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社会派対話会の記録~あらゆる人の人生の選択肢を増やせる社会をどう作るか~

社会問題や政治を安心して語り合いながら、話の内容も深めていくにはどうしたらいいか。最近よく考えます。

こんにちは。こだまっちです。対人支援職向けのサービス「helpwell」でコミュニティ運営に関わっています。

この記事では、helpwellのメンバーが集まり、「政治家になりきったつもりで、解決したい社会課題と政策を考える」というテーマでの対話会を振り返ります。


(1)対話会の雰囲気と噴出した無数の課題

テーマの硬派さの割に、和気あいあいと始まり安心しましたが、参加者の一人が「課題をたくさん並べました」と言われ、一気に現状への不満を吐き出していたのが興味深かったです。

防衛費、「日本は独立国なのか」という問い、高い授業料、「現状再チャレンジできる社会なのか」という問い、メディアへの問題意識等、多岐に渡る課題が出されました。ここで出された課題のいくつかは後に掘り下げられます。

(2)サードプレイス(学校と世界。そして就労支援)

教員をされている別の参加者から「いじめと不登校が増えているから、サードプレイスが子供にもっと開かれてほしいし、サードプレイスでも卒業資格が得られるようにしてほしい」という具体的な意見が出ました。

サードプレイスという言葉に関連して、外交の課題で「日本は独立国として、どこかの陣営に偏らない第三の役割を果たす外交を行い、更に『地球のサードプレイス』として、多様な外国人を受け入れ、日本からも海外を行き来する日本人が増えるといいのではないか」という意見が出ました。

また、障害者就労支援をしている参加者から「単純作業だけで無く、障害者の就労の選択肢が広がってほしい。そのためには企業や社会にも変わってほしい」という具体的な意見が出ました。
一歩踏み込んだ意見として「障害のある人と接してて不登校や家族関係の複雑さを要因として、社会で躓くことが多いことが分かったので、何か手立てが必要」という意見も出ました。

(3)たくさんある課題をそもそもどう知るか

サードプレイスに関する話の後、参加者の一人から、防衛費削減、選挙制度への提案、子育て支援、再チャレンジ社会への展望が語られ、身近な問題と遠い(ように見えてしまう)問題両方について、いよいよ対話に熱が入っていきました。

そして「そもそも社会課題を知るためのメディアはどうなっているのか」という方向で議論が進みました。
具体的には「普段仕事や生活ある中でどう情報を得たらいいのか」という問いや「立場の偏りを無くすため数か月に一度新聞社を変えたい」という意見。そして「マスコミの紙面は多様性が無い」という批判と「実際にメディアをやりたい」という声も出ました。
(実はhelpwellはメディアを始めました)

声集め企画~あなたは自分のどこが好きですか? 自分をどうケアしてますか?~|helpwell [公式] (note.com)

「メディアをやりたい」というのは、「普段メディアが拾って来た情報に頼る私達が、自分の声を発信したり、現場の生の声を拾いたい」という意識の表れだと、対話会を通して分かりました。

(4)ふたたびサードプレイスのはなし(選択肢の広げ方)

①教育

メディアの話の次には、再び教育とサードプレイスの話が出て、「居場所作りしている人も結構いるから、学童の規模を大きくして、公的機関とも連携できるようにしたい」という提案が出ました。

「それによって選択肢が増える。どこに行っても幸せになれるかもしれない」

増える「選択肢」の中身について、ボランティアをしていたという参加者から、その実体験も交えながら、「家庭の問題を脱するきっかけになる」「『問題がある子』たちの場所では無く日常や生活の延長にできる」といった意見が出ました。

また、教育現場に身を置く参加者からは、サードプレイスと関係も深い不登校について「学校では不登校はそこまで問題視されていないが、過剰な保護者の心配に対応するために問題視せざるを得なくなっている面がある」という貴重な証言が出ました。

コロナでテレワークが進み多様な労働形態が増えたように、教育参加の機会も多様化するのが望ましいのでしょう。

また、「サードプレイス作りは金にならないから現実的に運営や人手確保が難しい」という問題定義に対して、人手確保として、「サードプレイスでのボランティアをした人の税金を安くする」といった案が出ました。多様な社会参加の一つの形と言えそうです。

②キャリアと人生

ここまでサードプレイスの話から、人生のそれぞれのステップでの「多様な生き方」の話が出ましたが、テレワークの話に留まらずキャリア全体における多様性の話に繋がっていきました。

「失敗してもやり直せる社会」を望む声から「無職の期間があっても恥ずかしくない」という意見。そしてデンマークの例を元に「大学卒業して即就職では無く、間に様々な事に挑戦できる期間が欲しい」といった意見が出ました。

(5)終わりに

いかがでしたでしょうか。あらゆるテーマが出された対話会となりましたが、どのテーマにも共通して言えるのは「選択肢を広げると良くなる」事であり、そのために、個々人が意識と行動を変えること、そして政策として予算を増やすことの両方が必要だと実感できた対話会でした。

また、既に有志が始めていたり、予算が付いた施設で活動した経験を持つ人も複数人いることで、対話を現実的かつ深みのあるものにしていたと思います。

では引き続き、helpwellの対話会をお楽しみに!

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