見出し画像

マラソンビギナー無茶をする! 山中りんたそ

 あの時ほど過去の自分を呪ったことはない。

 「体力あるうちにフルマラソンを走っておきたい。」という理由で、大学4年生の時に埼玉県の彩湖の周辺河川敷を7周するという狂気のイベントに参加した。

 目標はタイムではなく「完走」にあったため、ネットで経験者の体験談を読み漁り、その秘訣を武器に当日を迎えた。

秘訣① 「練習しなくても完走できるよ。」

秘訣② 「前日の食事から炭水化物を中心に摂取しておくと、エネルギーになるよ。」

秘訣③ 「当日は、水分だけでなくウィダーなどを準備しておくといいよ。」

秘訣④ 「ペースを乱さず、7分/kmをキープできれば5時間切れるよ。」

 ふむふむ。なるほどタメになる内容である。マラトンの戦いの勝利を伝えるために走ったフェイディピデスも、この秘訣を知っていれば絶命することもなかっただろう。

 運動不足の自覚から若干のランニング練習をして臨むという「ずる」をして、山中は当日を迎えた。前日の食事は白米を中心としたメニュー。当日はレッドブルの姉ちゃんから、応援のレッドブルをタダで貰うという、やるべきことはやったぞ感をもってレースがスタートした。

 序盤10kmほどは、全体の前半1/3程度の位置に就くという好調な滑り出し。一緒に参加した仲間としりとりをしながら走るという舐めプまでかましていた。

 体に異変がでたのは20kmを過ぎてから。半分を走った時点で、若干の手足のしびれがでてきて、急に体の力がでなくなった。

 30kmを過ぎると1kmを走るのに10分切るのを目標にする始末。3輪車に乗る幼稚園児に抜かされ、レース序盤で走れるのかこちらが心配していたご老人に抜かれる始末。小学校6年生でシャトルラン117回のプライドはボロボロになってしまった。

 足全体が常時つっている状態になりながら、安易な理由で申し込みをした、禄な練習をせず序盤舐めプをかました過去の自分への呪いをエネルギーに、レース順位最下位、5時間48分56秒というお粗末なタイムでなんとかゴールした。

 この経験から得た知見は
「フルマラソンの練習はしっかりしたほうがいい」
「家庭科でならった炭水化物は本当にエネルギーになり、ウイダーはマジすぐに力になる」
「フルマラソン走ると人間の体重は1日で6kgは減る」
「フルマラソンのあとに美味いのはしゃぶしゃぶの肉でも甘いものでも野菜でもなく、圧倒的白米」
等々。

 これが体験的に理解できただけでも、参加した甲斐があるってもんよ。

#挑戦してよかった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?