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「不登校でも投票に行きたい!」は叶いませんでした

18歳になった息子くんの「投票に行きたい」を叶えるため、約1週間いろいろ調べて相談してきました。息子くんの結論は、

「今回は投票はやめておく」

になりました。

投票をやめる理由は、知らない場所で知らない人がたくさんいる場所で自分の意思を文字で書くことが難しいから。

現在の投票はアナログ100%

最初の日記に調べてことをまとめましたが、投票はIT支援はまったくありませんでした。

基本的に投票所に行かないと投票できません。

郵送による不在者投票は限定された方だけです。書くことが難しい人は、代筆専用の職員さんにお願いすることができますが、それ以外の人は代筆できません。

これだけ聞くと、

「投票所に行けさえすれば投票できるでしょ?」

と思うかもしれません。

しかし、学校に行きづらい子や初めての場所や人が苦手な人にとっては、かなり高いハードルになっているのが、選挙の現状です。

息子くんは、私が調べて相談した結果を聞いて、
「その場で初めて会う人に自分の意思を伝えることができない」
と判断しました。

見た目ではわかりにくい困難さを持っている人は、息子くんだけではありません。他にもたくさんいらっしゃいますよね。

息子くんと同じように投票に行きたい気持ちがあっても諦めた人は、全国いらっしゃるんだろうなと思いました。

行かない理由は「場所」にある

今回、選挙のことをいろいろ調べてみて

「投票率が悪いというけれど、その理由の1つに「投票の仕組み」にもある」

と感じました。

投票に限ったことではなく学校に行けない場合もそうですが、その場に行けない理由は1つではありません。少なからずその場にも理由が必ずあります。

投票で言えば、

  • 事前に場所や段取りを確認することができない。

  • 自分で書かなければいけない。

  • 代筆を依頼する場合は決まった人のみ。

この条件により投票の意思があっても投票できない人はいます。

今までの経験から、相談に行く前の準備を行って可能な範囲で調べました。準備について書いたのがこちらのnoteです。


ITが使えることで意思を伝えられる人がいる

「もし、選挙の会場の下見ができたら。」
「もし、用紙を事前に家に持って帰ることができたら。」
「もし、代筆を信頼し安心できる人に頼めたら。」

自分の気持ちを投票できるようになる人がいます。

この「もしも、〜」は、現在の選挙のルールではすべてNGです。

それはわかっています。

でも、この「もしも〜」が実現したとしても、投票はかなり厳しいと思っています。多くの人と違う方法をとる場合、様々な手続きが必要だからです。そのため、投票を諦める選択肢をしてしまうことがあります。

だから、ITツールを使って投票ができることは、困っている人にとって切実な願いなんです。

「社会と繋がらない。」
のではなくて、
「社会と繋がろうとしても繋がれる方法がない。」

繋がる方法が1つしかない。つまり、その場に行くことを求められることが多いから。

でも、ここにITが使えたら。

それだけで、繋がる方法が1つ増えるんです。

選挙だけではありません。

学ぶことも、働くことも、ITを使えれば可能性が広がる人がいるんです。

「IT使ってもそもそも基礎力がないじゃない。基礎的な力をつけてからIT使わないと」

という人がいます。

そうではありません。

多くの人と同じ方法だと学べないから基礎的な力がついていないんです。ITを使えることは道具を手にしただけ。そこから、使い方を学ぶ必要があります。

ITがあればなんでもできるのではなく、やっとみんなと同じスタートラインに立てただけなんです。

つまり、今まではスタートラインにすら立てなかった。

そこを勘違いしている人が多いと感じます。

頑張ればできるなら困っていません。

頑張って、頑張って、頑張ってもできないから、やっとの思いで助けを求めているんです。

その声をつぶすようなことがないように。

選挙にもITが入って、どんな人も、どこにいても、自分の気持ちを伝えられるようにして欲しいと願っています。

息子くんの今とこれから

息子くんは自分で投票には行かない決断をしましたが、とても残念そうでした。

そばで見ていて、こうやって諦めないといけないことを決断するときは、胸が締め付けられます。

でも、一緒に落ち込んでいるわけには行きません。

今回、たくさん悩んで考え決断した息子くんに

「投票に行きたいと思えたこと。それだけでも、一歩前進だよ」

と伝えました。投票は今回が終わりではありません。ここからがスタート。ゆっくりとできる方法を探し続けようと話しています。

息子くんや娘ちゃんのように、困っている人が一歩前進できる社会を作ろうとしてくださる方に、私は投票したいと思います。

ひとり親でも、不登校でも、学ぶことや働くことを諦めないでやっていることをシェアするための活動費として使わせていただきます!