見出し画像

「マミーボコボコ」(平山夢明)

今回は、小説の紹介です。

収録されてるのは「デブを捨てに」っていう短編集でして。この表題作も、なかなかおもしろいんですけど。今回、特におすすめするのは、別の作品。タイトルは「マミーボコボコ」

タイトルだけ聞くと「ナンノコッチャ?」って意味がわからないと思うんですけど…
これがムチャクチャおもしろいんですよ!

簡単に言うと、「大家族モノ」のテレビ番組を皮肉った内容になっています。


昔、「痛快!ビッグダディ」って番組があったでしょう?結婚と離婚を繰り返し、無計画にどんどん子作りしていった結果、大家族になっちゃったビッグダディ一家のノンフィクション(?)番組。

「マミーボコボコ」には、明らかにビッグダディのパロディキャラが登場するわけです。「痛恨!ジャンボぱぴー」とかいうw

子供たちの名前も凄い!「杏出泉(あんでるせん)」「聖琉翔(せるしお)」「美神(びしぬ)」「流吹(るふい)」「可梨美(かなしみ)」などなど。現実のキラキラネームも真っ青なネーミング!

両親があまりにもいい加減過ぎるモノだから、子供たちもろくな成長の仕方をしておらず…
近所の家に食事をたかりに行ったり、財布を盗んだり、売春行為でお金を稼いだりしています。でも、そうしないと生きていけないんだもん!

ジャンボぱぴーの子育てがほんとに酷くて、テレビ番組で視聴率を取るためなら、なんでもやるんですよ。可梨美かなしみちゃんとか、最後の方で酷い目にあっちゃいます!

でも、最後の最後でウルッと来る展開もあって。なんだか憎めない作品なんですよね~


作者の平山夢明さんって、ムチャクチャにエログロ描写が激しい人なんですけど(「頭が吹き飛んで、脳みそが飛び散る」みたいな表現が通常運転)

その代わり、とんでもなくおもしろい小説を書く人なんです!涙あり、笑いありの痛快作品!

しかも、この「デブを捨てに」っていう短編集は、そこまでグロい表現もないので(※あくまで、平山夢明作品の中では)初心者が導入に読むにもおすすめです。


「マミーボコボコ」マンガにしてもおもしろそうなので、漫☆画太郎先生あたりでコミカライズ化してもらえないかな~?

この記事が参加している募集

推薦図書

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。