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夜の雫

シラフで見上げる夜空の黒
通り過ぎていく街の人々
雨で濡れても溶けない記憶
静まる寝息でふと目覚める
宿題のように命題が課され
宣伝カーがそれを轢き伸ばす
句読点ばかりが気になる看板
物語がぜんぶ耳から抜ける
選べなかった音楽が流れて
口ずさめれば負けだと祈る
荒野はたまたま開発されなかった
むしろ能動的な結末と知る
相槌を打つのにだいぶ疲れて
四苦八苦の数字が正解になる

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