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【第1集】 本気で向き合う大人を増やす@オンライン教育実習もあふる
1−1 はじめに
「オンライン教育実習もあふる」というプロジェクトがあります。
2021年にクラウドファンディングを実施。170万円の支援を集めてスタートしたプロジェクト。
教員をめざす学生に、教職課程でほとんど扱われない性教育に関する実習(講義+模擬授業)を無償で提供している。2023年7月現在、第6期が進行中。
僕はそこで第1期から講師を務めている。講師は全部で8人。それぞれの専門分野をいかして具体的でリアルな情報を提供しつつ、活動の中で蓄積したノウハウや視点を全力で大学生にぶつけている。
僕の担当は「性の被害と加害」
とはいえ少年院の現実に関する話題はそこまで多くなく、どちらかというと「悲惨な生い立ちの中で生きづらさをかかえたこどもたちにどう向き合うか…」という話がメインだ。
詳細はnoteのメンバーシップに入ると見ることができる。
毎回、ほかの講師の講義を見て勉強になることも多く、下手したら実習生より僕が成長してるんじゃないかと思ってる。仕事でもあり、大事なインプットの場だ。
本稿では、もあふるにおける僕の講義やその後のコメントなどを共有していく。
1−2 第6期の講義概要
5月に第6期の講義がありました。実習生は過去の講義動画もすべて見ることができるので、僕は回を追うごとに「性の被害と加害」の情報提供の割合を下げています。(そこの情報がほしい人はアーカイブを見ればいいので)
今回の講義では「そもそも今の性教育ってそんなに問題なの?」という問いを投げかけました。
僕の結論は「そんなに問題はない」です。
なぜなら、もあふる講師陣を含めた今性教育にまつわる活動をしてるすべての人が旧態依然とした(性)教育で育ってきたからです。そして僕の両親を含め、世の多くの保護者は僕たち以上に性教育が足りていなかったはずだからです。
SNSは負の情報が実態より多く見える仕組み。
病室からゼーゼー言いながら配信したジャーナリストの動画のおかげで、コロナは「かかったら死ぬ病」のような印象でやってきた。亡くなった人はたしかに多いが、「死の病」とはほどとおい致死率だった。
生理に無理解な旦那
AVを真実だと思い込む男
ジャンクなSEX
性教育の改善を叫ぶ声の源にあるこれらの事象は、実態より多く認識されているはずです。
たしかに世の中には異性の身体の仕組みへの理解が浅すぎる人もいる。AVを真実だと思う人も、ジャンクSEXを標準だと思ってる人もいる。
でもそれは圧倒的少数派です。
つまり…
今の性教育でも「それなりに健全にできてる人」の方が多いんです。それなのに、まるで今の性教育が諸悪の根源かのように語るのは、僕の本意ではありません。
そして…
それは風俗や不倫にも言えること。どうしても負の側面ばかり強調される事象ですが、たとえば
パートナーに生殖行為の能力がなかったら…?
不倫によって外で性的欲求を満たすことで、それ以外の部分に満足しているよき父・母を続けられるのだとしたら…?
脊髄反射で悪者にすることで、救われてる人の命綱を断つことになりはしないか?
そんな問いを投げかけ続ける講義。実習生たちは必死に向き合って考えてくれました。
1−3 第6期講義後のコメント
もあふるでは、講義後に必ずレポートが出てきます。(とはいえ遅かったり、漏れてたりするのですが)
んで…
僕はレポートが来ると必ずコメントを書いています。レポートに直接回答するものではなく、それを読んで感じたことをそのまま文章にする「実習生への手紙」のようなもの。
少年院でずっとこうしてきたので、その名残りです。僕なりの実習生へのリスペクトと誠意。
で、毎回それをnoteで公開してきました。2023年3月で廃刊した定期購読マガジンでは、講義内容の検討もその後のコメントもすべて公開。
ということで今回も載せておきます。(そのまま載せると長いので、ドキュメントのリンクを。)
講義内容もレポートの内容もわからない状態ですから、これ↑だけ読んでも難しいかもしれませんが、教育者・へいなかの体温を感じてもらえたらうれしいです。
1−4 ディスカッション後のコメント
もあふるでは、各期の終盤に講師陣によるディスカッションを行っています。今期も先日6/29に行われました。
登壇したのはいずれ劣らぬ各界の実力者たち。特に蓑手さん、しんごさん、康太さんについては個人的にもつながりのある最大に尊敬する教育者たちだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1688184657328-xMvAu5VG8a.png?width=1200)
んで…
僕はたいしたことを何も言わず、先生方の話に学んでばかりだったけれど、特に「性衝動とはなにか」と「教育のあるべき姿〜中庸〜」という話題が主題になった。
それぞれが率直に意見を出して、実習生たちはさぞ混乱しただろう…と思ったので、いつもは書かないディスカッション後のフォローアップコメントを作成した。
そちらもここに共有しておく。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。