見出し画像

第7世代は終わったのか

最近、第7世代という言葉はあまり聞かなくなった。

別にお笑いに興味がない人なら、もともとそんな気にしてない言葉かもしれない。

世代という言葉がついているものの、特に年齢で分かれているわけでもなく、この時期に売れた人みたいな感じではある。

ちょうどコロナ前あたりから人気が出始めて、コロナのオンラインブームと共に人気になった感じはある。

もともと若手はYoutubeでネタ見せなどやっていたので、特にYoutubeやるやらないと、議論をするまでもなく、もう既にやっているお笑いコンビが多かった。

自分としては同世代が頑張って活躍している姿を見るのは面白かった。

ただ、なんというか主役になりきれてない感じが見えるようで悲しかった。

仮にダウンタウンとか、紳助竜介とか、明石家さんまやビートたけしなど歴代のテレビで活躍してきた人の歴史を見れば、第7世代などともてはやされずに、普通にテレビに引っ張りだこで覇王になっていてもおかしくはない。

第7世代であれば、私と同じようにめちゃイケも見て育ってきているはずだし、ナイナイやとんねるず、キングコングでも、なかやまきんに君でも、若くしてどれほど活躍したかも知っているはずである。

だが、残念ながらそこまで行ってない。良くも悪くもゲストというか、そういう扱い方であって、自分たちがメインのテレビを牽引している感じはない。

彼らも別にそれを狙っているわけじゃないのかもしれないが、新しいカギとかそういうコント番組を見ても、多分やっていることは昔と変わらないし、きっと面白いものなんだろうが、テレビの規制もあるのか思い出を超えてこない感じはある。

なんというか、テレビの世界というのは華やかに見えるものの、実際はそうでもないのかもしれない。

楽しそうに見せるのが上手い人達の集まりなのか、大金をもらっても自由に行動できないだろうし、そう考えると華やかな世界が淀んで見える感じはある。

テレビの世界というのは、弱肉強食の実力で勝ち上がれる世界ということで、若い人でもそういう世界に飛び込みたくて入る人もいると思う。20代でも実力があるなら大舞台で勝負できる。

SMAPの中居さんは確か初めて紅白の司会をやったのが25歳と言っていた気がする。25歳なんか大卒で2年目とか3年目の年齢である。

そんな人材に会社の社運をかけた日本を代表する看板番組である紅白歌合戦を任せられる世界というのは、一般の社会では芸能界以外に存在しないかもしれない。

25歳だったら、今の第7世代でも若い方に分類される。中居さんはは大卒じゃないので、芸能界のキャリアは若い頃から相当積まれていたんだろうが、それでも紅白歌合戦なんか司会の中の司会みたいな華のある役目なので、芸能界のキャリアが10年くらいあっても簡単になれるものではない。

中居さんは気がついたら土曜日でワイドショーのような番組の司会までやっていたし、なんだかアイドルとかそういう分類じゃなくなりつつある。芸人ではないが、芸人と仲良さそうだし、特殊な存在である。

第7世代にそういう特殊な人間がいるのかというと、正直いないだろう。もちろん、コントが面白いとか、喋ったら面白いとかTikTokがバズるとか、そういう人はたくさんいるが、紅白歌合戦の司会に抜擢されそうな人なんか皆無である。

なんというか、上の世代に認められるような存在というか、芸能界だけでなく、すごい人が現れた!みたいな噂になるような人はなかなか出てこない。

これは昔から芸能人を見すぎて、みんな目が慣れてしまっているのか、本当に実力が無くなってきているのかどっちなんだろうか。

芸能界にしろ、ある程度法整備されて、開拓が終わった感じはある。なので、そのレールやルールに沿って第7世代はやるしかない。そうなると、確かに好き勝手出来るものでもないし、個性を出しにくいのかもしれない。

