国際協力夫婦、どこに住むか問題
こんにちは!「へむり」と申します(あだ名です)。
僕は元シリア協力隊で、中東で仕事をすることが多く、一方、妻は元ガーナ協力隊でアフリカが専門です。そうなると生まれるのが「どこに住むか問題」なんです。
【結婚しても自由に】
私たちは2016年に結婚したんですが、新型コロナ感染拡大で国外に行かなくなるまでは、一緒に住んでいる時間よりも、どちらかが海外に居ることの方が多かったほどです。なんせ、結婚して3日後には僕はシリアの人たちを訪ねる旅を数ヶ月、3週間の帰国を挟んでUAE駐在員となりました。年越しも妻と離れてイタリアで。
僕がUAE駐在員の時は、妻の出張時のトランジットの数時間で空港に迎えに行って一緒に過ごしたり、一時帰国しているときに結婚式をしたり、という感じです。
そんな二人なのですが「どこに住むか問題」はかなり大きなテーマ。僕はアフリカではやることがない。妻はアフリカに夢中。ギリギリいけるかも?!って思ったのがスーダン。中東で話されているアラビア語が公用語で、アフリカ文化圏なんです。ただ、妻の専門性が活かせる仕事がなくて断念。
これに対する答えって、夫婦それぞれで全く違ってOKだと思っていて、僕は「妻についていく」のが基本的な結論です。時期によりますが。それに対して妻は、
「着いてきてなんて言ってないし」
と、ぺーーーーん!!と僕をかわし続けるのですが、僕は追いかけ続けます。がんばります。
【仕事か、結婚か?】
僕のこのスタンスが生まれたのは、結婚前にあった出来事でした。
妻がガーナで協力隊として活動している時に、僕は会いに行ってプロポーズをしてOKをいただきました。つまり国際協力夫婦の前は、遠距離カップルだったんです。
その後、難民となったシリアの人たちを訪ねる旅を数ヶ月すごして、一足先に帰国しました。シリア周辺国を回っている最中に「うちの団体が今、駐在員を募集しているよ。帰国したら受けてみたら?」と教えてもらいました。
そして、応募させていただいたところ、まさかの合格!自分のやりたい分野の仕事を、とっても素敵な団体でプロとして出来る。めっちゃ嬉しい!!!大喜びして、妻に報告しました。すると衝撃的な答えが・・。
「じゃあ、結婚できないね」
おおおおお!!!!
そうなんです!!!
結婚って、家族の顔合わせだったり、書類の提出だったり、色んなことがあるんです。僕がNGO駐在員になっちゃうと、そういう手続きはできません(書類はともかく顔合わせを任せるなんて出来ない!)。
彼女と話し終えてから、合格させていただいたNGOさんとの駐在に関する手続きの面談まであと20時間ほど。それまでに答えを出さないといけません。
ずっとやりたかった仕事を取るか、大好きな人との結婚を取るか。
妻は自分の意見をしっかり持っている人です。僕がガーナに行った時も「任期中にガーナに来なかったら別れてたわ(笑)」と言われて、冷や汗をかきました(本当に行ってよかった)。プロポーズでOKはもらいましたが、僕が駐在員をしている間にまた他の国での仕事をしたり、タイミングを失すると結婚できなくなる可能性は限りなく高い。
この20時間で人生が決まる答えを出さないといけないんです。
人生で一番、悩みましたが、僕は結婚を選びました。その理由は、
「僕以外にこの仕事ができる人はいるけど、この子と結婚するのは僕だけだ。」
合格をいただいたNGOには本当にご迷惑をおかけしましたが、ご理解していただき(今も一緒に仕事をさせていただいています)、妻がガーナから帰国するのを待ち、もう一回プロポーズをして結婚しました。
おかげさまで、本当に幸せに生きています。
【妻の結婚の決め手は僕じゃなかった?】
結婚した後も「それぞれが自分のやりたいことをする」という夫婦生活をしています。ですが、「行動する前に相談をする」ということは大事にしています。
そんな妻の結婚の決め手は僕の母だったそうです。そうなんです。
・・・僕ではなかった!!!www
母は、結婚する前から妻の立ち振る舞いを見て、「あの子と結婚するといい!!」と僕に勧めるくらい、とっても気に入っていました。
そして結婚する前の会話で、母が言った一言が、妻に結婚して大丈夫って思えたそうです。
その一言は、
「次はどこの国で働くの?」
・・・私の仕事に対する姿勢を理解してもらえる。そう思えて、安心して結婚できる!と結婚の決め手となったそうです。
【次はどこに住む?】
新型コロナ感染拡大の中で、私たちの生活は一変しました。僕たち夫婦の仕事は海外ですし、海外に行けない期間が続いています。その中で少しずつ、状況が変わっていて、もうすぐ海外駐在が始まりそうです(2020年11月時点)。
本来であれば、僕が中東、妻がアフリカという遠距離夫婦になる予定でした。ですが、僕の中東での仕事が目処が立たないこと、オンラインでの会議やイベントが日常化したことも受けて、駐在員となる妻についていく形で、一緒にアフリカの某国に住む予定です。
「シリア支援団体代表でありながら、なぜかアフリカ在住」という不思議な感じになりますが、それにはこう言った経緯がありました。
こうした状況下での駐在の準備、現地の様子、NGOの活動、家族の形、などを発信していくことで、役立ったり、元気になっていただければ、嬉しく思います。
読んでいる方が「面白い!」と思ってもらえるような形で、私たち国際協力夫婦らしい形でサポートを使わせて頂きます。めぐりめぐって、きっと世界がHappyになるような形になるように!