「バトル・ロワイアル」(高見広春)

はい、ヘイヨーさんのオススメ作品。今回は超有名作です。
その名も「バトル・ロワイアル」

これ、映画化もされたので、見たことのある人も多いかと思いますけど。今回オススメするのは、原作の小説版の方です。

内容に関しては、Wikipediaでも読んでもらった方が早いと思うんですけど…

簡単に説明すると「ある日突然、無造作に選ばれた学校の生徒が殺し合いをさせられて、最後の1人だけが生き残れる」ってものです。
クラス全員が殺し合いをして、生き残れるのは1人だけ!

もう、この時点でムチャクチャですよ!

この作品、当時、「ホラー小説大賞」に応募された作品で、相当物議をかもしたものです。最終選考にまで残ったのに、審査員がほぼ全員一致で「こんなもの世に出したらダメだろう!」って言って、落選させられちゃいましたw

当時の選考の様子が残っていたので、リンク張っときますね。

日本ホラー大賞は逃したけど、結果的には他の出版社から出版されて、爆発的ヒットにつながっていきます。


でも、読んだコトのある人ならわかると思うんですけど…
これ、ムチャクチャおもしろい小説なんです!しかも、映画版は大幅に省略されてたかも知れないけど、原作は「人間ドラマ」なんです!ムッチャ感動するんですよ!

最後まで全く勢いを落とすことなく、グイグイ読ませますし!(この辺も、審査員が言ってることと全然違います)

ヘイヨーさんの感覚からしたら、これを落とすって、ちょっとあり得ないんですよね~

確かに、いとも簡単に人が死んじゃうし、グロいシーンもあるので、「子供に読ませたくないなぁ…」っていう気持ちもわからないではないですよ。けど、そんなコト言ってたら小説なんて成り立たないんですよ!

「アレもダメ!コレもダメ!」なんてやってると、小説の世界自体がどんどんつまんなくなっていっちゃうんです!

しかも、アレだけ本を読みまくってる荒俣宏さんまで選考員に入ってたんですよ。なのに、落選させる側に回ってたっていう…

これは、さすがに見る目がなかったですね。


「これ、ホラーじゃないよね?」って意見もあったみたいですけど…
それを言ったら、この前紹介した「夜市」だって、ホラーじゃないんですよ。でも、審査員全員、絶賛してましたから。

まあ、予想されるコトとしては…
「この作品を受賞させちゃったら、翌年から似たような作品で応募作が埋め尽くされちゃう」ってコトでしょうね。

結果的には、この「バトル・ロワイアル」を皮切りに、デスゲーム的な作品が世に氾濫しちゃうんですけどw(結局は止められなかったっていう)


そうそう、Wikipediaっていうと…
よくよく読んでみると、「バトル・ロワイアル」は、スティーブン・キングの「死のロングウォーク」っていう小説を元にしてるそうです。
ヘイヨーさんはこの作品読んだことないんですけど。確かに、あらすじを読むと、根底にあるモノが同じなんですよね~

あと、マンガ版も出てて、ちょっとクセがある絵柄なので好き嫌い分かれるかも知れませんが、これはこれでかなりいいですよ!(マンガ版の作者は、チャンピオンで「バロン・ゴング・バトル」とか描いてた人)


ただ、1つ残念なのは、原作者の高見広春さん。
生涯に発表した作品が、この「バトル・ロワイアル」1作だけで、他に何も書いてないんです。
実にもったいない話ですよ!この人だったら、傑作がいくらでも書けるだろうに!

仮に、2番煎じ、3番煎じ的な作品だったとしても、そこら辺の並の小説よりかは、はるかにおもしろいモノになっていたはずです。

もしかしたら、名前を変えて何か書いてるかも知れませんけど。そうでないのであれば、今からでも新作を書いてもらいたいものですね~

この記事が参加している募集

読書感想文

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。