「年収1000万以上の人と結婚したい」っていう意見が妥当に思えてきた
令和2年日本の平均年収は433万らしい。
平均年齢は 46.8 歳(男性 46.8 歳、女性 46.7 歳)
1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は正規 496 万円(同 1.5%減)、非正規 176 万円(同 0.9%増)であり、これを男女別にみると、正規については男性550万円(同 2.0%減)、女性 384 万円(同 1.3%減)、非正規については男性 228万円(同 0.9%増)、女性 153万円(同 0.7%増)となってい る。
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf 【令和2年 民間給与実態統計調査から引用】
年齢別に見ると、日本の平均給与を超えるのは、男性の場合30代前半で、女性の場合30代後半になる。
男性は基本的に年齢が上がるに従って給与が増加していくが、女性の場合、その伸び率は低い。なので相対的に女性は常に男性より給与が低いことになっている。
そこで日本の男女の賃金格差は世界的にも普通なことなのか調べてみた。
https://www.mof.go.jp/pri/research/conference/fy2021/shigoto202202_2.pdf
【男女間賃金格差の国際比較と日本における要因分析 財務総合政策研究所より引用】
正社員として大卒で問題なく働き続けている人は、非正規社員として働き苦しんでいる人のことなんか他人事で、「なんでそんな安い給料で働いてるんだろ?」っていう感じかもしれない。一般的に言う格差というのは、まさにそういうことだと思う。
普通に生きていられる人は、貧しい人がいるという事実を知らない。周りにそんな人がおらず、触れあう機会がないからである。年収200万台で生きている人が東京にいるなんて、思ってもない。
日本女性の就業者数は、アベノミクス以降にものすごい増加している。これは知らなかったが、アベノミクスで雇用を生み出し、非正規社員が急拡大したので、おそらく非正規社員としての就業が多い女性の雇用が、そのような形で急拡大したのだと思われる。結果として、2012年にはG7で平均レベルだった女性の雇用者数が、それ以降急激に伸びている。
非正規が増えるほど、平均した時に平均年収が下落するという構造かもしれない。女性が社会参加して素晴らしい側面もあり、女性の給与が低すぎて全体の平均が下がる、あるいは変わらないという日本の現状があるかもしれない。
妄想や雰囲気で議論するよりは、この資料を見て現状を把握するだけでも面白い。
次に男女の賃金格差を国際比較してみると、G7平均と比較して圧倒的に日本はギャップが大きいと言える。
近年、日本の給与が韓国に抜かれたと話題になったが、韓国は無理やり最低賃金を上げたので、過去10年くらいで最低賃金が2倍近く上がっている。かなり就職難となったが、その犠牲のお陰と言えるのか、低所得者層の男女の賃金ギャップが異常に急回復している。
これを見ると、やはりどの国でも女性がパートタイマーになりやすい傾向があるのかもしれない。ただ、私が思うに、問題はパートタイマーの給与が低すぎるということや、パートタイマーの仕事が事実としてフルタイム労働であり、パートタイマーとしての業務の範疇に収まっているのか。ということだと思う。
当たり前だが、凄腕弁護士がやる仕事を時給1000円で求人募集をかける企業はない。だが、それに近いことを一般企業の一般事務や営業事務ならやる可能性がある。
パートタイマーという語感に洗脳されているのか、正社員は残業できる人で、パートタイマーは定時に帰る人みたいなイメージを持っている人もいる。だから、正社員でダラダラ働き、残業代で飯を食う人もいる。
そもそもフルタイム(1日8時間×20日)という労働をしているのに、パートタイムという雇用形態を当てはめるのはどうなんだろうか。
契約社員とか、なんとか社員という名前をあてがって、勝手に企業ごとに雇用形態を作り出している。非正規社員はフルタイムでもボーナスなしとか、「何で?」という疑問に誰も答えられない。
そういう勝手な解釈で人間を安く使い捨てようという日本の貧しい思考と、いい人材を高く雇って会社を成長させようと考える欧米企業と、差が生まれるのは必然と言える。
