日常を切り取った中で

毎日が――無――すぎて何も刺激がありません。
ビオフェルミンを飲んで立派なうんこを出すことを日々楽しみにしていることしかありません。

私は地方の田舎に住んでいます。
田舎と言っても地方都市寄り……なのかどうかわかりませんが、一応徒歩でコンビニは数件ある方。
しかし山と山に挟まれていて、やはり田舎。
この間の休日の午後、雨上がりにコンビニに行ったら、人々は一体どこにいるのか?とすら思うほどがらんとしており、上空には霧がかかっているのも相まって、思わず「サイレントヒル……」と思った。

何かをしなければ、本当に何もなくただ日々が過ぎていってしまう。
ついこの間家の近くの田んぼが売りに出されて埋め立てられていた。
田舎の風景がちょっとずつ削られて変化していた。

この間のこと。
近所のディスカウントストアに行った。

レジで精算する時に私の前に70代くらいのご婦人がレジに並んでいた。
手には数千円くらいする栄養剤の空箱と何やらくしゃくしゃになった紙切れを持っていた。
ご婦人が男性店員に空箱を渡すと、レジを一旦止めて栄養剤の空箱を持って、別のレジの奥へと向かって行った。

レジの前で立っているご婦人がブッとおならをした音が聞こえた。
「あ、おならした」と思った。
もしかして聞き間違えかな?靴がこすれてそう聞こえたとか……。
聞き間違いだと思ったが、かすかに漂う放屁の臭い……。
やっぱりおならで間違いなかった。

距離は開いているが、しっかりと放屁した臭いが漂ってくる。
レジを待ってただけなのに。(スマホを落としただけなのに)

どうでもいいが、この頃人のおならを聞く瞬間があまりにも多すぎる。
もう片手じゃ足りん。

そうこうしているうちに店員の男性が栄養剤の本体を持ってきてレジを通し始めた。
店員「~~円です」
ご婦人が金額を聞いて手に持っていた紙切れを渡していた。
あのくしゃくしゃになった紙切れは何やらクーポン券だったらしい。
それにしても金額を提示した後にクーポンを出されるとレジの人困るよなぁ~などと思っていたら、店員が「こちらの券は対象外でして……」と申し訳なさそうに言っていた。

「なにこれ使えないの?」
差し出したクーポンが対象外だったことを知ると、ご婦人は残念そうというより不服という感じだった。
「そうですね。申し訳ありませんが……」
男性店員の方が残念そうに謝った。
生真面目な店員だったようで、とても丁寧に対応していた。
毎回思うのだが、日本のサービスって丁寧すぎるよなぁ~などと思いながらレジを待っていると、ご婦人は「そんならええわこれ」と栄養剤の購入を拒否したのだ。
さっさと店員にそう言い残してご婦人はさっさと店から出て行った。

目の前で繰り広げられたやり取りを見て

あの人……


ただレジでおならしていっただけじゃん……!!!!!!!!


と驚くばかりだった。

衝撃とは言いすぎだが、レジで繰り広げられた内容があまりにも、あまりにもすぎて印象に残っていたのでここに書き綴っておきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?