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Don't cry Wedding

降り出した 雨が冷たく 梅雨入り前の空
彼女と別れ1年が 経った日
地元の仲間から 俺、結婚式するから
その日は 戻って来いよ! と 連絡があった

僕の地元は 東京を代表する様な町
月島  下町と言っても 子供の頃まで
今じゃ、西仲通りの周りは 懐かしいが
晴海通り側や、新富晴海線 側など
開発が進み 西仲通り すら、新しい店が
情緒も風情も無い  何か寂しい感じだ!

地元を離れ 新宿の片隅で 絵を描いている
元々 幼い時から 絵を描くのが好きだった
美大に進学して 彼女と知り合い 同棲を始め
小さなアパートには 何も無いけれど
僕は 楽しかった 好きな絵を描いて 傍らに
彼女が居る! こんな幸せなんて他には
無い!と 思っていた。

次第に 絵のグループ展で 多少なり アートグループとしては 人気が出て 絵を描く事が 優先になって
アパートの小さな幸せは 徐々に キャンバス地に
色を塗る度に 彼女との 間には ヒビ割れて
大学卒業と共に 彼女は僕からも 卒業して行った

今日は 地元仲間の悪友が結婚式を挙げる
絵描きの毎日は 部屋に篭もりがち だから
たまには正装で 悪友を祝いたい  
アートの世界に身を置き 正装は派手な物が多く
暫く クローゼットの前で悩んだ 
普通のスーツか 襟が花柄のジャケットか!
新郎より目立つのは礼儀に反するハズ
無難に 黒のスーツと 刺繍が入った白いシャツ

この地元 月島に来るのは 卒業後 以来だった
卒業した報告と 彼女が出て行った報告
随分と もんじゃ焼き屋も 昔ながら と
モダンが 入り交じり 西仲通りも あからさまに
観光客 相手な雰囲気が 漂っていた
その歪な 様を 描きたい!  そう思いながら
通りの横を覗くと レトロな昔ながらの町が
残っていて 子供の頃を 思い出していた。

悪友の結婚式 久々の仲間達 皆変わりなく
少し大人な感じが出始めて  改めて 子供の頃の
思い出の町で 少し大人びた 自分も 存在している事に 困惑しつつ 誰かの歌の歌詞を 思い出し
大人の階段を昇るって何だろうと 考えていた

結婚式が終わり 二次会会場へ 中途半端な大人達が向かう 二十代って 大人と呼ばれるが、中身は
変わらず 十五位の ままで 良く解らない所が
曖昧で その曖昧さが 若者らしさ なのだろう!
二次会も 盛り上がり 新郎の過去の話しで 笑い
新婦側の友達などと 会話していて 僕が絵描きだと知り その女の子が話す内容に懐かしい名前が出て、新婦の友達の仲が良い女の子が 画家を目指していた彼と別れ 悲しんだ話し 

大好きな彼 だけど絵を描く事が 彼の将来に 大切な事 彼の才能を 駄目にしては イケナイと 
心を痛めながら 別れた事  彼を思って別れた
半年近く沈んでいた事 それを支えた男が 半年後 旦那に なった事  二人は 支え合い 幸せな家庭を
真っ白なキャンバスに 色々と描き始めた事

地元で、悪友の結婚を祝い  その日に まさか
別れた彼女の 話しが聞け  彼女の思いが解り
何が、あの時 正解だったのか 現在が 正解で
あの頃の僕は間違って無かったのか
いや、僕は間違っていて 彼女の選択も間違っていたんじゃ無いだろうか。答えなど 何処にも
誰にも解らないが、彼女が結婚した事

帰り道 勝どき橋を渡りながら 空を見上げ
涙が流れた   
涙の理由は さよなら と おめでとう
そして、ありがとう 

                勿論フィクションです。

                皆様🤗こんばんは🎨🌟

どうか良き夜を✨ 穏やかに健やかに
何事にも感謝を忘れず🍀
出来るだけ笑顔で😊

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