「知っている」という状態を私たちは確信しているが、その感覚はどこからやってくるのだろう?という疑問から本書はスタートしている。
たとえば強盗に遭ったとき相手を撃てるかどうか。
著者は懐疑的だけども、この会話の相手は「自分は必ずやる」と確信している。何かを「知っている」「正しい」「本物である」と認識しているときの脳の働きは、どのような仕組みなのか?
第4章 心の状態の分類
ジョン・ナッシュの伝記映画「ビューティフル・マインド」
脳の働きが極端になってしまった状態が精神疾患なのではないかという仮説(病的な確信=統合失調症、病的な疑念=強迫性障害)
周りの人/モノが偽物と入れ替わっているように感じる病気や、自分が死体のように感じられる病気もあるらしい。「既知感」信が消えた状態。
第9章 思考の快感
物理学者が求めている美しさについて。
著者は、自分がポーカー中毒であり、あまり上手ではないにもかかわらず止められない理由は、運の良さを感じていたいからであると。誰もがランダムな条件で「選ばれる」ことが大好きだ。
脳の報酬系とドーパミン、薬物依存の治療の研究↓
第10章 遺伝子と思考
ある読書クラブのメンバーたちは、教授やソフト開発者、ベンチャー資本家などで、彼らは小説や詩はほとんど読まない。「その類の本は活発な意見の交換には向かない」と言い、政治、歴史、科学の本が好まれるらしい。
意見が割れれば割れるほど会話は活気を帯びるが、最後は「どうして君は一度だって理性的になれないのだ」「客観的になりさえすれば分かるのに」といったやりとりで終わる。
章の後半ではポーカーの世界大会の話から、リスクテイクを好む性格と遺伝子はどのくらい関係しているのか等
第13章 信仰
科学と理性は個人的な<意味感>を与えてくれない、ということについて。
当時の彼は、家族、財産、周囲からの尊敬、健康な身体など、幸せの条件と思われる全てを所持していました。
「科学は宗教を説得できない」テーマについても綴られています。
宝くじが外れた場合は気にならないのに、当たったときには「選ばれた」と思うような感覚。もし地上からすべての宗教、宗教書などを処分したところで、このような人間の感覚は消えないだろうと著者は結論づけています。
amazonの表示が高額ですが、中古500円くらいです↑
追記
あと、ドストエフスキーはてんかんの症状があったんだけど、発作中はめちゃくちゃ幸福感に包まれてたって話も面白かった(彼の日記が引用されてる)42ページあたり