年令を重ねる度に経験が付いてきて、より実力が増すというパターンが一般的だと多くの人は思っているが、芸能界を見ていると案外そうでもないことをよく見る。

番組に慣れるとか、経験によるものは大きいかもしれないが、面白くなかった人が急激に30代後半から人が変わったように面白くなることはないし、性格を変えようと思っても、性格を変えようと思ってなった結果なので、それはその人の本来の性格ではないということもある。

周りの評価は年令を重ねると上がるというものでもない。日本では特に何歳ならこれくらい実力があると勝手に思い込んで仕事を振ってしまう傾向にある。それは芸能界でも似たような側面がある。

若い人がやるのと、中年の人がやるのとでは、同じ仕事で同じようにこなしていたとしても、他人からの見た目が違う。なので、それを考えないと不当に評価が下がったり、逆に上がったりもして、自分の感覚とのズレがひどくなる。

自分が一生懸命やっていても、世間では評価が低かったり、自分がテキトーに仕事しても「この人が手掛けた作品だから」みたいな感じで勝手にプラス評価されていたりすることもある。

どっちも悲惨だが、そういうことが年令を重ねていくと出てくる。

昔に比べれば今は変なことをやってお金を稼げる時代ではある。なので緊張する大舞台で本領発揮できるような実力はあまり求められていないのかもしれない。

偽りの世界というか『この人は実力がある人だ』と世間が勝手に誤解してくれればいいわけだから、要はそのマーケティングに注力することが多い。履歴書を偽装するように、とりあえずすごい人だから何でもできるんだろう。みたいに思わせとけば、勝手に世間が持ち上げてくれる風潮はある。

勝手に誤解した世間は、勝手に裏切られたと不満を言って人気は失落することもあるだろう。それでも、今はそういう世界に変わってきている感じはする。使い捨ての人間関係が多いように、何でも使い捨てで飽きたら捨てられて、新しいものに代えられる。

自分の満足するものでなければ、それについて深く考察することもなくSNSで不平不満を言える時代なので、そのような声がまた偽りの世界を構築していく感じはある。

もともと第7世代は実力があると思う。ただ、昔から実力を積み重ねているベテランの人達に比べれば、ネタの真新しさもある分、見劣りしているように見えるときもある。

過激なことは出来ないし、やり尽くされた絶対にウケることは出来ないし、そこのフィールドで活躍するというのは難しい。

三國シェフのYoutubeを見ていると、新しい料理を作って評価されるには、正解の逆をやらなければいけないと言っていた。「逆も真なり」という言葉があるように、正解の逆をやっても正解になることがある。むしろ逆をやって正解に持っていけるまで研究するということである。

ミシュラン3つ星のシェフの真似をしたところで、いいところまでは行くかもしれないが、せいぜい2つ星と言っていた。だから、3つ星シェフの逆をやらなければいけないらしい。それによって、料理業界全体が進化して、それが自分の看板メニューとして世間に広がる。

三國シェフのレストランは高級フレンチだが、ほとんどがリピーターらしい。なぜリピーターばかりなのか。と問われれば、「お客様に正直だから」と語っていた。

三つ星じゃないのに、三ツ星レストランと同じ価格を取って、コロナでも予約をいっぱい獲得していて、リピーターに愛されて経営がうまく行っているというのは、やはり作っている料理が愛されているということだと思う。ネットの評判だけに振り回された偽物の味とは違うということかもしれない。

情報化社会になって、声がでかいだけの偽物が氾濫し始めているところに、また改めて本物が見直される時が来ると私は勝手に思っている。

お笑い芸人というのは、ブームの最初は勝手に持ち上げられて、いろいろ好きなようにイジり倒されるものではある。そこから2回売れるための準備を始めなければいけない。

おそらくそれが出来たら本物として世間は認めてくれるんだろうか。エスカレーターが急に下りになっても、逆走して自分の足で上がっていかなければいけない。

自分の世代にすごい人があまりいないというのは、あんまり面白くない。ビル・ゲイツくらい世界に名を轟かせるような本物が出てくれば、ゆとり教育は成功だったんだ。という人も増え始めるかもしれない。






無駄に思えることを一生懸命やっていきます サポートありがとうございます。