子供時代の宝物に再会する 大好きなジェラート屋さん

 子供の頃よく遊びに行っていた街にあるジェラート屋さんが大好きだった。

 色鮮やかなショーケースが並ぶ店内がきらきらしていて、自分にとっての氷菓の原点はあのお店だった。あの街に行ったら必ず食べる、年に数回あの街に行った時だけ食べられるジェラートは何よりも特別で代えがたいものでした。

 テナント側とのトラブルである日突然移転してしまって、以来10年近く行方知らずだったんだけど、今日また出会うことができた。元の街から少し離れた山奥のドライブインで。


 看板もメニュー表も昔と変わっていなかった。あの時大好きだったあのお店のまま。
 優しいおじいさんの店員さんと沢山会話しながら自分のジェラートを作ってもらう。

 以前の店舗でも頼んだかもしれないイチゴのジェラート、本物のイチゴの甘酸っぱい味がしておいしかった。イチゴをそのまま食べているというより、100%イチゴジュースを食べているような。

 このお店は、注文したジェラートに加えて、それ以外のフレーバーをひとすくいしたスプーンをつけてくれる方針らしい。おまけのメロンソルベ、メロンの優しい味がしっかり出ていて美味しかったな。



 子供の頃の思い出の中には、誰にも言えないし名前も分からないけど大好きだったもの、また出会いたいけど今どこにあるのか知る由もないものが沢山あった。寧ろそんな思い出で構成されているのが子供の記憶なのかもしれない。

 このジェラート屋さんも自分にとってはそれの1つだった。
 だから、今日の再会は奇跡的で、有難くて、大切にしていたけれどどこかで落としてしまったのかしばらく見つからなかった宝物を遂に発見したような、そんな出会いだった。


 最近はネットやSNSのおかげで自分と距離があるものとも容易に繋がれるようになった。その意味では、上記の「見つからなかった宝物」に再会しやすくなったのかもしれない。それはとても嬉しい。

ここまで読んでくれたあなたがだいすき!