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【#受験】受験生の健康上のSOSを見逃さない


保護者の役割の一つは、子供の無言のSOSを見逃さないことです。

受験を迎えて集中力を高めていく子供と、
そうじゃない子供に分かれていきます。

本番に向けて集中力を高めていく子供たちは、普段から健康習慣があり、生活リズムが整っている子供です。

本番に向けて、ストレスが高まるにつれ集中力の低下、イライラ、風邪を引くなどする子供たちは
生活リズムが乱れていたため、息切れをしてしまっているのです。

塾の先生方の話を聞くと、

・ 緊張のあまり、吐いてしまう。
・ 髪の毛を抜いてしまう。
・ 鼻血を出してしまう。
・ 塾に来なくなる。
・ 試験の結果が悪くて、寝込んでしまう。
・ 休憩時間に失踪してしまう。
                       などなど。

指導者にとっても、戦争状態です。

大人にとっては、受験というのは、長い人生の道のりの中でいくつもあるハードルの一つです。しかし、子どもたちにとっては、受験は人生を決める<すべて>のように思えてしまうものです。

この時期に、生活リズムが安定してないと、メンタルが必要以上に引っ張られてしまいます。

新しいことを学んでもすぐに忘れてしまう。気持ちばかり焦って、結果が思うように出ない。足元からブラックホールに吸い込まれていくような感覚になるのです。

私は、小学6年生から中学2年生まで父の仕事の関係でイタリアに住んでいました。そして、中学3年生になった4月に帰国し、地元の中学校に入りました。

小・中学生の感受性の高い時期を、イタリアという自由闊達な気風のある国で過ごしたこともあり、日本でいきなり受験勉強の世界へと放り込まれたことで、環境がガラリと変わりました。ビタミンカラーのような生活から、灰色の世界に放り込まれたような感覚に陥りました。

イタリアでは日本人学校に通っていたものの、日本の受験戦争の勉強レベルには到底ついていけません。


私はたちまち体調とメンタルを壊してしまいました。メンタルのストレスが肌にでて、道ですれ違う人が、病気かと思って振り返るほどでした。ストレスは内臓も直撃し、胃潰瘍になって、固形物が食べられなくなりました。体重はみるみる減り、学校の休憩時間は保健室で横になってすごす状態だったのです。

受験という得体のしれないものに圧倒され、成績も思うように伸びず、何をやってもうまくいかない。心理学でいう、「学習性無力感」。「自分は何をしてもだめなんだ」という感情がこびりついてしまったのです。

日本に帰国後たった数ヶ月で、ボロ雑巾のようになり、イタリアで過ごした私は、見る影もなくなっていました。思えば人生で一番つらい時期だったような気がします。

気持ちばかり焦る日々が続きました。

しかし、その時の救いだったのが、両親が寄り添ってくれ、一つ一つ、食事、睡眠、運動といった生活習慣を整えてくれたことでした。生活リズムを取り戻すことで、足元から消え入りそうだった感覚が、少しずつ、自分の足で歩くことができているという感覚に変わって行きました。小さな歯車が噛み合うことで、最終的には、第一志望校だった都立国際高校に入学をすることが叶いました。

30年以上たった今では、同じような状況に陥っても、自分を客観的に見ることで、生活リズムを立て直すことができます。しかし、「受験」という渦の中にいた当時の自分には、自分で生活リズムを立て直す余裕はありませんでした。

受験生は、生活習慣の軌道修正を自分ですることは難しい。

だからこそ、親が子供の健康面でのSOSに気づき、生活リズムを整える伴走者になってほしいのです。

特に、
 風邪を引きやすい。また、風邪が治りにくい
 イライラしている
 集中力が続かなくなってきた

こうしたサインは、
・ 必要な睡眠時間が確保できておらず、
・ 必要な栄養素が食事から不足しており、
・ 運動が確保されておらずストレスがたまり、
生活リズムの根本が崩れてしまっている兆候です。

子どもも、生活リズムが整っていることが、一番自分のちからを発揮できるということが分かっています。

子どもは、ランナー。
親は、リズムを整える伴走者。

ぜひ、親子で、納得の行くゴールを目指してください。

健康マネジメントスクール

水野雅浩



健康マネジメントスクール代表。予防医学の専門家。ビジネスパーソン/受験生に向けて「パフォーマンスをあげる健康マネジメント」をテーマに講師・執筆。著書『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。『睡眠力』は健康ランキング1位。中央大学法学部卒業後、介護事業の全国展開、香港でのレストラン事業、大手サプリメントメーカーでの商品開発の責任者を経験。「予防医学」「栄養学」「行動変容ヘルスコミュニケーション」を理論と実地で体系的に学ぶ。現在は、トヨタグループ、富士通、中外製薬、岩手銀行など大手企業を中心にビジネスパーソン向けに仕事のパフォーマンスをあげる健康マネジメントの講座を実施。行政では鳥取県、宮崎県、岩手県などで健康経営の導入講座。教育機関では台湾大学・進学塾で受験生・保護者向けに「受験に勝つ、本番力をあげる睡眠力」「頭がよくなる食事力」をテーマとした連続セミナーを行っている。講義では分かりやすくすぐに実践できる内容と満足度97.6%の高評価を得ている。

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