最近あまりいなくなってきたが、「年収1000万以上の人と結婚したい」という女性タレントとか、街頭インタビューで回答する人が、以前は結構いた。現在も口にしないだけで、基本的に収入が高ければ高い方がいいと考える人が普通だと思う。
私が小学生くらいのころからこんな事をテレビで見ていたわけだから、それなりの歴史があるだろうし、根本的に人の考え方なんか変わらないだろうし、貧しくなるほど金に頼りたい人が増えるのが自然だと思う。
だが、冷静に考えてみて私が小学生の頃の1000万と現在の1000万では、だいぶ価値が異なる。消費税も5%から10%になっているわけだし、年金とか各種保険料も上がっている。給与水準が変わってないということは、もっと平均より稼がなければいけないということでもある。
そう考えると、失われた30年の初期から現在まで、1000万が高所得者という感覚が塗り替えられていないとオカシイと思う。
1000万なんかバブルの頃だったら、さほどエリートでもなかったかもしれない。それが現代だと700万稼いだら上等みたいな雰囲気もある。
一説によると、現代の税負担率はおよそ46.8%と言われている。500万くらい稼いだとしても源泉徴収で120万くらいは税金で持ってかれる。残りの380万くらいのうちで消費税が10%引かれていると考えると、38万だし、かなり税金を取られている。
380万稼いだとしても、一般的に車を買おうと思ったら200万前後は使うことになると思う。それにかかる保険料とか、また別の税金とか考えると、結構キツイ。
500万稼いだとしても、そんなに贅沢な生活は出来ない。500万同士で世帯収入が1000万になれば、子供が何人かいて、ちょうどいいくらいなんだろうか。
そう考えると、1000万という数字は、現代で世間知らずの見当違いな数字でもない気がする。
確かに人口割合で見ればかなり少ないし、サラリーマンで1000万というのは、ほぼ40代後半から50代のおじさんだから、結婚適齢期よりは少し上と言えるだろう。それでも、現代の生活水準ではそれくらいあったほうが安心できるという心境もわからんでもない。
もちろん1000万を超えたら所得税率も上昇するので、1000万近く稼いでも結局700万くらいになってしまう。
まぁ700万あったら車を買ったり、旅行をしたり、金銭的にはそこまで苦じゃないかもしれない。それでも、残業続きの働き方で1000万を超えてるのだとしたら、そんな贅沢な休みの日を過ごすのも難しいかもしれない。
前にも書いたかもしれないが、基本的に1時間残業したら、年間労働を240日として240時間の労働になる。これは8時間で週5日働いているとしたら、6週間分の労働量に相当する。
毎日ダラダラ1時間残業してしまう人は、1ヶ月半分の休みを消費して働いていることと同じだろうし、それだけの時間を無駄にしているとも言える。
無駄というか、残業代は割増されているんだろうが、そういうこととお金の関係を考えなければ、日本全体としての成長は望めないだろう。
正社員でずっと働くとか、そういうことが苦にならない、あるいは普通に我慢して働ける人ならそれでずっと働けば、まぁ問題ないと思う。
だが、普通に1000万稼ごうと思ったら、おそらく50歳まで働いても相当難しい。副業しても、残業して副業して、それで家族を養って、なかなか時間のやりくりが難しい。
サラリーマンをやっている限り、簡単に1000万なんか稼げる数字じゃないかもしれない。だが、何か自分で1000万に辿り着くような作戦を練って、本気で金を稼ぐことに集中すれば、あながち辿り着けない水準でもないかもしれない。
1ヶ月で1000万稼ぐ人もいるし、3つも4つも仕事をしている人もいる。美川憲一さんの全盛期はステージ1本1000万だったときいたことがある。それを240日やっていたら、と考えると、ほぼ企業並の売上である。紅白の衣装がああなるのも納得できる。
会社員は過去の慣習に働き方や雇用形態が囚われているせいで、金を稼ぐことを阻まれている感もある。
自分の時間を作るためにあえて非正規で効率よく働いて、税金や保険などを処理して、残りの時間を自営業としてコミットするような働き方をしたり、柔軟な方が結果として幸福度が上がるかもしれない。
現代の多くの人が思う年収500万くらいの感覚が、1000万になれば、2000万や3000万くらい稼いでいこうというムードになるかもしれない。
お金に満足できていればいいが、現状に満足できないなら、何か上乗せできる手段を若いうちから打ち出していくと、将来なんか役に立つかなーと思っている。
無駄に思えることを一生懸命やっていきます サポートありがとうございます。