秋の恐怖

 映画「スタンド・バイ・ミー」を見ました。

 昔から好きな映画だったけど改めて見てやっぱりいい作品だった。
 うまく言葉にできないというかもはや口で説明するものではないと思っているのですが、満たされない心を持つもの同士が惹かれ合うっていうストーリーがすごく素敵なんです。欠けているからこそパズルのように噛み合って、木の上の隠れ家や真夜中のたき火や夜通し歩く山道の中で臆病な心を通わせるお話。


 クリスの「もうここにいたくない」というセリフが妙に心に残っていて、
なんとなくもうここにいたくないと思っている少年たちが、2日間本当に街からいなくなって、彼らの望んでいるようにこの世界とのつながりが完全に断ち切れている死体に会いに行くお話なのかなと思っています。


  ゴーディの家出を両親はどう思っていたんだろう。

 これがきっかけで家族関係が変わるかもしれないし、あるいはこれまで通りゴーディは家の中で影の薄いままなのかもしれないけれど、家の中だけじゃないもっと広い世界があることを知ったゴーディは、きっともう自分の足で行くべき場所まで歩いていける。
 両親の愛を勝ち得なくても。12歳の時のかけがえのない友達が離れて行っても。

 彼が作家であり二児の父親になったのがきっと何よりの証拠。

ここまで読んでくれたあなたがだいすき!