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「奨学金」という借金。発達障害と思われる方によくあるお金の困りごと。

いまや大学生の2人に1人が奨学金を利用している時代。

大学の進学費用、授業料に使用するという「目的」が明確、さらに、進学が経済的に厳しい時に推奨されている点などから、「借金する」という感覚で利用していないという人が多いのかもしれません。とはいえ貸与型の奨学金は、無利子・有利子に関わらず、利用後必ずその返済が求められる借金の一種です。

「奨学金」がご本人の負担に。

日本経済が長らく低迷していたことで、親世代の収入状況が悪化し、奨学金に頼らざるを得ないケースが増えたことも、奨学金の利用者数を押し上げる原因になりました。
近年は、大学を卒業したからといって安定企業に就職できるとは限らず、安定しない経済状況の中で、返済が厳しくなってしまうケースも少なくありません。
残念ながら発達障害と思われる方は、特性にあった就業先でない場合、早期離職を繰り返すことが多く「奨学金」がご本人の負担になることも考えられます。
 
また、発達障害と思われる方の中には、お金に関する困りごとを抱えている人も少なくありません。

衝動買いや無駄遣いをしてしまうため浪費が激しい

発達障害の人の中でも特にADHDの方は、衝動性が強いために衝動買いをしやすいという傾向があります。
何か欲しいものがあったら、一般の方であれば「今はお金がないから今度にしよう」「今すぐ必要なものではないから今買わなくてもいいだろう」と思うことができますが、ADHDの人の場合には、金銭的な後先を考えることなく購入してしまうことが多くなります。
また、ギャンブルにはまりやすいという傾向もあります。

お金の管理や計算が苦手

ADHDやASDの方も、お金の管理が非常に苦手な方が多くなっています。
ADHDの場合、「不注意」という特性があるため、家計簿を付けるなどの方法でお金の管理をしようとしても、継続することが難しいケースがあります。
また、ASDの人の場合も、将来を見据えてしっかりとお金の管理を行うことが難しい人が多い傾向があります。

借金癖ができてしまう

ASDの方は物事に関するこだわりが非常に強く、そのこだわっていることについてはとことんまで追求し実現しようとする傾向があります。
このような特徴が原因で、借金をしてでもこだわっているものを手に入れようとするため、このようなことを繰り返すうちに借金が増えるケースも多く見られます。

詐欺被害に遭いやすい

ASDの人は、他人の気持ちを推察するのが非常に苦手なので、相手が良い人か悪い人か見抜くことが難しい人が多くなっています。
また性格が素直であるため、人を信用しやすく疑うことが苦手という方も少なくありません。人が話した内容をその言葉通りに受け取ってしまうため、詐欺師のうその言葉も簡単に受け入れてしまい騙されてしまうことも多々あります。
 
すべての方に当てはまる事例ではありませんが、早期に自分の「特性」を理解することでお金に関する困りごとを少しでも回避することが出来るのはないかと思われます。少しでも気になることがありましたら専門家への相談を。

※参考

ADHD(注意欠如・多動症)
発達水準からみて不相応に注意を持続させることが困難であったり、順序立てて行動することが苦手であったり、落ち着きがない、待てない、行動の抑制が困難であるなどといった特徴が持続的に認められ、そのために日常生活に困難が起こっている状態です。12歳以前からこれらの行動特徴があり、学校、家庭、職場などの複数の場面で困難がみられる場合に診断されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
言葉や、言葉以外の方法、例えば、表情、視線、身振りなどから相手の考えていることを読み取ったり、自分の考えを伝えたりすることが不得手である、特定のことに強い興味や関心を持っていたり、こだわり行動があるといったことによって特徴付けられます。自閉スペクトラム症は、人生早期から認められる脳の働き方の違いによって起こるもので、親の子育てが原因となるわけではありません。

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