健康経営は、投資家に選ばれる。

こんにちは
『健康を企業文化に』を理念に健康経営アドバイザーの
健康マネジメントスクール
水野雅浩です。

投資家の投資基準が変わった

l  私は30代前半、香港で勤務していました。香港は土地が狭いこともあり、金融都市として栄えています。そこには、グローバル企業が集結しているわけですが、そこで何よりも驚いたのが、社員への健康投資の取り組みでした。

l  金融ビルの中には、ジムが備え付けられており、朝からランニングをして仕事をスタートできる環境が整っています。また、おやつの時間には素焼きのナッツが用意され、野菜スムージーが提供される職場も。また、サプリメントアドバイザーによる講習もあれば、休憩時間にはナップポッドという短時間の睡眠を取れる休憩室がありました。

また、香港には世界中からビジネスパーソン達が出張で集まりますが、埋まっていくホテルはジムが備え付いているところから。ワールドカンファレンスが香港で開かれる際は、声を掛け合って公園ランニングからスタートするのです。

私が懇意になった投資家に話を聞くと、「投資先が社員の健康を大切にしているか否かは、とても重視している。社員が不健康な会社に投資をしたら、それはそのまま、投資回収リスクになるからね」と、ニコリ。

日本は、健康意識の側面でどれほど遅れていることか、と驚愕したことを覚えています。

l  経済産業省の「健康リスクと労働生産性損失コスト」のレポートを見ると、「健康リスクの高い従業員ほど、欠勤や生産性により労働生産性が低下」「労働生産性損失コストは、高リスク社員は172万円。低リスク社員は59万円。その差は、2.9倍」と報告しています。

金融機関も健康経営に取り組んでいる企業は、金利の優遇措置を発表しています。それは、健康の高リスク社員が少ないことから有効に資金を活用してくれるとわかっているからです。

l  あなたが投資家であったら、健康を後回しにし、また、健康管理は社員の自主性にまかせている会社に投資をするでしょうか。それとも、職場として、健康プログラムを準備し、社員のヘルスプロモーションの背中を押すような企業に投資をするでしょうか。

 中小企業のM&A時代。不健康な社員が多い企業は、選ばれるのか?

l  M&Aは年間どのくらい行われているかご存じでしょうか。年間4,280件に登ります(出典:MARR Online 2021年のM&A回顧(2021年1-12月のM&A動向)。非公開の案件を含めると、もっと多くなると言われ、2021年のM&A件数は過去最多になりました。では、なぜこんなにM&Aが増えているのでしょうか。

l  それは、毎日のようにニュースで見る、2025年問題があります。2025年、いわゆる「団塊の世代」800万人全員が75歳以上、国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢社会を迎えることでさまざまな分野に影響を及ぼす諸問題を2025年問題と言います。それにともない、中小企業・小規模企業の経営者のうち70歳を超える人数が245万人になりピークになると言われています(中小企業庁)。

l  少子高齢化の問題は中小企業の経営者にも当てはまる話で、国内の人口動態の中で一番のボリュームゾーンにいるのが、この団塊の世代、今70歳前後の方々です。団塊の世代の経営者は、一気に会社を成長させると同時に、教育への関心が高い傾向にあります。そのため、ご子息たちに高い教育を与え、成人してから別の仕事に就き、家業に戻ってこない傾向にあります。

l  地元、家に子供が戻ってこない、従業員の方々がなかなか引き継げない、という後継者不在の問題を抱える会社が、2025年、約その半分、127万社にのぼるといわれています。その上で、日本の技術力を引き続き、更に発展させるためのM&Aがこれからますます加速すると言われています。

その際に、買収する側は、視点としてどのような企業を選ぶでしょうか。技術力が同じであれば、人材の健康にまで投資している会社が選ばれるのではないでしょうか。日本の企業の99%は、中小企業です。この中小企業の活力を継承していくためにも、健康経営は、M&Aを受ける際にも大きなPRポイントになるはずです。

次回は、抗いようのない、国の方針についてお伝えします。

健康マネジメントスクール
水野雅浩


https://healthylifepj.com/

■プロフィール
健康マネジメントスクール 代表 水野雅浩 専門:健康マネジメント/健康経営 新卒から介護・医療サービスの事業のベンチャー企業の立ち上げに参画。最年少で支社長になり、2回の上場を経験。しかし、その過程で、胃潰瘍になり、メンタルや体調不良で退職する部下を見て、健康を犠牲にして来たことに疑問と後悔を持つ。その後、香港での勤務時代に、従業員の健康に投資をすることでパフォーマンスを上げる健康経営に出会い衝撃を受ける。帰国後、健康を後回しにする日本の風潮を変えるため『健康を企業文化に』をミッションに、社員の健康マネジメント/経営陣の健康経営をテーマに企業・行政・大学を中心に講師を務める。著書6冊。デビュー作『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はアマゾンランキング1位。

■著書
『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』 『グローバルで勝つ!太らない疲れない21の習慣』(アスカビジネス) 『稼げる男 稼げない男の健康マネジメント』(飛鳥新社) 『最強のサプリメント戦略』(アイディア企画) 『睡眠力』(アイディア企画) 『親子で作る健康習慣 本番力で受験に勝つ』(学事出版)

■講演実績
富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、北日本銀行、Huawei Technologies Co., Ltd.大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤなど 【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数保有資格

■保有資格
健康経営アドバイザー(認定番号3000092)東京商工会議所 健康マスター検定エキスパート・認定講師 一般社団法人 日本健康生活推進協会 日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366) 米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

■ホームページ
https://healthylifepj.com/
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