ケニア旅行 -ナクル湖編-
=======================
アンボセリ3日目の朝。
今日もキリマンジャロが綺麗に見える。
朝方、庭を散策していると
「おはようございます、マダム。」と昨晩部屋に侵入してきた男と鉢合わせ。
「今日お帰りですか?」
「うん。今日はナイロビに戻って、それからナクル湖に行くの。だから今日はこれから長距離、長時間の移動。」
「そうですか。あなたは、このヴィラで人気者だったので残念です。」
「そうなの?たった2日間しかいなかったのに・・・。」
「本当です。スタッフは女性も男性もあなたの話ばかりしていました。特にレストランにいたコックはあなたのことを相当お気に入りの様子で、あなたにケニアのガイドになって欲しいって言っていましたよ。次はいつケニアにいらっしゃいますか?」
「うーん。いつだろう・・・。(多分もう一生来ない)」
「ところでマダム、おいくつなんですか?」
「27歳。」
「27?!?!?!そんな歳だったんですか?!20歳前後だろうと予想していました。」
「日本人は若く見えるからね。」
「いやぁ・・・しかし、そんな歳だったとは・・・。どうして結婚してないんですか?」
「どうしてって・・・日本では27歳でも結婚してない女性なんてたくさんいるよ。」
「そうなんですか?アフリカでは考えられないです。27歳なんて、みんな結婚して子供もいますよ。だって普通に考えておかしいでしょう。いい歳して結婚もしないでこんなところで一体何しているんです?」
「いや・・・普段は仕事してるけど・・・。」
ケニアにてまさかの朝から説教。
その後、朝食は優雅にキボヴィラのテラスで済ませ、チェックアウト。
とにかくここのロッジはフレンドリーな人が多く、フレンドリーすぎて勝手に部屋に侵入してきちゃったけれど、個人的にはケニア全行程のホテルの中でベストでした。
ちなみにキボヴィラの『KIBO』は『キリマンジャロの頂き』という意味だそう。
7時半、
ロッジを後にして、ナイロビに戻る前に軽くサファリをしようと提案するピーターさん。
相変わらず「サファリはもういいよ・・・。」と完全に動物に飽きているママ。
でも、折角だからちょっとだけ、ということでサファリドライブスタート。
すぐにライオンを発見するピーターさん。
「3頭いるな。2頭が若いライオンを追いかけている。」とピーターさん。
この時点で私たちは2頭しか確認できず。
アフリカ人の視力の良さは半端じゃない。
この辺りだろうと目星を付け先回りして待っていると、2頭のライオンがもの凄い形相でこちらに向かってくるではないか。
迫ってくるライオンに気づき、慌てて逃げるシマウマたち。
だけどシマウマには目もくれず、若いライオンを追う2頭。
シマウマも「あれ?どしたん?」って拍子抜け。
そして行ってしまった。
「よし、また先回りするぞ!」と俄然ヤル気のピーターさん。
必死で逃げている若い雄ライオンよりも先回り。
襲われる心配がないことがわかっているのか、逃げているライオンを至近距離でじっと見守るシマウマたち。
このライオン、2頭のライオンに捕まったら最期、噛み殺される運命らしい。
だいぶバテぎみ。
カメラ目線のサービスショット。お疲れのところありがとうございます。
鬣が寂しい感じなのは若い証拠。でもお爺さんのようにも見える。
やっぱり相当疲れてる。むしろお爺さんにしか見えなくなってきた。
キリマンジャロとライオンのショット。(個人的にお気に入りの1枚)
奴らが来た!!
