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人生でいちばん衝撃だった先生のはなし(エッセイ#03)

当時先生は、魔界から降り立ち、人間の姿へ変身していた。…おいおいフィクションかよって?いいえ、違います。

かの有名なヘヴィメタルバンド「聖飢魔II」。創始者はダミアン浜田。人生でいちばん衝撃だった先生は、彼である。ファンの間では知られているそうですが、山口県のとある高校で数学を教え、軽音学部の顧問をしていた経緯がある。担任ではなかったけれど、それでも衝撃たるや凄まじく、私の人生に色濃く残っている。

1.美しいヴィジュアル

ヴィジュアル面において異彩を放っていた。線が細く、透き通るような白い肌で、消えて無くなりそうな儚い印象があった。かと思えばスポーツカーで学校へ降り立つ。体育祭ではゼブラ柄のジャージを着用し、日傘をさしていた。

先生は、「ダミアン」と呼ばれ生徒たちに親しまれていた。女子高だった事もあり、美の尊重として、カリスマ的人気を誇っていた。

2.校歌(ハードロックver)

ダミアン先生率いる軽音学部は、超ハイレベルだった。演奏・作曲に至るまで、先生に指導のもとオリジナル曲を量産していた。推しバンドは?どのバンドのCDを買う?こうした会話が日常的に行われていた。

あるとき、校歌がハードロックverになった。女生徒の歌うメロディに、ゴリゴリのギターサウンド。ピアノに乗せて滑らかに歌うのが校歌、という概念を打ち破られた。Youtubeで聴けるので、気になる方はぜひ「ダミアン浜田 校歌」で検索してみてほしい。

3.音楽の伝道師

学園祭で先生が鳴らしたギターは、私のみならず、多くの生徒の音楽性を刺激した。

ごく普通の体育館が、ライブ会場になる。静から動へ。空気が揺れた。「ギターをかき鳴らす」とはよく言うが、まさにあの時の先生の姿を体現している。

ギターって、こんな音鳴るんや…!

それまで、「音楽」といえば、「歌」だった。
癖になるメロディ、優しい声質、ボーカルの人間性。バックでどんな演奏をしているか?は聴き流していた。先生のギターは超絶技巧ながらバンドに溶け込んでおり、会場全体を支配しているように思えた。「歌」意外に釘付けになったのは初めてだった。私がより深く音楽に目覚めたのは、先生のおかげだと思っている。

それからというもの、私の音楽遍歴は目まぐるしく進化した。JPOP、テクノPOP、ハードロック、洋楽…ありとあらゆるCDをレンタルしてMDに取り込んだ。新しいサウンドに出会える喜びを感じ、大学生になる頃には、全国各地のフェスへ参戦するようになった。

知らないバンドでも、はじめて聴く演奏でも、サウンドを楽しめるというのは本当に素晴らしい。音楽があれば常に刺激を受けられる。

先生。お元気ですか?
先生は私の音楽の伝道師でした。地獄、人間界ともに偉大なお方です。これからもどうか素晴らしい生活をお過ごしください!

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