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★AIが「絶対押すなよ(ダチョウ倶楽部)」を理解する日が来るのか?

言語学バーリ・トゥード -Round1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか(川添 愛)

何とも愉快な内容であった。AI分野に関わった経験もあるという言語学者(著者)が、ユーモアとプロレス愛を盛り込んで日常の「ことば」をめぐるトピックスを真面目に…というよりは、ほぼふざけて面白おかしく語っている。かなりふざけてはいるものの、読者を煙に巻くように言葉を巧みに操る文章力はさすが言語学者と思わせる。

著者の自分と同年代ということもあり、引用される1970年代~80年代のアニメや芸能人、プロレスネタがツボに入って愉快。現在はプロレスに興味はないが、子供の頃は新日本プロレスのアントニオ猪木・坂口征二やタイガー・ジェット・シンのテレビ放映を毎週楽しみにしていたので、当時の情景が浮かんでノスタルジーにも浸れる。

ダチョウ倶楽部の「絶対に押すなよ」の「本当の意図」をAIが理解できるか?ユーミンの名曲がなぜ「恋人『が』サンタクロース」なのか等、はっきり言ってどうでも良いことについて、言語学者の知見を活かして?解説されている。結局、わかったようなわらないような感じではあるが笑。

本書での一番の学びは、よく誤った使い方をしていると思っていた言葉が、実は正しい(誤りではない)ということ。
例)「汚名挽回」も「汚名返上」も正しい、全然オッケー(全然いいよ)という「全然」の使い方も夏目漱石の時代には全然オッケーだった等
つまり、言語は時代とともに変化しているわけで、何が言葉の「乱れ」で何が「変化」なのか、奥が深いテーマと感じた。

<以下、要旨>
🔹ダチョウ倶楽部のギャグ「絶対に押すなよ」にみる言語の「意味」と
「意図」の違い
🔹ユーミンの名曲『恋人がサンタクロース』が「恋人はサンタクロース」ではない理由
🔹バーリ・トゥード=何でもあり(ポルトガル語、格闘技用語)
🔹ラッシャー木村「こんばんは事件」はなぜ皆ズッコケたか
🔹宇宙人の言語は地球人の言語と変わらない?
🔹SNSの不毛な言葉の応酬ー過剰な一般化
🔹氷室京介の自己卑下発言へのTERUの神リプ
ー言葉の技術<普段の心の持ち方
🔹前提を利用した質問
・デートの約束「(NG)また会ってくれる?」
🔹ニセ英語の世界
・GOTOトラベル、イートはインパクトイマイチ
・ルー語、長嶋茂雄が秀逸「虫のインフォメーション」「メークドラマ」
🔹ことば地獄めぐり
・汚名挽回は間違いではない 等

100名を超える方にフォローいただくことができました。今後、もっと発信力を高められるよう精進していきたいと思っています。良かったら遠慮なくスキしていただいて、全然オッケーです。

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