こうやって比べてみると、若い者とは貫禄が違う。
でも良く見ると泡を吹いている。
こちらもだいぶ疲れていらっしゃる。
荒々しい息遣いを間近で聞けてテンション上がったけれど、時間の都合上、これ以上彼らを追いかけることができなかったので、若いライオンが逃げ切れたのか、噛み殺されたのかはわかりません。
ライオンは自分たちの力を誇示して生きていく生き物。
弱いものを食べるのはもちろんだけど、弱肉強食の社会はライオンの中にもあるようで、ファミリーを持った若い雄ライオンは、他の年長の雄ライオンに目をつけられたら噛み殺され、さらに赤ちゃんも全部噛み殺されてしまうんだって。
ファミリーを失った雌ライオンはしばらく悲しみにくれるらしいけれど、次の瞬間には自分の旦那を殺した雄ライオンに犯されて、新しい生命を宿し、新しいファミリーを作る。その連鎖だそうな。
さすが百獣の王。やることのレベルが高い。
草を食むガゼルたち。こちらはなんとも平和な光景である。
アンボセリ国立公園のゲート。ここから4時間かけてナイロビに戻ります。
車窓から。
2時間経った頃、タンザニアの国境マナンガに到着。
行きとは違う大きなお土産やさんに立ち寄る。
ここならマサイ族からもらったブレスレットと同じものがあるかもしれない。
「これと同じようなブレスレット売ってますか?」と尋ねてみると、
「ありますよ。」と嬉しそうに全然違うブレスレットを持ってきた店員。
「うーん。これはどう見ても同じものじゃない・・・。」と困り果てていると、
「じゃあこれなんかどうですか?」と別のネックレスを持ってきた店員。
悪くない。
値段を尋ねると50㌦だと言う。
「高いなぁ。50㌦じゃ買えないや。」と言うと
「じゃあ特別に45㌦に値引きします。」と店員。
「5㌦くらいにならないの?」
「5㌦?!無理です。お店が潰れます。」
「じゃあちょっと考えるね。」とその場を離れようとすると、
「マダム、ボールペン持っていますか?」と店員。
キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!
待ってましたよ、その言葉。
というのも、ケニア人は日本製のノック式ボールペンが大好き。
なので、値引き交渉でしばしばこのボールペンが使われるのだそう。
そんな情報を事前に入手していた私は会社から大量にボールペンを押収(横領?)し、それをバッグの中に忍ばせていたのである。
「じゃーん。」と得意げにボールペンをチラつかせる私。
目の前に餌をぶら下げられた店員はハァハァと涎を垂らす。
「で?このボールペンでいくら安くしてくれるの?」と急に強気な態度を見せる私。
「そのボールペンを1本くれたら30㌦にします。」
「あり得ない。このボールペンいくらすると思ってるのよ!」
いくらも何も、押収物なのでタダ同然だけど。
(アスクルで買っても70円)
「じゃ、じゃあ25㌦。」
「5㌦にはならないわけ?」
「それじゃ店が潰れます。」
「店が潰れてもボールペンが手に入るよ。ホレホレ。」
くぅうううぅぅぅと切なそうな声を上げる店員。
「ボスに相談してきます。」と奥に姿を消し、数分後戻ってきた店員は、
「じゃあボールペン2本にしてください。そうしたら5㌦にしましょう。」とのこと。
交渉成立。
ボールペン効果、恐るべし。
時を同じくして、同じようなネックレスを買おうかどうか迷っていたママ。
「ねぇー、マリー、これ60㌦って言うんだけど、どう?高いかなぁ?」
「高いでしょうよ。」
「はっ!アンタそのネックレスどうしたの?」
「今買った。」
「えー??それいいじゃん!!私もそれが欲しい!!どこにあったの??」
「そこにあった。もう無いよ。」
「えー!!私もそれが欲しいよー!!っていうかそれいくらで買ったの?」
「5㌦。」
ボールペンの話をしてあげると、アンタ天才だわ!と私から1本ボールペンを引ったくり、交渉に臨んだママ。
数分後、
「30㌦にしかしてくれないってー。」と泣きそうな顔で戻ってきたママ。話を聞けば、私との交渉で既にボールペンを2本ゲットして満足してしまった店員はもう同じモノはいらないと言う。
なるほど。
ならばここは私に任せたまえ。
バッグの中をごそごそ漁り、
「じゃーん。」と再びボールペンを取り出した私。
だから何?みたいな顔で一瞥していた店員。
「ちょっと兄さん、これをよく見てごらん。」
と、得意気に第一三共ヘルスケアと書かれたノベルティのボールペンを見せる。
「このボールペンがどうかしたのか?」
「兄さん、このボールペンは凄いんだよ。まずここに書かれている文字を見てごらん。」
