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あけどさんとのお話をぼんやり振り返る。

2022年6月5日(日)

ひさしぶりのライブ対談を行った。

お相手は、あけど亮太さん。一応肩書として「川越市議会議員」と紹介したが、別に公務として出ていただいたわけではない。

配信の10分前に「はじめまして」。オープニングの段取りだけ打ち合わせて、バタバタと対談開始。

通常、自分のチャンネルに人をお招きしたのならゲストに7〜8割お話していただくのが筋だと思う。…が、結果的に7割弱僕が話すというダメ野郎っぷりを披露した😅

まぁ、視聴者がどうこうよりも、僕が彼とお話したくてはじめたものなので、それはそれで決してまちがってはいないと思うけれど。

ことの経緯は配信でも話してるのでざっくりまとめるが、今回の対談は、あけどさんのツイート↓がバズった(炎上した?)ことがきっかけだ。

種々反応が寄せられる中、「公開の場での意見交換なら対応させていだきます」といった趣旨のツイートを拝見し、今回の対談に至る。僕のリプライに快く応じてくださり対談が決定。DMで日程を調整し、先日の配信となった。

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僕がやりたかったことは当該ツイートを巡る討論ではない。そもそも個人的には否定的な感情も抱いていないし。

ただまぁ…

「社会経験のない教員はダメだ」というニュアンスで受け取った方が少なからずいただろうことはわかったし、そこで過剰に糾弾されてるのも変な話だなぁ…と感じたので

「公開の場なら…」というツイートに乗じて「ただの雑談」を繰り広げた次第だ。これまでの対談となんにも変わらない。彼の炎上に便乗しておしゃべり相手としてナンパしただけ。

対談の中であけどさんからは「民間企業の経験」とすべきだった…というお話があった。すでにご自身でもそういう趣旨のツイートをされていたが、公開の場であることを前提に視聴者に向けて説明したのだろうと思う。

僕はツイートの言葉選びなどにはあまり触れるつもりがなかったので、それ以上深堀りしていない。その是非をここで論じるつもりもない。(ぶっちゃけどっちでもいい。)

なんにせよ、Twitterを介してつながって、1時間にわたっていろいろお話させていただき、個人的には非常にたのしかった。

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配信の最後にも言ったことだが、140字のツイートを見て勝手に相手を敵認定するのは誰も得しないことだと思ってる。

少し前にとある企業の方が、熱烈なリピーターを増やしていくためのアクションを形容して「田舎から出てきた生娘をシャブ漬けに…」と発言して大炎上したが…あれもまぁ似たような側面がある。

表現とその中身は別々に考えた方がよくて、今回の件に関して言えば「学校の教育現場にもっと民間の人材を」という話の中身はむしろ歓迎すべきものじゃないかな…と僕は思っている。

現場の人手不足や教員の過重労働は常々話題になってること。特に部活の顧問の話など「民間との連携で軽減できるのでは…?」という意見はすでにいろんなところで出ている。

それでどこまで問題が解決するかはわからないが、少なくとも「なくはない選択肢」であることはまちがいない。とすれば、今回の炎上はやっぱりそうした民間登用うんぬんの話ではなく「民間経験のない教員がダメだというのか!!!」「教員は社会人じゃないってことか!!!」という反発なんだろうなぁと。

だとしたらそれ…
ちょっともったいないなぁ。

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僕はあのツイートを読んで「民間経験のない教員はダメだ」と言ってるようには感じられなかった。

事実として民間経験のない教員が多く、民間人材の活用は進んでいない。それは民間経験のない教員自身が悪いと言ってるわけではなくただの事実だ。

子どもたちの多くは民間で働くだろう。保護者の多くも公務員ではないだろう。公務員と民間人は様々な面で異なっていて、その違いは両方を経験している人ほど如実に感じていることだろう。

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彼のツイートに否定的な感情をいだいた人のことを僕はよく知らない。全員と言葉を交わしたわけでもないし。

ただ

彼のツイートに否定的な感情を抱いた人の多くは、「民間経験のない教員」の当事者なのだろうと思う。

で、

ツイートを見て自分の立場や状況をバカにされた・否定された・諸悪の根源として叩かれた…ような気分になったのではないだろうか。

それはそれでもったいないことだなぁと僕は思います。

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彼はそういうつもりで言ったのではないらしい。そのことは対談の中でも繰り返しお話されていた。僕もそうは受け取っていない。

でも

もし仮にどこかの誰かから「民間経験のない教員」を否定的に捉える発言があったとして、そこに対して感情的になってなにが生まれるのだろうか。

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僕は歯並びがわるい。対談を見ていただければわかる通り、テレビなんかには到底映せない顔(歯並び)をしている。

