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NFTゲームをはじめる前に知っておきたい注意点

ネット上に存在するとされる魔境、Web3世界。一攫千金と自由を求め、人々はその荒波へと身を投じていく。ある者はビットコインの爆上げに歓喜し、またある者は次々に登場する新作NFTゲームに胸を躍らせる。
しかしその陰では、多くの人が肩を震わせながら草コインの暴落に耐え、一向に売れないNFTアートを握りしめ血の涙を流す。その世界に足を踏み入れた以上、あなたはもう引き返すことはできない…。

そんな新世界なのか世紀末なのかわからないカオスな想像をされてる方もいるかもしれませんが、安心してください。実際そんな悪評が目に付くことが多いのは事実ですが、きちんとリスクを理解し対策しておけば、自身の資産を守ることはできます

今回は初心者の方向けに、NFTゲームをプレイする前に知っておきたいポイントを簡単にまとめてみました。とはいえ、ただNFTゲームで遊ぶだけなら基本無料でできるものも多く、他のスマホゲームやPCゲームと大きな違いはありません。なのでそこまで敬遠する必要は全くないです。

ただし「遊んで稼ぐ」を目的にするのであれば、前提として仮想通貨についての最低限の知識はあったほうがいいです。NFTゲームの中にはゲーム内にウォレットを作成できるものもあり、NFTを直接売買するだけなら問題ない場合もありますが、入手した仮想通貨を現金に換金する際取引所とウォレットは必要になります(一部例外として、法定通貨で直接売買できるマーケットに対応しているものもあります)。

知っておくべき要注意ワード

NFTゲームをはじめる前に、まずは以下の単語を聞いたことはありますか?

  • シードフレーズ(シークレットリカバリーフレーズ)

  • ゴックス(セルフゴックス)

  • ラグプル

  • INO/プレセール

これらのワードの意味とリスクについては、知らないことがある場合は必ず自身で調べてください。情報リテラシーを鍛える意味でも、ネット検索して出た1番上の記事の内容だけを鵜呑みにするのではなく、できる限り複数の、なるべく違う視点からの解説を見ることをおすすめします。

いやここで説明しろよという声が聞こえてきそうですが、これも皆さんの情報リテラシーを高めるためです。決して面倒くさいからとかでは断じてないです。本当です…。

そうはいっても調べるのが面倒くさいという人もいると思うので、ここでは最低限の内容だけ簡単に説明しますが、鵜呑みにせず自身でも必ず調べてみてください。

シードフレーズ(シークレットリカバリーフレーズ)

仮想通貨に普段から触れている人であれば知らない人はいないと思いますが、これは仮想通貨やNFTを保管しておくウォレットが自分の端末が壊れる等して使えなくなってしまった際に、別の端末で復活させるときに使用する暗証番号のようなもの。メタマスク等のウォレットを作る際には12個の英単語を登録します。最先端なのに昔のドラクエみたい。

このシードフレーズを知られてしまうと、ウォレットから自分の資産がすべて盗まれます。めちゃくちゃ怖いです。Web3の世界ではこの情報を聞き出そうとフィッシング詐欺などありとあらゆる罠を張り、ユーザーから身ぐるみ剥ぎ取ろうとしてくる輩が後を絶ちません。なので例えどんなことがあっても絶対に他の人に教えたりWebサイトに入力したりしないでください

ゴックス

ゴックス(GOX)とは何かしらの原因で仮想通貨を失ってしまうことを意味します。昔あったマウントゴックス事件が由来。

ウォレットから詐欺アドレスへにアクセスしてしまい中身を抜かれたり、送金先のアドレス入力を自分で間違えるとそのまま仮想通貨が失われたりします(セルフゴックス)。セルフゴックスを防ぐには送金の際複数回に分けて送るのが有効。まずは少額を送金してみて、問題なく着金が確認できたら残りを送金するようにしましょう。

ラグプル

ラグプルとは前回ポンジスキームの説明でも触れたような方法で、リリース前にNFTやトークンの事前販売で集金しまくりそのままドロンされてしまうパターンです。ゲーム内容もほとんど明らかになっていないのにやたら先行者利益を煽るSNSアカウントや、どこが作っているのかよくわからない怪しい謎の新プロジェクトには手を出さないよう特に注意してください。

