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新大久保で韓国料理の「現地化」を考える


1.コリアンタウンの経緯


 東京で「コリアンタウン」というと、どこを思い浮かべますか?
 ほとんどの方が「新大久保」になると思います。特に週末は、年齢層低めで女性層が主流なのですが、歩くのも大変なほど人並みをかき分けて目的地に向かわないといけません。これって「食べ歩き」が爆発したのが拍車をかけていますよね。

 私が若者層の一員であった40年前、その少し後でしょうか、独身の立場でしたが、週末、時折、赤坂に行くのが楽しみでした。「韓国式焼肉」。今も赤坂には焼き肉屋さん多いですが、その当時は韓国焼肉というと圧倒的に赤坂でした。焼肉で「おひとり様」は当時は遠慮が大きかったのですが、ランチであれば大丈夫な店もそこそこありました。キムチが「本場風」であったのが特に嬉しくて、当時、「異国」を感じる格好の場でした。それらしき場は上野の一角にもありまして、そちらにも足を運んだことがありましたが、規模感は赤坂のほうが上でした。赤坂は接待にも使えるような高級焼肉も多い雰囲気で、上野は全体的に古いイメージを残し、食材店がそこそこあって生活を感じさせるような、そんな記憶です。

 それに対し、新大久保は「新しい」街です。赤坂・上野は「旧」。
 中華料理で言うと「池袋ニューチャイナタウン」VS「横浜中華街」。と同じ構図でしょうか。新大久保がここ数十年新たに日本に移住してきた人が中心になってできた街であるのに対し、赤坂・上野はいわゆる「在日」の人が中心です。

 在日の人の焼肉等の味付けと、新大久保の若者向けのような店との味付けを比べると、どう感じられますか?雰囲気等は別にして、ただ「味付け」だけで。
 もちろん好みの問題となるのですが、現象としては「旧」のほうが、当然ながら「現地化」を感じますよね。特にキムチが顕著になるのですが、「辛さ抑え目」の進行。「本場」をこよなく愛するものとしては、新宿歌舞伎町の裏側から新大久保に至る一帯に、もっともっと本場を感じさせる街ができあがり、随分小躍りしたものです!

2.新大久保コリアンタウン ナウ

 また、赤坂VS新大久保の新・旧とは別に、新大久保内でも二つのグループがあります。
・流行型
・伝統型
 表通りの店は、大抵が流行型です。女性客が中心で、若年層が多いのですが、年配の方もよく見かけます。(少し前になった「冬のソナタ」のブームを思い起こします)。男性が店に入るのに、少々気恥しいくらい!
 とにかく「流行」なので、少し前は、タッカルビなど「チーズ!、チーズ!、チーズ!!」。今は「チュクミ(いいだこ)」(もう流行としては少し前になってしまうのかもしれません)。専門店以外でも「チュクミ始めました!」といった店の案内をよく見かけます。いかにも流行!

 流行は別にして、上記と同じく、「味」となると、いつのまにか「現地化」がかなり進んでいるように思えてしかたがありません。若い女性を取り込み、伸ばすためには、ある意味では当然のように思います。

 そんな中にも、量的には多くはないのかもしれませんが、「伝統型」も探せば見られます。
 例えば「ジンゴゲ」。メインストリートからは少し離れたところに位置しますが、「本場」をより感じるのは、こちらのタイプの店なのかもしれません。






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