それは事実で、このせいでいろんな嫌な気分も経験してきた。

大人はみんなそこに触れずに平然と接してくれているが、僕と会った人は全員確実に感じることだろう。「歯並び悪い人だな…」

モテたい男子としてこの歯並びは致命的な弱点で、僕は昔から自分の顔が嫌いだった。今でも好きじゃない。

じゃ、矯正すればいいじゃないか

という理屈はあるのだが、まぁそれは一旦置いておく。

いずれにしろ僕は、改善するにはコストも時間もかかる欠点を抱えていて、現状、それ自体の改善(歯列矯正)はできていない。

そこを指摘されると昔はちょっとムキになっていたけれど、ある時ふと気がついた。「…いや歯並び悪いのは事実だしな」って。

それを面と向かって指摘することがマナーとして適切かどうかはともかく、僕自身の歯並びが悪いことは事実。

事実を否定されて、「いや歯並び悪くねぇし」は変だし、「歯並び悪かったら何がいけねぇんだよ!」みたいなのはちがうなと。

んで、じゃどうするかって話。

それを指摘してきた相手をぶっとばしても僕の歯並びはよくならない。殴って謝らせたところで、相手の歯並びが悪くなる可能性はあっても、僕の歯並びがよくなる可能性はゼロ。

僕にできることは2つしかない。

①歯並びをよくする
②歯並びの悪さをほかで補う

貧乏だった僕には①の選択肢はなくて、②だけをひたすら考えてきた。ダンスはじめたのも、仕事がんばってるのもそういう理屈だ。

要するに「歯並びが悪くてもモテる男」を目指して生きてきた。コンプレックスの解消ってのは結局どちらかなんじゃないかと思う。

(今の自分がモテ男だとは思ってないけど、自分を非モテだと卑下することもなくなった。)

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今回のあけどさんのツイートを見て腹を立てた民間経験のない教員のみなさまは、一旦そこを考えた方がいいんじゃないかと僕は思う。

民間経験がない自分でも、社会の変化や実情に耐えうる生きるチカラを育む教育を実践すればいい。自分の民間経験のなさを補うべく、地域の中から人材を見つけてコラボすればいい。

もしくは

民間経験の有無と教育活動の質に因果関係がない…などの理論を冷静に説明したらいい。

すでにそうしている人もたくさんいるし、そういう人の多くは教員の民間経験うんぬんの議論にも冷静に対応してるように思う。

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問題は民間経験がないこと自体ではなく、子どもに提供している教育の質が時代や社会にあってないことだ。…たぶん。

で今回は、そこの説明がない140字のなかで「社会経験のない教員」というワードが着火剤になった。

「表現に気をつけろ!まして議員なんだから…」…という意見もあるかもしれない。そりゃたしかにそうだけど…それこそただの言葉づかいに対する議論でもったいない。

もし同じツイートをひろゆきさんや堀江貴文さん、西野亮廣さんがしていたら同じように炎上していたのか…というのもちょっと気になる。要するに「議員が言った」という部分もまた燃えやすい材料だったのかな…。

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ちなみに僕は、「先生になる前に社会経験を…」と思って教育実習の前に就活をした人間だ。3年半民間企業にいて、その後ちょこちょこと海外にボランティアに行ったりしながら学校ではなく少年院で先生になった。

でも

全員がそういう経験をすべきだとは思わないし、新卒で教員になった人の中に素晴らしい先生がたくさんいることも知ってる。

その上で思う。

例外はあるけれど、民間経験のある人とそうでない人の間には、様々な感覚の違いがあって、しかも学校に染まりきった人にはそのリスクが見えていないことがある…と。

その解決策は、「教員の民間経験義務化」ではなく、民間との連携だろうと僕は思う。教員は教員でプロフェッショナルな仕事。でもそれだけじゃいろんな不具合が出てるのだから、連携すればいい。

その前提として学校における教員の立ち位置からもう一度検討することも必要なのかもしれない。

サッカー選手だけいてもチームはうまくまわらない。だからスタッフを含めてチームを作る。

サッカー選手に「お前芝刈りやユニフォームの手配とかできねぇだろ!」と指摘したらきっと「そうです。だからスタッフの力を借りてます」と言うと思う。

「は?できねぇことの何がわりぃんだよ!」とは言わないだろうし、「それが選手の仕事なんだよ!」と逆ギレもしないはず。チームにおける自分の「もっていないもの」を自覚しているから、冷静に受け止めて対応できる。

教員や法務教官もそれでいいんじゃないかな。

そんなことを感じている。

いずれにしろ…サッカー選手に試合中の観客の案内から試合後のグラウンド整備までやらせてるような学校の現状は変えた方がいいだろう。

放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。