「何て書いてあるんだ?」
「これは日本で超有名な企業なんだよ。そしてその社名が漢字とカタカナで書かれている。しかも驚くべきことに3色ボールペン。私がさっきあげたボールペンとは訳が違う。滅多に手に入る代物じゃないよ。」
再び、くぅうううぅぅぅと切なそうな声を上げる店員。
ボスに相談しに行った結果、ママのネックレスも5㌦にしてくれました。
こんな感じでショッピングを堪能し、
そこから更に2時間車を走らせて、13時ナイロビ着。
待っていたのび太と合流し、5人で日本食のレストランへ。
久々にのび太に会って興奮したママは、
アンボセリでの出来事を子供のように話しまくる。
「でね、マリが象の死体をひとりで勝手に見に行ってね・・・」
「でね、マサイ村がすっごく楽しかったんだけどね、そこのマサイ族が
最後の最後で豹変して、いきなりビジネスライクになっちゃってね・・・」
「でね、挙句の果てにはマリと牛を交換してくれとか言われちゃってー、もう困ったわよ。」
「そうですか、そうですか・・・」と優しい眼差しでママの話を一生懸命聞くのび太。
「それにしてもマリさん・・・、さっきピーターさんからも聞きましたけど、ダメですよ、ひとりで行動なんかしちゃ。危険すぎます。」
今日は説教が多い日である。
「マサイ族ってみんなすごい長生きするみたいねー。」とのび太と話をしたくて仕方が無い様子のママ。
「それ、誰が言ってたんですか?」
「誰ってマサイ族よ。」
「それ、嘘ですよ(笑)マサイ族が長生きするわけないじゃないですか(笑)だってあんな粗食でみんな栄養失調なんですよ?」
「だって秘薬を煎じて飲んでるからみんな長生きだって・・・。」
「そんな秘薬があったら世界中の人々がこぞって飲みますよ。」
確かに。
「第一、マサイ村にそんな高齢の方いました?」
「そう言われてみたらいなかった・・・。」
「そうでしょう。マサイ族はだいたいみんな60~70歳で死んでます。」
「・・・。死んだマサイ族はちゃんと葬ってもらえるのかしら??」
「部族の長とか、ある程度格式が高い人は土葬してもらえます。でも普通のマサイ族は死んだらライオンやハイエナの餌ですね。それが供養だと思ってるような民族ですから。」
マサイ族…なんで長寿だなんて見栄張ったんだ…。
ランチの後、のび太と別れ、一向はナクル湖を目指して出発。
このナクル湖は辺り一面ピンク色のフラミンゴで埋め尽くされていることで有名である。
2時間半後、ナクル湖周辺に到着。
この辺りはケニアの中でも裕福な人たちが住んでいる区域だそう。
確かにみんな着ているものがちゃんとしている。
そしてナクル湖に到着。
でも・・・あれ・・・?なんか微妙・・・。
シロサイ
私たちの微妙な空気が伝わったのか、
「あっちに行ったらもっとたくさんのフラミンゴがいるかもしれない!!もう陽も暮れかかっているから急ごう!」とピーターさん。
確かにさっきの場所よりはたくさんいるけれど、絶賛するほどの光景ではない。
なんだろう・・・
何かが違う・・何かが足りない。
そう。光がない。
太陽出てこないかな~と呟いていると、
だんだん雲の隙間から光が射してきて、フラミンゴの数も増えてきた。
ピンク色のフラミンゴに混ざって、白いフラミンゴも2割くらいいます。
この場所、フラミンゴが好き!とかピンクが好き!という人は楽しめるかもしれないけれど、私は動物にも鳥類にもそれほど興味が無く、さらに言うとここ、磯の香りと動物園の匂いが混ざって猛烈に臭い。
ちょっと写真撮影で立寄る感じの場所だと思っていたんだけど、なんとママが「わぁ~綺麗!素敵!」と、この場所にすっかり魅了されてしまい、1時間経っても、2時間経っても全く動こうとせず・・・。仕方なく同じような写真を100枚近く撮る羽目に。
振り返ったらサイがすぐそこまで迫ってきてた。
フラミンゴとサイ
夕陽を浴びるフラミンゴ。
すっかり陽も暮れて、本日の宿レイクナクルロッジに向かって車を走らせながら、明日の予定を確認するピーターさん。
「明日の朝、7時にロッジを出発すれば赤道に寄れるけど、どうする?行く?」
「行きたい行きたい!!」と私。
「赤道行って何するのよ。そこに一体何があるのよ。私明日の朝またナクル湖行きたい!」とママ。
赤道かナクル湖かで30分揉めた結果、まさかの翌日も午前中はナクル湖行きが決定・・・。
【ケニア旅行-ナイバシャ湖/マサイマラ編-へ続く】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?