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小太り

永遠とシャインマスカットを
サンドイッチしたみたいなつぶらな瞳が
羽毛布団の隙間からこっちを見ている
両側からグズンッと圧迫して
食べやすい平べった形状にしてやるか
などとの妄想より数歩早く
ヤツは立ち上がりお化けの仮装みたい
世を憚るのにも飽きたのじゃ我は、と
偶像崇拝される神の苦悩コントが始まる
即ち人類は神を失い
救いなき世に欲望が破裂する
私は剛毛、でもそれはアイデンティティ
アイアンヘアーボーイと呼んどくれ、と
言わんばかりに曝け出しまくり、やがて
昼は夜となり、ペットは獣と化した
焼肉食べに行くまでが焼肉だよと
真っ暗闇の中でそれは
全ての穴に吸い込まれていって
そして、匂いだけが充満した



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