ハリー・ハーロウは、「子供には愛情が必要」という、今では常識となっている学説を科学的に証明した人物です。それまでの心理学界の人々は、子どもを抱くことに反対していました。
しかし刑務所の受刑者が出産した施設では、管理が行き届いていないにも関わらず赤子の死亡率は低かったのです。受刑者が自分で子供の面倒を見る必要があり、彼女たちはみな「抱きしめたり優しくなだめたり」していました。
このことから、肌のふれあいの有無が赤子の生存率と関係しているのではと研究が進められ、それらが有効であることが証明されました。
オラウータンの知能
オラウータンのジグスに、子ども用のブロックおもちゃがプレゼントされました。
彼はチャレンジを続けていましたが1年後に寿命で死んでしまいました。
ときどき、人間もオラウータンと大して違わないのではないかと思うことがあります。
人間関係
ピラミッド型の図で有名な「5段階の欲求」を提唱したアブラハム・マズローは、ハリーの研究室の学生でした。
スキナー箱はラットがバーを押すと餌が出てくる実験道具ですが、バトラー箱はバーを押すと窓が開いて外の景色が見えるもので、エサだけではなく、好奇心も、動物の行動の動機になっていることが発見されました。
1950年ごろには、コンラート・ローレンツとの交流もあったようです。
当時の実験について
彼の実験は残酷だと注目を集めたのですが、同じ時期の他の実験はもっと酷いものもたくさんありました。
↓ 1957年ごろの記録
・麻酔をかけずにラットを煮えたぎった湯の中に放り込み、ショックと苦痛による血液の変化を測定するという実験。
・筋萎縮の実験のために使われたネコ。組織が萎縮するまで3ヶ月以上も後ろ足を固定された。
・軍事研究では皮膚がパリパリになるまで犬に放射能を浴びせた。
・ライフルの銃弾の威力を測定するためにサルが使われた。頭を撃たれたり、腹部の鈍的外傷を研究するために腹を撃たれた。
↓ こちらの実験は個人的に面白かったのでメモしたものです(概略)
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