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NEW PROJECT スタート

こんにちは。
「ファッションの力で人生を豊かにする」をビジョンにスタイリストをしているHello-Fashion 代表の中村龍太と申します。


日本の伝統工芸や昔からある技術や設備が後継者不足により無くなってしまうという話って良く聞きませんか?
ファッション業界にも同様の問題があります。

私は普段、お客様のスタイリングをしたりオーダーでスーツを作ったり、古着屋を営んだりしています。

オーダースーツでは一般的なスーツ生地を使ってのオーダーが9割ほど占めています。
残り1割では、個人的に力を入れていきたい日本の職人さんの技術や昔の織機や編機などで丹精込めて作られた生地を使ったスーツです。

実は日本の生地は誰もが聞いたことがある有名な海外ラグジュアリーブランドに使用されることも多く、ポテンシャルがある生地が多くあります。
しかし現状としては日本ではあまり知られておらず、市場としても安いものでシンプルで扱いやすい生地が良いという流れから効率をもとめて作られた味気ない生地のものが多く出回っています。
中々手間をかけて丹精込めて生地を作っている所にはスポットが当たらず縮小をしていき、そこで先ほどの後継者不足や設備が使われなくなって廃棄という事が起きて二度とその生地が作られる事が無くなってしまいます。

私は普段からいろいろな生地の展示会をめぐり職人技の詰まった生地やストーリーのある生地、独自性のある生地などを探しています。
そんな生地を探し求めていたときに、ある展示会でビビッときて出会った生地があります。

それがこちらの生地

世界中で日本の一社にしか作ることの出来ません。
ラメの糸を編み込み、見る角度により光を放つ生地

この生地を見つけたときにその場ですぐに発注
サンプル用に自分のスーツを作りました。


その生地を使い作ったオーダースーツ

その生地を作っている会社さんに作った作品の写真をお送りしたところ
何か一緒に出来ませんかというお話をいただき、
先日その会社の工場見学と打ち合わせをしてきました。

40年くらい前の編み機を使い生地を編んでいきます。
現状この道50年以上のベテランのおじいちゃんにしかこの生地を作ることができないそうです。

日々大切にメンテナンスをすることで今も動いている編機。
以前よりも編むスピードは落ちているがその分柔らかい生地が編み上がるとのこと。
ジブリに出てきそうな世界感ですごく好き。
この生地の特徴である光るラメの糸を編み込んでいるところ。
普通に編み込んでいくと曲がったりねじれたりしてしまい編み上げことが出来ないそう。
ベテランの職人さんが試行錯誤をして何度も調整をすることで
作ることが出来た生地。


この生地の認知を広め、後世に残していくために、
来年の1月にフランスの展示会
「メゾン・エ・オブジェ」に出展することが決まりました。
私はこの生地を使ったファッション部門を担当させていただくことになりました。

ブランド名は「TRICOLUM」 ~光を編む~

TRICOLUMはトリコリュムと読みます。
フランス語で tricoter (ニットや編み)× lumière (光)を組み合わせた造語。


日本にはまだまだ私の知らないたくさんの技術や思いの詰まった生地があると思います。
そんな技術や設備を後世に残していけるように、微力ではありますが認知と販路の拡大をして技術の継承と設備を残していけるように今後も活動をしていきます。

「TRICOLUM」の詳細についてはまたブログでご紹介していけたらと思います。

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