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ラストストローの話

今から6年程前に聞いた話を紹介しようと思う。
「ラクダ」と言われてどんなイメージを描くだろうか。ひとコブ、ふたコブ、どちらでも良い。コブに水を貯めて砂漠を歩く。太陽がジリジリと照りつける干上がった大地を何日も歩き続ける。厳しい自然環境の中、背中に人や荷物を載せ1日何マイルも。
そんな強く我慢強いラクダは今日も背中に荷物を載せて砂漠を横断していた。しばらく歩くと次の街で人が荷物を載せる。また少し先の街で荷物が積み上げられる。それでもラクダは黙々と歩き続けた。行く先々で次々と荷物を載せられ、いつの間にかラクダの背中は荷物が山のように積み重なっていた。ふと空を見上げると、何処からか風に乗って飛んできた1本のワラがハラリとラクダの背中落ちた。次の瞬間ラクダの大きな体は足元から崩れるようにパタリと倒れてしまった。

過酷な環境を黙々と歩いてきたラクダ。沢山の荷物を載せていたにもかかわらず、最後はたった1本のワラで倒れてしまった。
私がこの話を聞いたのは鬱病にかかった原因を主治医に尋ねた時だった。どうして私は鬱になったのか。悔しくて悲しくて、その理由を知りたかった。いつの間にか自分のリミットを越えて鬱に陥ったのは1つの出来事かもしれない、しかしそれまでにいろんな荷物を背負って歩いてきた。原因は1つではないし、それまで抱えてきた仕事、家庭、人間関係のストレスが積み重なって起こったのだと。

「ラストストロー」=「最後の1本のワラ」

(今日のシュークリーム)瑞穂のカスタードシュークリーム@クレーム デ ラ クレーム(港区)

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