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ドーパミン中毒(新潮新書)

健康なグループと比較して、ギャンブル依存症の人の脳ではお金を失った時でも著しくドーパミンレベルが上昇していた。そして報酬回路内のドーパミン放出量はお金を失うか、得られるかの確率がほぼ同じ(50%)時──つまり、不確実性が最大の時に最も高かった。

アンナ・レンブケ. ドーパミン中毒(新潮新書) (Japanese Edition) (pp.65-66)


アルコール依存はAAなどのグループに属することで治りやすいという話から、コミュニティと報酬の例がいくつか載ってて面白かった。

クラブ財

>日曜日の礼拝から得る喜びは自分自身の貢献度だけではなく、他の人の貢献度で決まる。どれくらい多くの人が出席するか(中略)熱心に読み、祈るか

コミュニティの結束を「クラブ財」として説明してるのが新しかったのと、別の本の↓を思い出した。

一方的にサービスを受けている人はメンバーになれない。そういう人は「ユーザー」と呼ばれる。メンバーとは内側に入ってコミュニティの一部になった人だ

居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書(東畑 開人)


服装、言語、特定の行動(日曜日の礼拝、決められたお祈り)は、コストなのでフリーライダーの参入を排除することに役立っている。
アイアナコーン「犠牲とスティグマの理論」は日本語訳されていないみたい

薬物と行動

もちろん脳内物質と薬物の関係も色々書いてあって

自由に行動できるラットは仲間を助けようとするが、ヘロインを自己投与できるようになると助けることに興味を持たなくなる(ドーパミンが報酬として役に立たなくなる)、とか
これまで行われてきた動物実験で「運動」として与えられていた滑車が、実はラットにとって中毒性のあるものだったのでは?という視点など。

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