小説を書くのに必要なのは、質か?量か?
「小説を書くのに必要なのは、質か?量か?」
これって、昔からよくある命題なんですけど…
結論から言ってしまえば「どっちでもいい」んです。なぜかというと、最終的には両方必要になるので。
「目指すべき頂上が決まっていて、山登りのルートが違う」みたいなものですね。
ちなみにヘイヨーさんは、昔、「量が書けない人」でした。
「究極の作家」を目指して、徹底的に質にこだわるものだから、全然執筆量が増えなかったんですね。
ところが、このやり方だと、作品自体が完成しないんです。短いモノは書けても、とにかく長編が書けない!
そこで、ある程度妥協して「質とか内容は気にしなくてもいいので、とにかく書けるだけ書いてみよう!」と思ったんですね(これは、別に完成作品でなくて構いません。あくまで「練習」として書いてみるだけなので。ただし、一応筋が通っていて、最初から最後まで続き物のストーリーになっている小説を)
「おもしろい」とか「ツマンナイ」とか「読みやすい」とか「読みづらい」とか「ひとりよがりである」とか「読者ウケを狙っている」とか、一切の条件関係なしに、ひたすら書き続けたんですね。
それで、ようやく量も書けるようになってきました。
たとえば、10万文字ちょっとの長編小説を2~3ヶ月とか(急げば1ヶ月かからないくらいで)
あるいは、50万文字程度の長編を半年かけて、といった感じで。
作家にも2種類あって、「質は高いんだけど、遅筆な人」と「いくらでも書けちゃうんだけど、内容はグダグダな人」の2種類。
ザックリわけると、この2タイプにわかれると思います(もちろん、質が高くて量産できる人もいるし、内容もダメだし量も書けない人もいますw)
で、生まれて初めて書いた小説が「何十万文字でも書けるよ!」っていうような人は、無駄な文章が多い傾向にあるので、文章を削った方がいいと思います。
「削れる部分は極限まで削って、脂肪分一切なしの筋肉のみの体」みたいな作品を目指すべきかと。
1度この訓練をやっておくと、格段に質が向上します!
逆に、「書いても書いても、全然文字数が増えない」って人は、1度無駄な文章を山ほど書いてみることをお薦めします。
たとえば、「登場人物をどんどん増やしてみる」とか。「人がどんな服を着ているか」「髪型や目の色」「季節」「気温」「天気」「街の情景」「人の心理」などなど、できる限り詳細克明に書き綴っていくわけです。
それが終わったら、また削ればいいんです。
もちろん、いきなり「もう、これで出版できる!」ってレベルの完成作品にはなりません。
だけど、こういう訓練を何度も何度も繰り返している内に、段々とバランスが取れるようになってくるんです。
「自分の中で、レベルが高いと思えるだけの質を保って」かつ「量も書ける」ようになってきます。
もちろん、この方法は時間がかかりますよ。1週間とか2週間でできるようになるものではなくて、何ヶ月も何年もかかります!
けど、「急がば回れ」って言葉もありますからね。「真の実力」が欲しいなら、時間をかけてじっくり身につけていった方が良いかと。
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。