見出し画像

これから「アート」はどう変わる?今、私たちが考えていること。

みなさんこんにちは!田崎です。「未来を膨らます」を合い言葉に、増田セバスチャンが中心になって立ち上げたNPO法人HELI(X)UMのメンバーであり、アーティストのマネジメントやプロモーションを、ニューヨーク⇄東京で行っています。noteでは、HELI(X)UMの活動にまつわることや、国内外のアートの現場からの逸話を皆様へお届けしたいなと思っています。

さて、多くの地域で緊急事態宣言下にある今、みなさんも心落ち着かない日々をお過ごしのことと思います。

まずは、みなさま御自身とご家族やお友達が、健康でいらっしゃいますように。もしウィルスと闘われている 方がおられましたら、どうかどうか一日も早い回復を心から御祈りしております。 医療の最前線で日々奮闘されている方もいらっしゃるかもしれません。心からの感謝と尊敬の念が届きますように。

今の状況は、リーマンショックのような世界的経済の落ち込みというよりも、どちらかとういうと世界同時に起こった自然災害に近いと言われています。経済界の人々は、物流システムや道路が分断されてしまったわけでは無いので、収束すれば経済活動はまた再開するだろうと。 

ですが、何もかも全てが元に戻るかと想像すると、“ああ、もう元にはこの世界は戻らない。違う景色が開けそうだ”と感じていたりしませんか?

世界を見てみれば、1月からの3ヶ月間で、海外便は飛ばなくなりほぼ鎖国状態となりました。都道府県間の移動は制限され、レストランや居酒屋さん、劇場に美術館も休業になってしまった。人類が何百年もかけて築いて来た他者を受け入れるためのありとあらゆる扉が、たった1μのウィルスが蔓延してあれよこれよと一斉に閉じられてしまいました。

まるで、一人になってよく考えて見なさい。と、見えざる何かに言われているかのごとく。

一方で、開いた扉もあります。例えば、リモートワークやリモート学習、リモート医療などあれだけ企業が進めよとしても進まなかった物が、今、一気に進んでいます。Zoomでの飲み会や女子会や○○会的なものが身近でも頻繁に開催されています。私は年の半分はニューヨークにいるのですが、現地の友達は距離を感じずむしろ以前よりも頻繁に顔を見て交流をしているのは救いです。

自然界を見れば、イタリアのヴェネツィアの水辺には魚たちが戻り、サルディーニャ島では港でイルカがたわむれ、香港の動物園ではプライバシーを獲得したパンダが10年ぶりに交尾をしたとか!?人間以外はあまり困っていない様子ですね(笑)

そんな今、思うこと。そもそも、私たちは前の生活や価値観を丸ごと取り戻したいのだろうか。むしろ変わって欲しいと願っていたこともあるのではないか。変わって欲しいものは何だろう。変わらずにあってほしいものってなんだろう。そう自問自答しています。

世の中の価値観がガラリと変わる時、アーティストは第一波を受けます。“不要不急”な出費は企業からも個人からも一気に絞られます。今回は顕著に、美術館もギャラリーも発表の場自体が場を閉じねばならず、作品を通じて他者と混むニケーションするリアルな場が閉じてしまいました。 

もし今の状況が自然災害に近いとするならば、東日本大震災を思い出すと、未曾有の自然災害を目の当たりにし、多くの日本のアーティストがしばらく作品を生み出せない心理状態に陥りました。それが今世界規模で起きています。

ウィルスは加速度的に人類を進化させるものとも言われていますが、生物学的な進化に伴い、私たちの意識も変化していくとしたら、今人類が突きつけられている課題って何だろう。 

五感を使って作品を生み出すアーティストにとっては、突然全世界のアーティストへ一斉に“お題”を与えられた状態のようです。

さあ、考えます。隔離されても、身動きが取れなくても、思考は止めない。

ここからまた、はじまります。

そんな中、私たちはひとつの原稿を仕上げました。今年の2月に行われた富士山展3.0の施井泰平さん、藤田直哉さん、増田セバスチャンのトークショーの書き起こしです。内容はこんな感じで6本の記事に分けてお届けしています。

(1)日本のアートは2011年を境に変わってしまった
(2)芸術?エンタメ?ファッション?アーティストがぶつかる領域問題
(3)ディスカッションが苦手な日本で、アートが果たすべき役割とは〜あいちトリエンナーレを考える
(4)ブロックチェーンに期待される「アートの民主化」その真の力とは?
(5)70年代のハローキティ、震災後のきゃりーぱみゅぱみゅ。平和への願いがKAWAIIを生み出す
(6)原宿発のカウンターカルチャー「KAWAII」がなぜ国や企業の後押しを得るのか

ウィルス騒ぎが未だ対岸の火事だった時ではありますが、日本における時代の変わり目とアートの相関性を論じた、今こそ読みたい内容となっています。ひっきりなしに流れてくる情報に怒ったり悲しんだりおつかれ気味の心にもハッとさせられる、これからのアートに想像を膨らませることができる記事になっていれば嬉しいなと思います。

ヘリウムは、アートを通じて「未来を膨らます」活動をしていく。ここには何ら変わりはありません。アートを通じて、他の国を知ったり他者への想像力を培ったり、これも変わり在りません。リアルな交流はしばらくお預けですが、しばらくバーチャルな世界でみなさんとの交流を試みたいと思ってます。そちらもお楽しみに。

こんなオンライン○○やって欲しい!等あれば、SNSにぜひお寄せ下さい。

ここから先は

0字
このマガジンでしか読めないコンテンツを公開していきます。購読料はNPO法人HELI(X)UMの活動に使われます。

ヘリウムマガジン

¥500 / 月 初月無料

増田セバスチャン主宰のNPO法人ヘリウム公式マガジンです。購読料は、NPO活動に使われます。 増田セバスチャンの最新コラム、雑誌でセバス…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?