INO/プレセール

INOというのは「initial NFT Offering(新規公開NFT)」の略称で、INOセールはまだリリースされる前の新しいNFTを安値で優先して購入できる仕組みです。新規プロジェクトの資金調達手段として行われており、基本的には申込者の中から抽選等で購入権を付与されます。先行者利益を得るためにはこの権利を獲得できるかが重要で、人気のプロジェクトだと争奪戦は必死です。公式のSNSなどをフォローして日々情報を集め、チャンスを掴み取れるよう普段から得を積んでおくことをおすすめします。

ちなみに株式では新規公開株をIPO、仮想通貨では新規公開コインをICOといいます。

プレセールは文字通り事前販売のことで、こちらもリリース前に行われます。購入は先着順となる場合もありますが、ホワイトリスト(アローリスト)を入手できている場合は優先して購入することができます。この時点でNFTを入手できない場合はパブリックセールや二次流通で購入することになりますが、割高な価格で掴まされた挙句リリース後には価値が下落していくケースも少なくないため注意が必要です。

また人気のないプロジェクトやラグプル狙いの詐欺プロジェクトのNFTを購入してしまった場合、そもそも二次流通の際買い手がつかず結果として損失になるという悲惨な末路が待っているため、参加する際は事前調査を怠らず慎重に判断しましょう。

その他に気をつけたほうがいいこと

偽サイト、偽アプリに注意する

有名NFTゲームのサイトに似せて作られた巧妙な偽サイトやアプリがあります。ここにアクセスし個人情報等を登録してしまうとウォレットから自分の資産が盗まれてしまう可能性があります。特にあなたのシードフレーズや秘密鍵をきいてきたら100%詐欺だと思ってください絶対入力してはいけません

必ず公式のサイトであることを確認し、ネットやSNS上で貼られているURLリンクは安易に踏まないようにしましょう。Discord等のコミュニティによってはリンクの貼り付けが禁止されている場合もありますので注意してください。

サービス終了のリスク

リリース後に短期でサービス終了するゲームも珍しくないです。最近ソシャゲでも多いみたいですが、特にリリース前に初期投資としてNFTを購入する場合にはちゃんと継続できるエコシステムになっているか、慎重に見極める必要があります。

NFTは資産価値を保持できるとはいいますが、他のゲームでそのNFTが使えるようになる保証はなく、価格もほぼ間違いなく下落し最悪買い手もいなくなります。ラグプルよりはマシですが、せっかくはじめたゲームがすぐに終わってしまったら悲しいですし、それまでに費やした時間ももったいないですからね。

法整備による規制

NFTだけでなく仮想通貨自体もまだまだ法整備が整いきっていない部分が多く、今後の法改正、規制強化により悪影響を受ける恐れがあります。これについては現時点でなにか対策することは難しいので、国にそういった動きがないか常にアンテナを張っておくしかないですね。

実際2022年には人気ゲームSTEPNが中国による規制やアメリカの仮想通貨規制の影響で、トークンやスニーカーNFTの価格が暴落してしまったことがありました。

突然の超大型規制の出現により「その日、人類は思い出した。GAFAMに支配されていた恐怖を…国家の中に囚われていた屈辱を…。」みたいなことにならないとも限りませんが、そのときはみんなでWeb3復権派として心臓を捧げましょう。

まとめ

  • シードフレーズを教えない

  • セルフゴックスに気をつける

  • ラグプルしそうなプロジェクトに手を出さない

  • INOに参加する際は事前調査を徹底する

  • 公式のサイトからアクセスする

  • 早期サ終する場合がある

  • 規制される可能性がある

NFTゲームをはじめる際は最低限上記のことに気をつけつつ、仮想通貨の勉強も少しずつしていってください。24年3月末現在、仮想通貨はバブル相場に突入しているので、もし購入を検討するのであればタイミングにも注意しましょう。

最後に、NFTを購入する場合は仮想通貨投資同様に余剰資金を使うようにしてください。それでもリスクを取って大きなリターンを得たいんだという方にはアルトコイン投資のほうをおすすめします。投資ではなくあくまで楽しむための趣味として資金を投じる分にはとても価値があると思います。普通のゲームでは得られない体験が、そこにはきっと待っているはずです。

Web2環境に慣れた人にとっては最初は少し大変に感じるかもしれませんが、これを機にまずは一歩踏み出していただけると幸いです。とにかくWeb3世界では、すべては自己責任です。これが早すぎた自立分散型社会を選んだ人類の、自由の代償なのです。

それではまた!

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