花束みたいな恋をした

久しぶりの投稿になります。

今日は『花束みたいな恋をした』を観に行きました。

感想を述べていきたいと思います。

一言で言うなら「現実と理想」ですかね。

僕としてはもう一回見にいきたいなと思いました。


東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)。ふたりは共通の趣味で話が弾み、あっという間に恋に落ちた2人の生活が始まる。その2人が同棲をする中で紡ぐストーリーを見ていく。

そんな物語です。

ここから先は若干のネタバレが含まれてしまうので、見てからご覧いただくことをおすすめします。

僕がこの映画から感じた内容は上にも書いたように「理想と現実」です。

2人は共通の趣味で話が弾み、デートをして3回目のデートで告白しました。

その後付き合い、最初は家に麦の家に行ったり来たりの生活をしていました。

絹は就活をしていましたが、圧迫面接を受け、辛い思いをしたのでしょう。

麦に電話すると何かを察し、すぐに絹のもとに駆けつけ、就活なんてしなくてもいい、一緒に住もうといい同棲を始めました。

家は調布駅から徒歩30分、多摩川の近くにあるアパートに住むことになりました。この家がまたいいんです。2人の趣味を合わせたような部屋。僕もこんな部屋に住みたいなと思いながら見てました。ちょっと話が脱線しました笑。

なんやかんやで2人はここで、一緒に過ごしていくのです、近くのパン屋に行ったり、猫を拾ったり、クリスマスプレゼントを交換したり、年を越したり。

見てるだけで幸せそうなカップルです。特にすれ違うこともなく過ごしていました。僕もこんな彼女が欲しい。

しかし、そんな平穏な日々も長くは続かないのです。2人の親がそれぞれ家に来て、仕事をしろ、実家に帰ってこいだの言うわけですね。こんなに幸せそうなのに、どうして茶々を入れるんでしょうね。これでもう十分なのに。

また、麦はイラストレーターとして仕事をしていました。初めは1カット1000円だったのにだんだんと3カットで1000円となり、単価が下がってきてしまいます。そこで、担当に話したところ契約を解除されてしまいます。

そこで麦は就職活動を始めました。ここが、2人のすれ違いの始まりになってしまいました。

絹は「やりたくないことはしたくない、楽しく過ごしたい派」

麦は「生活のためには仕事もしないといけない、生きるってことは責任がある派」

絹は「理想」を求め、対して麦は「現実」に生きている。

そんな印象を僕は受けました。

元々は2人とも理想を求め、就活もせず、就職もせず、フリーターをし、2人の好きなことをして過ごしていたのです。

一緒に映画を見て、漫画を読み、文庫本を読み、セックスして、必要最低限の仕事をする。そんな生活を送っていたのです。

でも、就職した麦は一緒にいるためにはお金が必要、働かなければいけないと考え、仕事に熱中していきます。責任も増え、今までのように、漫画やゲームをすることが難しくなってきました。

2人は子供から大人になることをモラトリアム的にどこか避けていました。

しかし、周りから様々な影響を受け、どんどんと大人になっていく麦、昔のままで生きていく絹はどんどんとすれ違ってきてしまったのです。

こんなところに僕は「理想と現実」を感じたのです。

この2人が演じた年齢ってまさに僕くらいの年齢なんですね。

2人は5年間、大学4年生から付き合っています。22歳から26、27歳くらいまで。

ここの時期って結構不安定だと思うんです。

大学生までは親の庇護の中で生きてきました。そして、大学を卒業した途端に責任とともに社会人になるんです。

今まで、のらりくらりと生きてきたのに、急に大きく方向転換していかないといけないんです。流石に疲れますよね。楽しいことも辛いこともたくさんあるそんな時期。不安定で当たり前だと思います。

僕も今は看護師をやって現実という中で過ごしています。でも、もしできることなら、スキーとかカメラとか趣味の理想の中で生きていきたい。もしかしたら、今後生きていく中でやりたいことを見つけるかもしれない。

中学高校大学生はもちろん可能性の塊ですが、20代半ばだってまだまだ可能性はあると思います。

こんな風に、今僕くらいの年代の人は混沌の中で過ごしているんです。

自分のやりたいこと好きなことで生きていく世界線や辛酸をなめながら働き生きていく世界線、様々な世界線があるんだと思います。

この複数ある世界線の中でどの生き方がいいか模索するのってかなり大変なことなんです。

その中でこの2人はどんどんとすれ違って行ってしまったのだと思います。

「何かを求めれば何かがこぼれ落ちていく そんなこの世界で」

Awesome City Clubの「勿忘」の中にこんな歌詞があります。

やりたいことをしていれば、お金や健康など何かを捨てなければいけない

やらなければいけないことをするのであれば、楽しみや幸せなどを捨てなければいけない

今はそんな世の中なのかもしれません。

この不安定な時期を生きる20代の皆さんにはもしかしたら刺さる作品なのではないでしょうか。

ぜひ観てみてください。

僕はこれからどのようにして生きていくのかそういうことを考えながら生活して、様々なことを取捨選択して生きたいなと思う作品でした。

では、また今度 お休みなさい

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