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高校生の彼女へ。Don’t trust anyone over 30.(30以上のやつを信じるな)

新しく入った職場、まだ一ヶ月も立たないのだけど、
急遽、高校生アルバイトの女の子を指導することになった。

ここは田舎町。リンスか柔軟剤の匂いをさせている、眉毛も手入れしたことないような田舎の女の子がやってきた。周りに働き口がないのだ。
チョコや飴をあげても喜ばないし、お茶飲んだらと言っても飲まないし、
マスクとメガネで表情は全然わからない。
父親には怒られたことがなくて、バイト代は貯金するらしい。
ただただ静かに従順な女の子なんだけど、言ったことが何回伝えても全然できない。一言でまとめると、トロい。

ここ数日、彼女と接したことで、ふと自分の高校時代を思い出して、どんよりしていた。

私の親は二人とも教育者で、すごく厳しかったので、
親以外の大人にはその反動か、言葉で反抗し、噛み付いていた。
授業中ガムを噛んでいて注意されると、舌の裏に隠して「噛んでねえし!」
工事現場の人に学校サボって遊びに行こうとしてるのバレて何か聞かれそうになると「高校生じゃねえし!」と言った風に。

本当にクソむかつくガキである。

どこかにかっこいい大人は、いないのかな?
ここじゃないどこかへ行きたい。

そんな現実逃避から、ファッションや映画や音楽に没頭する。
先輩に告白する、高校生クイズに出る、そんなイベントごとにノリで
学校のトイレ、駅のホームでピアスを開ける。ピアス開けると運が開くらしから開けよー、みたいな。

そんな生きづらさから、映画をVHSで夜な夜な見て(シド&ナンシー、時計じかけのオレンジ、トレインスポッテイィングとかね)、朝起きて朝ご飯を食べて親を見送った後、ダラダラして、音楽を聴き、6限目に学校へ行き、電車で美術の予備校へ通った。
そこには面白い大人や高校生がいて。今では有名なバチェラーのSちゃんが、美しい自画像の油彩を描いていた。
親のお金で勝手に、電車に乗ってビレバンまで漫画買いに行ったり、お金なくなれば服を同級生に売りつけたり、それでまた隣の県まででかけて古着を買う。本当に堕落のまま生きていた。

でもそれで私はバランスを取っていたんだよな。
当時、そうするしかなかったんだよな、と、やっと腑に落ちた。
彼女のために面白くてまともな人間であらなくてはいけない、と思いこんでいた自分を解き放した。
勝手にいろんな大人を見て、眼を磨け。
親や学校以外にあなたを肯定してくれ、魅力的に生きている大人がいるはずだから。
あなたはあなたで良い。

Don’t trust anyone over 30.
私のことも信じるんじゃないよ。とその彼女に言いたい。

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