「風プロ」もメンバーがつけてくれた名前で、個人的にとても気に入っています。

――プロジェクトの活動に対して、部員の反応はいかがでしたか?
 
岡田:リフレッシュエリアなどは純粋に便利になるので歓迎されました。一方で、やっぱり変化に対する困惑はありましたね。例えばパーソナルシート。趣味などの自己紹介を載せたシートを机やオンライン上に掲載するのですが、やっぱり恥ずかしいですよね・・。最初は誰も作ってくれなくて苦労しました・・(笑) なので、恥ずかしいけどまずは自分から作って見せて、「やろうよ」と地道に勧誘して。今は部員の7割以上が公開しています。それまで思っていたキャラとシートに書かれたキャラとで全然違う人とかいて、「あ、実はこういうタイプだったんだ!」となるので面白いですね(笑)
 
あと、部内チャットも最初は私と風プロメンバーくらいしか投稿/リアクションがありませんでした。でも、例えば部の集会の最後に「最もバズった投稿」を紹介するなどして少しずつ浸透させていった結果、今では多くの人が参加するようになって。TV取材の様子をアップした時はすぐに数十人が反応してくれましたね。
 
――1on1ミーティングはTV取材でも取り上げられました。こちらのきっかけは?

岡田:純粋に話を聞きたいと思いました。2年以上部から離れて、戻って来てひずみのようなものを感じたので、その課題の本質は何かということを知りたくて。当時の部員は200人以上いて、さすがに全員とはできないので、自身の直下となる管理職やまだあまり話せていない経験者採用の人、悩みを抱えていそうな人など、これまでに60人以上とお話しました。
 
――1on1で部員と話してみて感じたことは?
 
岡田:一人ひとりは個人としてとても優秀な人が多いなと確認できました。普段あまり話さないけど、みんないろんなことをしっかり考えながら業務にあたっている。これを知ることができたのは良かったです。より一層、チームのベクトルを合わせて最善の結果を引き出せるよう指揮していきたいと思うようになりました。

――プロジェクト実施後、部内の雰囲気に変化などは感じますか?
 
岡田:やっぱり最初はなかなか動きませんでしたが、徐々に浸透して「自分もプロジェクトメンバーに入りたい」と言ってくれる人も出てきました。課長さん同士の議論は以前にも増して活発になっていますし、部全体の雰囲気としても意見が出やすくなったのは事実ですね。部内チャットの活性化もその一例です。
 
風プロのメンバーに関して言うと、プロジェクトを通じてみんなとつながっていく感覚が良いと好評で、実際よく話すようになりました。また、短期間に小さな成功体験を積み重ねたことで自信につながり、業務にも良い影響を与えていると思います。

――この活動に関して何かKPIを定めたりしていますか?

岡田:
この種の活動にそうしたものは定められないと思っています。時間をかけて徐々にいろんなものが積み重なって少しずつ良くなっていく。組織風土はそういうものだろう、と。幸い上司の製作所長も「人への投資は大事」という考え方なので助かっている部分はありますね(笑)

――今後さらにやってみたいと思っていることはありますか?

岡田:
一つは部員一人ひとりが自分の仕事にもっと自信を持てるよう仕掛けていきたいですね。私たちが担当する人工衛星事業は秘匿性が高いものも多く、自分が何に携わっているか言えないことも多いです。広報や企画の人たちに協力してもらい、社外からの取材などを通じて可能な限りの情報を発信し、みんなのモチベーションアップにつなげたいと考えています。

もう一つは、部署を跨いだ風通しについて考えています。人工衛星を作るには複数の部署からメンバーが集まりプロジェクトチームを組んで業務を進めます。衛星情報システム部はその取りまとめを担当する部署なので、部内だけではなくプロジェクト全体の風通しを意識しています。「こんな人がこんなことを考えて仕事しているんだ」と関わる人について知ることで業務に対する向き合い方や質も変わりますから。

先日複数部署の若手からベテランまで約40名を集めて交流イベントを開催しましたがとても好評で、参加した管理職も前向きなようなので、これをもっと広めて鎌倉製作所全体でより一層プロジェクト力を強化できればと考えています。

編集部:自分たちの職場を自分たちで変えていく姿、そして自身の手の届く範囲から活動の幅を広げていく姿がとても理想的に思います。本日はありがとうございました!